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サイクル ロードレース コラム 2021年4月23日

【Cycle*2021 フレッシュ・ワロンヌ:レビュー】現役世界チャンピオンのアラフィリップが3度目の大会制覇「もう1度ここで勝ちたいと本気で願っていた」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「ログリッチを誰も追いかけないことを確認しつつ、自分自身の力配分だけに集中したんだ。あまり早く追いかけすぎる必要はない、と分かっていたからね」(アラフィリップ)

勝手知ったるユイの壁で、アラフィリップはいつもの残り250m地点で加速した。残り100mでまんまとログラの背中に入り込み、目論見通りに残り50mで追い越した。

「自分にプレッシャーのようなものをかけて臨んだ。もう1度ここで勝ちたいと本気で願っていた。世界チャンピオンジャージで勝つことができて、最高の気分だよ」(アラフィリップ)

半年前のリエージュでは腕を早く上げすぎて……ハンドルを投げたログリッチにぎりぎりで差された苦い経験もあるが、今回は「(手を上げぬよう)テープで腕をハンドルに固定しようか悩んだよ(笑)。でも今日はその必要がなかったね」と笑い飛ばしたほど、余裕のあるフィニッシュだった。世界チャンピオンジャージを思う存分全世界にアピールしつつ、出場した3大会連続で、ユイのてっぺんを征服した。

男子の現役世界チャンピオンがフレッシュ・ワロンヌを制するのは、2010年カデル・エヴァンス以来11年ぶり。ちなみにあの年はあのアルベルト・コンタドールが早く仕掛けすぎて(3度目の出場だったのだが)、世界チャンプにぎりぎりで追い抜かれていた。

「もしかしたら早く仕掛けすぎたのかもしれないし、もしかしたら、仕掛けるのが遅すぎたのかもしれない。ただ言えるのは、今日の僕は、勝てるほど強くなかったということ」(ログリッチ)

果たしてログリッチが仕掛けるのは早すぎたのか。それではフィニッシュ手前何メートルから仕掛けるべきだったのか。その答えは、ログラ本人が、来年以降の試行錯誤で出していくのだろう。

とっくの昔に熟練の域に達したバルベルデは、さすが、アラフィリップの加速に上手く反応した。41歳の誕生日の4日前に、自身初の3位(1位5回、2位2回)に食い込んだ。時の流れに華麗に逆らい続ける大ベテランは、シーズン前の宣言によれば、これが人生最後のフレッシュ・ワロンヌ。ただユイの壁の加速タイミングなら完璧に把握しているバルベルデも、自分のキャリアに関しては、もしかしたらフライングをしてしまったのかもしれない。

「今はすこぶる調子が良いんだよ。だから今後どうするかも、あと1年走るかどうかも、まだ分からないんだ」(バルベルデ)

また日本人選手としては4年ぶりに、中根英登がフレッシュ・ワロンヌに参戦。序盤のアタック合戦で落車に巻き込まれたが、チームリーダーたちのための仕事をこなし、12分01秒遅れの110位で走り終えている。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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