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サイクル ロードレース コラム 2021年4月27日

【Cycle*2021 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ:レビュー】息を飲む心理戦の果てに現役ツール王者が最年少優勝!ポガチャル「言葉にならない」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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今度こそ正しい勝ち集団だった。5人全員が精力的に先頭を牽引した。後方では過去2大会の覇者、ログリッチとフルサンが必死の追走を仕掛けたが、ポガチャルの同僚、昨フレッシュ覇者マルク・ヒルシと元リエージュ2位ダヴィデ・フォルモロが極めて効果的な重石役を務めた。まるでデジャヴのように、2年連続でマテイ・モホリッチも突進を試みたが、すでに遅すぎた。

残り2km、後続との差は30秒。5人が仲良く協力しあう時間は終わりを告げる。ここで最も積極的に立ち回ったのがアラフィリップだった。スプリントが苦手なウッズが早掛けを仕掛けると、すかさず勢いを潰した。「自分1人で飛び出すつもりはなかったし、他の選手に飛び出されるのも嫌だった」から。残り1kmのアーチ手前では、自称「5人の中で一番遅い」ゴデュが賭けに出る決心をするも、やはりアラフィリップに目ざとく見咎められ諦めた。

しかも、そこまで平然と先頭を走っていたというのに、アラフィリップはこの日最後の直角カーブでわざわざ外側に大きく膨らむと..ライバルたちを巧みに先に行かせた。スプリントの脚で知られる41歳を、絶対に自分より前に押し出しす必要があった。なにより全長800mの最終ストレートには、強い向かい風が吹いていた。できる限りギリギリまで風の抵抗を避けねばならなかった。

フィニッシュ

息を飲む心理戦が繰り広げられたフィニッシュシーン

こうして前から順にバルベルデ、ウッズ、ゴデュ、アラフィリップ、ポガチャルが連なった。つまりバルベルデとウッズが入れ替わる以外は、この日の最終結果の逆の順番だった。

「他の4人は僕の両肩にスプリントの全責任を押し付けてきた感じだったね。ずっと最前列に押し上げられたままだった」(バルベルデ)

誰もが後ろを振り返り、じりじりとした警戒合戦を繰り広げた。ついには耐えきれずに残り250mでバルベルデがスプリントを切ると、残す4人もいっせいに全力疾走へと打って出た。

ちなみに、この「後ろを振り返る」行為を最も繰り返したのは、先頭にいたバルベルデではなく、4番目につけていたアラフィリップ。後ろにはポガチャル1人しかいなかったというのに。たしかに右側から何度も振り向くアラフィリップの目をまるで欺くかのように、ポガチャルは常に世界チャンピオンの左後方の死角に潜んでいた。

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