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ジロはあと約1週間も残っていいるというのに、なんとこの日が大会最後の完全なる平坦ステージ。つまり難関山岳3連戦を前に、スプリンターにとっては絶対に逃すことの出来ないステージだ。なにしろ翌日の夕方には、何人のスプリンターがゴールに無事たどり着けているのか分からないのだから……。
山岳をそれほど得意としない大逃げ屋にとっても、ミラノまでの残り少ない点数稼ぎのチャンス。大逃げ賞、中間スプリント賞「ミラノ・エクスポ2015」、敢闘賞などで上位につけるロワ(フランセーズデジュー)やビュファーズ(コフィディス)などが、チャンスを狙ってアタックに挑戦した。さらにはディルーカ(LPR ブレイクス)やベッティーニ(クイックステップ)という有力選手さえも、プロトン前線で加速してみたことも。
結局、数多いアタック挑戦者の中から、エスケープに乗ることを許されたのはビュファーズとアギィレェ(エウスカルテル)。ただしプロトンに最大8分半のリードをつけるのが精一杯だった。大方の期待通り、ゴールはスプリンター全員集合による、“最後の”真剣勝負が大々的に繰り広げられた。
前日——ミルラムのツァベルがパンクでオンガラートが急遽スプリントした——とは違って、この日はミルラムトレインが集団内のポジション争いを先導する。さらに、やはり前日わずか3センチ差で勝利を逃したカベンディッシュ擁するハイロードも、今日こそは負けじとチーム全体で加速を続ける。そしてゴール前、前日に勝利をつかんだベンナーティ(リクイガス)が、やはり先頭でスプリントをリードした。
しかし今日のカベンディッシュは、ベンナーティと右フェンスの脇に出来た小さな隙間を見逃さなかった。「ボクに道を譲ってくれたベンナーティは紳士だ!」と今季世界選手権マジソン競技金メダリストは嬉しそうに語るが、その分ベンナーティは左への大きな迂回を強いられた。そして遠回りして無駄に距離を走ってしまったベンナーティを、直線で突いたカベンディッシュが素早く抜き去った。
「夏季五輪の調整も兼ねてジロに参加している」と言うカベンディッシュにとっては、第4ステージに次ぐステージ2勝目。ファンにとって嬉しいことに、難関山岳も最初から放棄してしまうつもりはない。「いつかジロやツールのポイント賞を獲得したいと本気で思う日のために、できるだけ経験を積みたいんだ」。
またヴィスコンティ(クイックステップ)は8日連続で総合首位を守りきった。ただし今週末の難関山岳ステージで、残念ながらジャージを手放すことになるだろう。ミラノで一体誰がマリア・ローザを着ているのか。戦いの行方がいよいよ見えてくる。
マーク・カベンディッシュ(ハイロード)
ステージ優勝
絶対勝つ、とチームメイトと約束したんだ。そしてボクはパーフェクトなスプリントを成し遂げた。チームメイトは最高のトレインを作ってくれたから、ボクは仕事を完成させただけさ。でも最終盤は危険だったね。昨日負けたからこそ、今日の勝利が果たされた。だってあれほどわずかな差で負けて、本当に悔しかったからね。
ベンナーティには最大級の感謝を捧げなくちゃ。大いなるスポーツマンシップを発揮して、ボクがスプリントするためのスペースをあけてくれた。つまりボクらは公正なスプリント争いをして、誰が一番速いのかを証明したんだ。ボクが同じ立場になったら、おそらくスペースを塞ぎにかかるだろう。でも将来、彼の優しさ対してお返しをしたいと思っている。
ダニエーレ・ベンナーティ(リクイガス)
ステージ2位、ポイント賞
負けてしまって、本当にがっかりだ。でもステージ中、少し疲れを感じていたんだ。それでもゴール前はいい感触が戻ってきていたんだけれどね。カベンディッシュ向きのスプリントだったね。チームはいい仕事をしてくれたから、満足しているよ。カベンディッシュとの対戦成績は、3−2でボクがまだリードしているよ。
リカルド・リッコ(サウニエルドゥバル)
日曜日の夜には、ボクがジロを勝てるかどうかはっきり知ることになるだろう。ボク向きのステージだ。失敗は許されない。朗報なのは、2日前に落車したピエポリの体調が良くなってきていること。自信はある。でもシモーニにとっても、彼向きのステージだ。個人タイムトライアルでいい成績をたたき出したシモーニは、これらのステージで絶対トップに入ってくるはずだ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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