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サイクル ロードレース コラム 2021年9月26日

11年振りにJ SPORTSに帰還!UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレースの優勝国を栗村修が大胆予想!

サイクルロードレースレポート by J SPORTS 編集部
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栗村修の優勝予想

栗村修の優勝予想

11年ぶりにJ SPORTSに帰ってきたCycle*2021 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレースの優勝国を、7カ国に絞って栗村修さんが大胆予想!果たして誰が新たな世界王者の栄冠を勝ち取るのか。優勝候補筆頭はベルギーのワウト・ファンアールト、それにライバル勢が肉薄する白熱必至の戦いは、9月26日午後5時15分から生中継&オンデマンドLIVE配信でお届け!お見逃しなく。(※勝利予想の星の数はあくまでも7カ国間での比較になります)

■ベルギー:舞台は整った、あとは勝つだけ

ワウト・ファンアールト、エヴェネプール

ワウト・ファンアールト(左)、エヴェネプール(右)

勝利予想:★★★★★(5点/5点中)
注目選手:ワウト・ファンアールト、エヴェネプール

ベルギーのフランドル地方は世界で一番ロードレースが盛んな場所。しかも僕が住んでいたアントワープが今回のスタート地点。さらに、そこで100周年記念の世界選手権が開催されるということは、それ自体が熱狂と狂気しか感じませんよね。言い換えれば、“僕のための世界選手権”と言ってもいいくらい全てが揃っています(笑)。そして、注目はなんと言ってもワウト・ファンアールト。東京五輪以降は少しお休みをして、先日のツアー・オブ・ブリテンでステージ4勝、総合優勝。

また、21歳のレムコ・エヴェネプールは欧州選手権で2位でしたが、めちゃめちゃ強かったので注目です。国別対抗戦はとにかく会場の熱気がすごいので、これだけの条件が揃った中で、ファンアールトが勝ったとき、会場の一体感がどれほどのものになるのか、これは僕がベルギー好きということを抜きにしても見てみたい光景です。本当に全てが揃っていて、あとは勝つだけです。

■フランス:気配を消しているスターの真相やいかに

ジュリアン・アラフィリップ、ブノワ・コスヌフロワ

ジュリアン・アラフィリップ(左)、ブノワ・コスヌフロワ(右)

勝利予想:★★★★☆(4点/5点中)
注目選手:ジュリアン・アラフィリップ、ブノワ・コスヌフロワ

ジュリアン・アラフィリップの影が最近ちょっと薄い...。ファンアールトが優勝したツアー・オブ・ブリテンでは総合3位。カヴェンディッシュのアシストもしていましたし、決して悪い成績ではないのですが、いつものキラキラした存在感が消えているのが逆に不気味です。もう一人、ブルターニュ・クラシックでアラフィリップをスプリントで下し、欧州選手権でも3位に輝いたブノワ・コスヌフロワも注目になってくると思いますが、今回はベルギーの放つ光が強すぎて、現世界王者アラフィリップが着るアルカンシェルの虹色が若干かすんで見えます...。

ただし、世界選手権は最強のチームが順当に勝つとは限りません。強いチームは仕事をしなければならなかったり、力を誇示して勝とうする余り、自信溢れる強豪国同士がお互いに潰しあってしまうことも起こりがちです。その結果、予想しなかった選手が勝つこともあるため、フランスはベルギーに比べると少し影が薄いところがプラスに働く可能性もあるでしょう。

■スロベニア:2人のスーパースターが率いるダークホース軍団

タデイ・ポガチャル、プリモシュ・ログリッチ

タデイ・ポガチャル(左)、プリモシュ・ログリッチ(右)

勝利予想:★★★☆☆(3点/5点中)
注目選手:タデイ・ポガチャル、プリモシュ・ログリッチ

軸となるのはロードレース界を代表するスター選手、タデイ・ポガチャルとプリモシュ・ログリッチの2人、そこに好調のマテイ・モホリッチを加えた3人になるかなと思います。ポガチャルとログリッチは、アップダウンがあるワンデーレースでは優勝候補に上がってきますが、今回のコースは4月前半の石畳系クラシックレースと4月後半のアップダウンの多いアルデンヌ系クラシックの中間くらいのところに位置しているコースなので、彼らに向いているのか微妙です。

2,562mという獲得標高の数字も少ない。レース展開としても、スプリンターが脚を使わずに集団のままフィニッシュするような流れになると彼らが勝つのは難しいかもしれません。ただ、レース展開が読めないのがこの世界選手権というレース。早めの飛び出しでモホリッチが勝つとか、2人の太陽のような選手がいるがゆえに、影に隠れた選手が勝つことは、世界選手権の意外性を考えても十分起こりうるかなと思います。

■イタリア:チャンピオンジャージ3枚重ねなるか(もったいない....)

