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マルセイユからモンペリエまでのフラットなコースで競われた第11ステージ。戦前の予想通り大集団でのスプリント対決が繰り広げられ、ハンター(バルロワールド)がカンチェッラーラ(チームCSC)とフィッシャー(リクイガス)に競り勝ち、バルロワールドの今大会2勝目を飾った。総合争いでは、落車の影響もあり3分20秒遅れたモロー(アージェードゥゼール)が6位から14位に後退したが、その他の動きはなくマイヨ・ジョーヌはラスムッセン(ラボバンク)のままとなっている。
気温が高く風も強いマルセイユをスタートした171人のプロトンから、今日も早い段階で逃げが生まれた。アローヨ(ケースデパーニュ)、フォイクト(チームCSC)、ベンナーティ(ランプレ)、ハウッスラー(ゲロルシュタイナー)、フェドリゴ(ブイグテレコム)、シャヴァネル、ナイエンス(コフィディス)、ヴォグルナール(フランセーズデジュー)、シウツォウ(バルロワールド)の9人は、追い風の効果もありプロトンに差をつけていく。31.5km地点の中間スプリントポイントはベンナーティが先頭で通過。プロトンではモローとジェランス(アージェードゥゼール)がクラッシュしたが、レースを続けることはできた。38km地点のカテゴリー4級峠はシウツォウがトップ通過し、50km地点では集団との差は1分45秒になっていた。
65km地点でヴォグルナール、ベンナーティ、シャヴァネルが抜け出すが、83km地点でプロトンに吸収される。ここでジルベール(フランセーズデジュー)がアタックすると、ウェーグマン(ゲロルシュタイナー)、フォフォノフ(クレディアグリコル)、フロレンシオ(ブイグテレコム)が後を追う。しばらくしてミラー(サウニエルドゥバル)も合流した。ゴールまで80kmの補給地点で5人は7分30秒のリードを奪うが、プロトンではアスタナがペースを上げ始める。この動きでモロー、フースホフト(クレディアグリコル)、ツァベル(ミルラム)らがプロトンから切り離された。
アスタナのペースアップに、クイックステップ、バルロワールド、サウニエルドゥバルも協力し、残り38km地点で逃げる5人を捕らえる。モローらの集団は必死の走りで追いつこうとするも、プロトンの勢いにはかなわず、残り20km地点で約2分遅れてしまった。
ゴールに向かってハイペースで走るプロトンから、残り4kmでヴィノクロフ(アスタナ)がアタック。残り3kmで吸収されたが、徐々に調子が上向きになっていることをアピールした。ゴールまで1kmの地点でシーベルク(ミルラム)、ディーン(クレディアグリコル)、ロドリゲス(プレディクトール・ロット)が落車すると、後方にいたボーネン(クイックステップ)やバルベルデ(ケースデパーニュ)は先頭から引き離されてしまった。
残り300mでブルグハート(T-モバイル)がアタックしたが、少しタイミングが早すぎた。フィッシャーとポッツァートを擁するリクイガスが追い上げたが、最後に笑ったのはハンター。スプリントを制したハンターは、南アフリカ人初のツールステージ勝者となった。
明日の第12ステージはモンペリエからカストルまでの178.5km。終盤にカテゴリー2級ジャント峠を控えるが、ここで果敢にアタックする選手が出てくるのか注目したい。
ロバート・ハンター(バルロワールド)
ステージ優勝
非常に長くて難しい1日だった。最初から最後まで非常にスピードが速かったし、風もあった。ラストがどうなるのか全く読めなかった。ボーネンやフィッシャーが最後まで残っていたし、カンチェッラーラもすごい勢いであがってきたからね。6年前からツールのステージ優勝を求めて走ってきて、ついに勝利を手に入れた。実はマイヨ・ヴェールのポイントが欲しかったんだ。勝利で締めくくることが出来て幸運だよ。ポイント賞2位に上がることができた。今日のスタート地では予想もしていなかったことだよ。
今日のステージはすごく速かった。アスタナのアタックに耐えられたし、最後の落車からも逃れられた。幸運だった部分もあるけれど、本当に嬉しいね。プロトンの中でこれから何が起こるのかは、あらかじめ知っていた。補給地点の前で、誰かが教えてくれたんだよ。あるチームが加速して千切りにかかるぞ、ってね。僕はリクイガスが加速するんだと思っていたよ。チーム監督が前線に留まるようにと指示をしてくれた。
ツールで最初の南アフリカ勝者になれたことは、僕にとって非常に大切なことなんだ。南アフリカには自転車を楽しんでいる人がたくさんいる。でも残念なことに金銭的な問題が多い。十分なスポンサーがいない。ハイレベルの自転車選手を育てることが出来ないんだ。アマチュアレベルでは、世界でも有数の自転車大国なんだけどね。
クリストフ・モロー(アージェードゥーゼール・プレヴォワイヤンス)
3分20秒遅れのステージ82位
落車のせいで、ビンディング用金具がひとつ壊れたんだ。だから靴を替えなければならなかった。早い決断を迫られて、物事が上手く進まなかった。こんな日もあるさ。ツールはまだ終わっていない。もっと悪い事態に追い散る可能性もあったんだ。例えば骨折する危険性だってあった。さらに後退してしまいそうな時もあったけれど、チームは僕を支えてくれた。ツールでは、こんな日も耐え忍ばなければならない。簡単ではないけどね。もしかしたら今後の喜びのために、耐えなければならない試練だったのかもしれないよ。今後の僕は、より自由に出来る。攻撃の幅が広がった。暗黒の一日は忘れなければならない。
ミカエル・ラスムッセン(ラボバンク)
マイヨ・ジョーヌ保守
アスタナが加速し始めた時、僕はうまく前線にポジションをとっていたんだ。チーム全体が加速の準備をしていることは見て取れた。だから驚いたりしなかった。マイヨ・ジョーヌを出来るだけ長く守りに行く。それに最初の個人タイムトライアルは、僕にそれほど不利なコースでもないしね。もしも個人TT後にマイヨを失ったら、取り戻すためにまたアタックするだろう。
J SPORTS 編集部
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