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サイクル ロードレース コラム 2007年7月23日

【ツール・ド・フランス2007】第14ステージレースレポート

サイクルロードレースレポート by J SPORTS 編集部
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マイヨ・ジョーヌの行方を決定づけるピレネー山脈に足を踏み入れたプロトン。カテゴリー超級パイエール峠と、ゴール地点プラトー・ド・ベイユへの過酷な登りで、総合優勝を争う選手のセレクションが行われた。ステージ優勝を果たしたのは、新人賞ジャージを着る24歳のコンタドール(ディスカバリー)。同タイムでゴールしたラスムッセン(ラボバンク)は今日も総合首位の座を守った。総合2位には2分23秒差でコンタドール、3位は3分4秒差でエヴァンス(プレディクトール・ロット)が続いている。

マザメをスタートすると、すぐに9km地点のカテゴリー2級峠への登りが始まる。ここでプロトンから先行する2つの集団が生まれたが、下りに入るとその2つが合流し27人の逃げを形成。ラスムッセンを含むこの集団は、約20km地点で1分のリードを奪った。だがエヴァンス率いるプレディクトール・ロットがプロトンのペースを上げ、約35km地点でラスムッセンらを吸収する。ここでカウンターアタックを仕掛けたのが、ペレスとチュルーカ(エウスカルテル)、グティエレス(ケースデパーニュ)、バレード(クイックステップ)、コロム(アスタナ)、クチンスキー(リクイガス)。絶好のタイミングで飛び出した6人は、46.5km地点カルカッソンヌを通過する際にはプロトンに約5分の差をつける。さらに91km地点では約10分にまでリードを広げた。

カテゴリー超級パイエール峠に近づくにつれて、それまで晴れていた空は曇り始め、気温も20度を下回っていく。クライマーのマヨを前に連れて行きたいサウニエルドゥバルがプロトンを引き、129km地点では6分差にまで縮めた。平均斜度7.2%、16.8kmの過酷な登りに入ると、逃げグループからクチンスキーが脱落。続いてバレードも遅れ、チュルーカ、ペレス、グティエレス、コロムのスペイン勢が先頭に残った。後方では峠まで残り7kmでヴィノクロフ(アスタナ)が集団から離されていった。

逃げる4人は集団に2分39秒差をつけてパイエール峠を越える。ここから約35kmの下りが始まると、集団からペレイロ(ケースデパーニュ)がアタックしたが、サヴォルデッリ(アスタナ)が素早く反応し逃がさない。ゴールまで残り15.9km、プラトー・ド・ベイユのふもとでも差は2分30秒のままとなっていた。

平均斜度7.9%の登りが始まると、チュルーカをアシストしていたペレスが脱落する。再び合流していたバレードも遅れ、逃げはチュルーカ、グティエレス、コロムの3人となった。プロトンを引くのはラボバンク。ボーヘルトのハイペースを前にして、残り12kmでサヴォルデッリやマヨらが次々と離されていった。続いてポポヴィッチ(ディスカバリー)がアタックすると、今度はバルベルデ(ケースデパーニュ)がついて行けず。後続集団はこの時点でラスムッセン、サストレ(チームCSC)、エヴァンス、ポポヴィッチ、コンタドール、ライプハイマー(ディスカバリー)、カシェチキン、クレーデン(アスタナ)、ソレル(バルロワールド)の9人に絞られた。逃げグループではコロムがアタックし、ゴール目指して1人で登っていく。

残り約8kmでコンタドールがアタックすると、ついて行けたのはラスムッセンとエヴァンスだけ。さらにコンタドールとラスムッセンがアタックを繰り返すと、エヴァンスはこらえきれずに遅れてしまった。2人の勢いはとどまらず、残り3.5kmでコロムを抜き去ると互いに譲らずそのままゴールへ。スプリントで上回ったコンタドールが先頭でゴールラインを通過し、ツール初のステージ優勝を手にした。

明日の第15ステージは5つの峠がそびえ立つ厳しいコース。総合争いの行方はもちろんのこと、山岳賞を狙う選手たちの序盤での逃げからも目が離せなさそうだ。


アルベルト・コンタドール(ディスカバリーチャンネル)
ステージ優勝、総合2位、マイヨ・ブラン

今日の成績は非常に大切だ。ただし、まだ難しいステージが3つ残っている。明日、水曜日、そして個人TT。すごく難しくなるだろう。それに僕にだって、調子が悪い日が訪れる可能性があるし、総合順位を落としてしまうことだってありえる。もちろんラスムッセンにとっても同じことだ。

(ゴールラインを超えた時)家族のことを真っ先に考えた。それから僕を励まし続けてくれた人、支えてくれた人、いい時も悪い時も変わらず僕を助けてくれた人たちのことも。もちろんチームみんなのことも考えた。このツールでは、僕のためにみんなが素晴らしい仕事をしてくれた。

現時点での総合首位はラスムッセンであり、彼は本当に強い。僕らは今日、エヴァンスを引き離すことが出来た。もしも調子の良い日があったら、僕はラスムッセン相手にアタックをかけるさ。でも最終週は常に難しいものだから、誰にでも不調の日がやってくることがありえるけど……。もちろん可能性があれば、アタックをかける。

今日はチーム全体でレースの主導権を握ろうと決めていた。ブリュイネル監督と朝に話し合って戦術を練ったんだ。まずはヒンカピーとポポヴィッチを前線に送って、プロトンの絞込みを行った。それから僕がアタックする瞬間を見定めて、飛び出しをかけた。僕にはいい脚があると分かっていたから、別にブリュイネル監督に遠隔操作されたわけではないよ。

今日は本当に素晴らしい1日だった。夢が叶ったよ。ツール総合優勝できるかどうかは分からないけれど、出来る限り全力を尽くす。


ミカエル・ラスムッセン(ラボバンク)
マイヨ・ジョーヌ保守、ステージ2位、マイヨ・ア・ポワ・ルージュ

コンタドールはかつてないほど決定的な走りを見せた。僕はそれを利用しなくてはならないと考えた。そして2人で先頭になった時、他選手からできる限りのタイム差を開きたいという2人共通の利益があったから、一緒に協力し合って走った。でもゴール直前ではコンタドールがスプリントに有利な位置につけていた。だから彼が先にゴールしたんだ。

今現在、コンタドールが僕にとって総合争い最大のライバルだ。それにディスカバリーチャンネルは、2枚のカードを持っている。ライプハイマーも総合で非常にいい位置につけている。まだピレネーで400km走らなければならないし、もちろんパリ到着前には何も決まったりしないんだ。

(ドーピングの話をしたくないのは)まだレースが1週間残っているから、自転車のことに集中したい。もしもほかの事を考え始めたら、頭がおかしくなってしまうから。

(ゴール前で2人の了解は?)僕ら2人ともステージ優勝に向けて100%で走ったんだ。プラトードベイユはパンターニやアームストロングが勝った山だ。だから僕ら2人とも、この伝説的なステージの勝者歴に名前を刻みたかったんだよ。

J SPORTS編集部

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