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2008年ジロが駆け抜けた約3400kmの、最後の数メートルを残したところで、マリア・ローザ姿のコンタドール(アスタナ)はようやく総合優勝を確信して両手を天高くつき上げることができた。前日2位リッコ(サウニエルドゥバル)との差はわずか4秒。ほんのわずかなアクシデントでも順位は逆転する可能性があったのだ。しかし安定した走りを見せた28.5kmの個人タイムトライアルの後には、コンタドールのリードは1分57秒にまで開いていた。
マルコ・パンターニのダブルツール10周年の今大会、“海賊”の後継者と呼ばれるリッコ(サウニエルドゥバル)は総合2位で3週間の戦いを終了。新人賞マリア・ビアンカも獲得した24歳は、区間2勝も手に入れた。一方、ジロ総合勝者コンタドールの区間勝利はゼロ。……2002年ジロ以来の残念な事実だ。ちなみに外国人選手のジロ制覇は1996年トンコフ以来、スペイン人選手の優勝は1992・93年インドゥライン以来の快挙である。
首位と2位が4秒差の戦いだったのだとしたら、3位ブルセギン(ランプレ)と4位ペッリツォッティ(リクイガス)もわずか5秒差の接戦となった。そして区間はペッリツォッティが3秒差でブルセギンを上回ったが、総合3位をわずか2秒差で守りきったのはブルセギンだ! クネゴ、バッラン、ナポリターノというリーダー級選手の欠場で、大会直前にメディアから大いに批判されたランプレだったが、見事にミラノの表彰台を獲得してみせた。表彰台後もしばらく、ミラノの町には“ロバの耳”をつけたファン軍団の応援歌が鳴り響いていた。
前日に表彰台争いから完全に後退していた昨季王者ディルーカ(LPRブレイクス)と過去2勝シモーニ(ディクイジョヴァンニ)は、それぞれ総合8位、10位で長く苦しかったジロを終えている。
そして普段とは違うミラノステージ——大集団スプリントではなく、個人タイムトライアル——を制したのは、2005・2007年の2度イタリア国内選手権個人タイムトライアルチャンピオンに輝いているピノッティ(ハイロード)。昨年のジロで4日間マリア・ローザを着用しているが、ジロ区間優勝は初めての栄光だ。
ピンク色の紙ふぶきが青空に撒き散らされ、2008年のジロ・デ・イタリアは幕を閉じた。来年のジロは100周年記念大会。スタート地はどこなのか、どんな恐るべき峠が登場するのか、そして一体誰が記念すべき大会を制するのか……。来年の5月が今から楽しみだ。
●アルベルト・コンタドール(アスタナ)
マリア・ローザ総合優勝
今、全てを思い返してみると、バカンスを中止してジロに参加して良かったよ。選手なら誰でも勝ちたいビッグレースだからね。それに今だから言えるけれど、このジロは去年のツールよりも勝つのが難しかった。だってグランツールは数ヶ月前からしっかり調整して臨むべき大会なのに、ボクは一日一日調子を見ていくしかなかった。ジロが始まったときには、ボクがどれだけ出来るのか本当に見当もつかなかったんだから。
●リカルド・リッコ(サウニエルドゥバル)
総合2位、マリア・ビアンカ
大会最終盤は頭も脚も完全にダメになってしまった。後悔は大きいね。運命はボクに微笑んでくれなかった。でも来年のジロにまた狙いをつけるよ。さらに一年経験を積んだボクは、より強くなっているはずさ。ツールのことはまだ考えない。まずは2週間休暇をとってから先のことを考える。
●マルツィオ・ブルセギン(ランプレ)
総合3位
いつだって総合5位以内に入りたいな、と思い続けてきたんだ。それに今年はチームリーダーとしてジロに参加するのは初めてだった。でもボクはずっとアシストを努めてきたんだ。11年以上だよ。祖父がいつも言っていたものさ。「人に指図できる人間になるためには、まずは他人に従うことから学ばなくてはならない……」って。でもこの成績がボクの立場を根本から変えたりはしないだろうね。いつだってアシストとして他人のために働くつもりでいるよ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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