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サイクル ロードレース コラム 2007年9月24日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2007】第21ステージレースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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残暑厳しいスペインの昼下がり。2007年ブエルタ・ア・エスパーニャ最終ステージは、いつもよりも少し遅い時間にのんびりと始まった。3週間の戦いを無事に乗り越えた145選手は、みなリラックスムード。家族や友人が会場を訪れ、ほとんどの選手が笑顔で大会の終わりを祝った。

スタート地のヴィラージュでは、マイヨ・オロのデニス・メンショフ(ラボバンク)や地元スペインのヒーロー、カルロス・サストレ(チーム CSC)とサムエル・サンチェス(エウスカルテル)にサインや写真の依頼が殺到。メンショフとツーショット写真を撮ろうと、スタートラインでおねだりする選手も続出したほど。ちなみにメンショフの代わりに複合賞ジャージを着て現れたサストレは、キャリア10度目のグランツール総合10位以内(ツール5回、ブエルタ5回)。これはにシモーニの9回を抜いて、現役最多記録となった。

そんなお祭りムードの中、最後まで気持ちを緩められなかったのがダニエーレ・ベンナーティ(ランプレ)とアレッサンドロ・ペタッキ(ミルラム)。イタリアンスプリンター2人は12p差でポイント賞争いを繰り広げていたのだが、前日の個人TTでメンショフとサンチェスに先を越されてしまったのだ。しかし危険な存在は、4賞ジャージを独占したメンショフではなく、最終日にメンショフの代わりにポイント賞のピンクジャージを着て現れたサンチェス。ゴール前に突撃アタックを仕掛ける脚を持ち、何よりもジャージへのモチベーションが高かった。その通り、マドリードサーキットでの最終周では、エウスカルテルがプロトン前線で激しく仕事をする姿も見られた。

ただしミルラムの本業トレインには敵わない。リーダーのペタッキ発射に備えて、水色ジャージが綺麗な一列を作り上げた。ところがベンナーティも、まるでライバル列車の一部であるかのように一体化していた。そしてペタッキがゴール前200mで飛び出すと、まったく同じタイミングで前へ出た。

2ヶ月前にパリのシャンゼリゼ大通りを制し、マドリードのシベレス広場でも両手を突き上げたのはベンナーティだった。また今ブエルタの初日と最終日を勝ち取り(+第17ステージ)、スペイン一周を美しく締めくくった。しかも最終ステージの翌日は、ベンナーティ27回目の誕生日。もちろん自分へのプレゼントは、待望のポイント賞“キング・オブ・スプリンター”ジャージだ!

その他のジャージ(マイヨ・オロ、山岳賞、複合賞)を独占したメンショフは、2005年とは違って、今年はマドリードでマイヨ・オロの栄光を心行くまで味わったに違いない。マドリードの街にはロシア国旗が流れ、青空にはパラシュート部隊の背負った巨大なロシア国旗がはためいていた。


ダニエーレ・ベンナーティ(ランプレ・フォンディタル)
ステージ優勝、ポイント賞(プントス)獲得

今日の勝利には凄く満足しているよ。ポイント賞が懸かったステージだったし、最終ステージのマドリードでのゴールだった。ツールでの最後のパリで勝ち、そして今度はマドリードで最後を締めくくることが出来たのだから夢のような気分だ。また、プントスも獲れたわけだし、今ブエルタを通して良い走りが出来たということの証となった。この勝利は色んな意味で僕にとって凄く重要だ。 シュツットガルト!?もう考えないようにしているよ。今日は世界選手権のコースの試走があるらしいけど、テレビを見るつもりも無い。


エセキエル・モスケーラ(カルピン・ガルシア)
総合5位

この結果にチームとしても、自分個人としても本当に満足しているよ。3週間の長いレースに出場したのは初めてだったし、毎日が激しさの中での戦いだった。総合で10位を目標にしていたけど、まさか5位とはね。スペイン人としては3位でもあるし。本当に嬉しいね。


カルロス・サストレ(チーム CSC)
総合2位

メンショフを祝福しなければいけないね。彼は今ブエルタで最高、最強のランナーだった。一日たりとも弱みを見せなかった。僕としては逆転しようと試みたけど、出来なかった。仕掛けが足りなかったとは思っていないよ。自分としては自分の出来ることを全て出し切ったと思っているからね。それだけに今は達成感を感じているよ。今はとても疲れているけど、世界選手権には出るつもり。経験値を増やす為にね。そして仲間の為に全力で走りたいね。


デニス・メンショフ(ラボバンク)
マイヨ・オロ、山岳賞、複合賞獲得

このブエルタのタイトルは僕の人生にとって最も重要な瞬間だ。2005年はロベルト・エラスがあんなことになって(ドーピングで陽性反応が出た為にタイトルを剥奪され、2位だったメンショフが繰り上げ優勝)、転がり込んできたタイトルという感じがあったけど、今回は正真正銘の勝ち取った勝利。それだけに喜びの味が全く違うね。最後まで気の抜けない接戦のブエルタだった。本当に嬉しい。


サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ)
総合3位

最高の気分だね。表彰台は目標だったし、本当に嬉しいよ。今日はチームとしてコルド・フェルナンデスに最後のスプリントで勝たせることを目標にしていた。ラスト3kmの所までは良い感じで来ていたんだけど、最後は上手くいかなかったね。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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