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第94回目となるツール・ド・フランスがついに開幕。史上初めてスタート地点に選ばれたロンドンでは、しばらく降り続いていた雨も止み青空の下、7.9kmの個人タイムトライアルでプロローグが競われた。バッキンガム宮殿やハイドパークなどロンドンの名所を通過する豪華なコースを制したのは、タイムトライアル世界チャンピオンのカンチェッラーラ(チームCSC)。2007年初めてのマイヨ・ジョーヌに袖を通した。
ビッグベンの鐘が15時を告げると同時に、第一走者のデガーノ(バルロワールド)がスタート。そこから1分おきに総勢189人がロンドンの街へと飛び出していった。最初に好タイムを記録したのは9分26秒のボネ(クレディアグリコル)。その後アスタルロサ(エウスカルテル)が9分23秒をマークした。オグレディ(チームCSC)は中間タイムでトップに立つも、終盤のカーブで落車し大幅にタイムを失ってのゴールとなってしまった。
次に記録を更新したのは9分22秒のザブリスキー(チームCSC)だったが、直後にカルペツ(ケースデパーニュ)が9分16秒でゴール。約30分間暫定トップに立っていたカルペツも、9分15秒を記録したグセフ(ディスカバリー)にその座を奪われた。
総合優勝を狙うバルベルデ(ケースデパーニュ)やシュレク(チームCSC)が落車のリスクを避け慎重に走る中、最速タイムを大幅に更新したのはクレーデン(アスタナ)。クレーデンの9分3秒を目標に、地元の期待を集めるウイギンズ(コフィディス)とミラー(サウニエルドゥバル)が懸命な走りを見せたが、それぞれ9分13秒、9分22秒にとどまった。また、ヒンカピー(ディスカバリー)はウイギンズと同タイムの9分13秒でゴールしている。
ここまで誰も破れなかった9分の壁を突破したのがカンチェッラーラ。完璧なライン取りでタイムを縮めていくと、クレーデンに13秒差の8分50秒でゴールラインを通過した。カンチェッラーラにとっては、2004年以来2度目のプロローグ勝利となった。
明日からいよいよプロトンが始動する。ロンドンから東へ向かい、大聖堂で名高いカンタベリーでゴールする203kmのコース。ほぼ平坦なため、序盤での逃げとゴール前でのスプリント対決が期待できそうだ。
ファビアン・カンチェッラーラ(チームCSC)
ステージ優勝、マイヨ・ジョーヌ
(前回プロローグ優勝との違いは?)プレッシャーの差。今回は世界チャンピオンのジャージを着て走ったし、僕はロンドンプロローグでの大本命に上げられていた。それにツール・ド・スイスでも個人TTを勝って、調子も良かったからね。一方、前回は誰も僕のことなんか事前に話題にさえしていなかった。「カンチェッラーラに要注意!」と言っていたのは、ほんのわずかな人だけだったからね。でも今回はパリ〜ルーベでプレッシャーの扱い方を学んできたから、おかげで冷静に全力を出し切ることが出来た。今日は絶対に勝ちたかった。今年の今日という日に目標を定めてきたから、モチベーションが非常に高かった。だからツールに向けて最高の調整をするにはどうすべきか、チームと話し合いを持った。100%の調子でツールのこの日を迎えるにはどうすべきか、と。僕自身、TT専門トレーニングだけで十分だとは思っていなかったんだ。そして今日のプロローグを最高のコンディションで迎えられたのは、クラシックを戦ってきたおかげだと思っている。もちろん、全く違うタイプのレースだ。でも学ぶことはたくさんある。結局は毎日学ぶことはたくさんあるんだよ。毎日少しずつ学んでいくんだ。先ほども言ったように、パリ〜ルーベでプレッシャーの扱い方を学んだようにね。
デーヴィット・ミラー(サウニエルドゥバル)
ステージ13位
今日に向けて出来る限りの調整をしてきた。気分は良かったけれど、でもトップレベルではなかったね。今日のコースは、それほど難しくないシンプルなものだったんだ。リズムを上手にコントロールして、体力勝負をすればよかっただけなのにね。でも今後絶対に、1ステージは勝つよ。断言する。どのステージを狙うのかはこれから考える。レースの進行を見て選ぶさ。がっかりはしているけれど、ステキな1日だったよ。すごく幸せだ。家族も見に来てくれたからね。彼らはコース脇でシャンパンなんかを飲んで、楽しそうだったよ!彼らの隣にずっといてあげることができなくて、それだけが残念だったけどね。でも僕自身はロンドンコースを走れて、本当に最高だった。
J SPORTS 編集部
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