ソンニ・コルブレッリ

勝利予想:★★★★☆(4点/5点中)
注目選手:ソンニ・コルブレッリ

先日のイタリアで開催された欧州選手権で優勝したのがイタリア代表ソンニ・コルブレッリ。彼がとにかく強い。獲得標高は今回の世界選手権より上でしたが、そこでもしっかり生き残って最後のスプリントを制して勝ちました。めちゃめちゃ強くて、勢いで言うなら彼が本当の優勝候補かもしれません。ただ、彼は現イタリアチャンピオンなので、ジャージはもちろん、自転車やヘルメットもイタリアントリコロールにしていましたが、欧州選手権で勝ってしまいました。

イタリアはピザの国ですが、半分欧州チャンピオン柄、半分イタリアチャンピオン柄みたいなハーフ&ハーフはできないので、イタリアチャンピオンジャージは残念ながら封印されることになります。それでもし世界選手権で勝つようなことになると、悲願のイタリアチャンピオンジャージは3ヶ月弱しか着られず、勝利の涙に濡れた欧州チャンピオンジャージに関してはたった2週間でお蔵入りして、その上にアルカンシェルを着るという、奇跡の3枚重ね(もったいない)が実現します。イタリアにはジャコモ・ニッツォーロやマッテオ・トレンティンもいてメンバーが強力です。僕のベルギーフィルターを外せば、コルブレッリがもう一人の優勝候補最右翼と言えるかもしれません。

■イギリス:22歳の若頭がイギリスにアルカンシェルをもたらすか

トーマス・ピドコック(左)、イーサン・ヘイター(右)

勝利予想:★★★☆☆(3点/5点中)
注目選手:トーマス・ピドコック、イーサン・ヘイター

東京五輪のマウンテンバイクで優勝したトーマス・ピドコックとツアー・オブ・ブリテンで総合2位だったイーサン・ヘイター、共に22歳の若頭に注目です。若いということで経験不足がやや気になりますが、他の選手がどれだけサポートできるかが鍵を握りそうです。今年の春先にはファンアールト対ピドコックという図式が何度か見られ、ピドコックはブラバンツペイルというクラシックレースで、ファンアールトと1対1のスプリント勝負で勝利しました。身長差が20cmもあるファンアールトをマッチスプリントで下す光景には僕も驚きました。

ただ、彼はブエルタ以降レースを走っていないのと、ブエルタでもそれほど活躍していなかったので、調子がどうなのか分からない。その他のメンバーを見ると、スピード系の選手を揃えているので、イギリスはスピードレースを想定しているのかもしれません。そう考えると、若干難しいでしょうがカヴェンディッシュが来る可能性も...。ツールで復活し、愛されキャラでもあるカヴェンディッシュの動向にも注目です。

■デンマーク:影の実力者集団

カスパー・アスグリーン、マグナス・コルト

カスパー・アスグリーン(左)、マグナス・コルト(右)

勝利予想:★★☆☆☆(2点/5点中)
注目選手:カスパー・アスグリーン、マグナス・コルト

星は2つですが、4つにしたいくらいの実力者揃い。他国のスター選手に比べると、やや影が薄いようにも感じますが、ヴィトンの財布じゃなくて、ポーターの財布みたいな派手さはないが機能性と耐久性を備えた集団です。カスパー・アスグリーンはベルギーのフランドル地方で開催される、ベルギー人が一番愛するロンド・ファン・フラーンデレンで今年勝利し、前哨戦のE3でも勝っています。ただ、その勢いが残っているかはちょっと分かりにくい。もう一人、マグナス・コルトもかなりの実力者。今年のブエルタを見ても分かるように、上りもそこそここなして、スプリントステージでも勝って、なんでもこなしてしまう選手です。

さらには、2019年の世界選手権王者マッズ・ピーダスンもいて、気になる選手ではミッケルフレーリク・ホノレという選手もツアー・オブ・ブリテンで総合4位に入っていて、十分勝つ可能性がある選手と言えるでしょう。更に、ミケル・ヴァルグレンも直近のイタリアで開催されたワンデーレースで2連勝しており、とにかく、影の優勝候補、影の実力者集団であるのがデンマークです。派手さが無いのが逆に良い。実力が2つ星なのに人気は4つ星みたいな選手も中にはいるわけですけど、デンマークのようないぶし銀スタイルも僕は好きです。

■オランダ:乙女心(おっさん心)を鷲掴みにするマチュー劇場が見られるか。

マチュー・ファンデルプール

マチュー・ファンデルプール

勝利予想:★☆☆☆☆(1〜4.5点/5点中)
注目選手:マチュー・ファンデルプール

オランダはとにかくスター性の塊みたいな選手、マチュー・ファンデルプールの一択です(他にもモレマなど強い選手がたくさんいますがすみません…)。残念ながら背中の痛みを訴えており、世界選手権への出場は現時点で50対50の確率と言われています。ですので、現時点では星1つとしましたが、彼の出場が決まれば星4.5をあげても良いでしょう。それにしても、この背中の痛みすらもマチュー劇場の伝説の伏線のように思えてきます。この乙女心(おっさん心)をくすぐられるドキドキ感、たまりません。

しかも、既に復帰戦と称して出場したレースではしっかり優勝していて、その時の顔じゅう泥だらけになった姿には胸キュンでした。優勝候補筆頭のファンアールトとはジュニア時代から世界チャンピオンを争ってきたライバル。ベルギー開催で国民の悲願を背負って優勝に挑むファンアールトと、怪我で出場できるかどうか分からない最大のライバル、マチュー・ファンデルプール。この図式がもはや漫画をも凌駕する胸熱ストーリーであり、出場できるかどうか分からないところから盛り上げてくるスター性に感服です。(※その後、マチューの出場が発表されましたが、背中の調子は万全ではないとのこと)

語り:栗村修
文:J SPORTS 編集部

J SPORTS編集部

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