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サイクル ロードレース コラム 2021年2月15日

J SPORTSツール・ド・ラ・プロヴァンス2021レビュー イネオスvsドゥクーニンク ソーサが「魔の山」を制する

サイクルロードレースレポート by 辻 啓
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全開でスタートダッシュを決めようと、どのチームも一軍を揃えてシーズン序盤から突っ走っている。比較的温暖な(とは言っても大会期間中は寒波に見舞われた)フランス南部で開催されたツール・ド・ラ・プロヴァンスも例外ではなく、セカンドカテゴリーのUCIプロシリーズとは思えないほど豪華なラインナップが顔を揃えた。2016年の初開催時からUCIワールドチームの数を年々増やし、今では実に14ものトップチームが名前を連ねる注目レースに。しっかりシーズン序盤戦として定着した感がある。

平坦コース、平坦コース、山岳コース、平坦コースという構成のステージレースで主役を担ったのは、過去8年連続でシーズン世界最多勝を記録しているドゥクーニンク・クイックステップと、2010年の創設以来これまで合計11回グランツールで総合優勝(ツール7回、ジロ2回、ブエルタ2回)を飾っているイネオス・グレナディアーズだった。

果敢に攻めたジュリアン・アラフィリップだったが、イネオスの牙城を崩せず総合2位に

初日から「フランスの英雄」ジュリアン・アラフィリップが逃げを打つ刺激的な展開で、その世界チャンピオンの活発な走りに応えるようにチームメイトのダヴィデ・バッレリーニが開幕スプリント2連勝を達成する。勢いに乗ってステージ3連勝を狙ったドゥクーニンク・クイックステップだったが、彼らの前にはイネオス・グレナディアーズが立ちはだかった。

慢性的な背中の痛みから長いリハビリを脱し、復調した19年ツール覇者エガン・ベルナル

大会3日目に登場したのが、7月のツール・ド・フランス第11ステージで2度も通過予定の「魔の山」モンヴァントゥーの山頂フィニッシュ。積雪によって白銀の世界となった頂上ではなく、2016年にクリス・フルームが衝撃的な落車&ランニングを見せた時と同じ中腹のシャレレイナールにフィニッシュ地点が置かれた。この標高1419mに向かう登りで、グレナディアーたち(スウィフト、モスコン、ダンバー、ロドリゲス、デプルス)が順番に全開牽引して離脱。20歳カルロス・ロドリゲスのハイペース牽引により集団が粉砕されると、まずはイバン・ソーサがアタックを仕掛ける。本命エガン・ベルナルがアラフィリップのマークに徹するチームワークで、気温2度の冷気の中に白い息を漂わせながら、ソーサが独走勝利を飾るとともに実質的な総合優勝を射止めた。

モンヴァントゥーでライバルたちを蹴散らしたイバン・ソーサが総合優勝を果たした

最終的な総合成績はソーサ、アラフィリップ、ベルナルの順番に。この2強チームに食らいつく形で、バーレーン・ヴィクトリアスがワウト・プールスとジャック・ヘイグを総合上位に送り込むとともに、最終ステージでフィル・バウハウスをスプリント勝利に導いている。

ベルナルの1歳年下にあたる23歳で、ベルナルから1年遅れで「南米の若手発掘チーム」のアンドローニからイネオス入りしたソーサは「シーズンを美しい勝利とともにスタートすることができた。これからのレースに向けた鍛錬のモチベーションになる」と意気込む。背中の痛みからの復活を印象付けた先輩ベルナルとともに、新鋭コロンビアンクライマーは5月のジロ・デ・イタリアに照準を合わせている。

文:辻 啓

代替画像

辻 啓

海外レースの撮影を行なうフォトグラファー

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