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サイクル ロードレース コラム 2020年7月17日

【実況!台所のアスリート】 ~サイクルロードレーサー 小野寺玲~

サイクルロードレースレポート by 小森 信道
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――予定されていたレースが次々と中止になり、外でのトレーニングもままならないステイホーム期間はどんなことをしていたのですか。
「もともとインドアの趣味をたくさん持っているので、それぞれの趣味の時間が濃厚になったぐらいで、これまでと特に変わったことは実はないんです。アニメ鑑賞の時間が増えたり、ギターを弾く時間が増えたりという感じで。久しぶりに夢中になってプラモデルを作ったりもしました。プラモデルは戦闘機しか作ってないです」

――ブログで見ましたが、バイクの大型免許も取得したのですよね。
「中型免許は持っていたのですが、この期間がチャンスだと思って。ずっと自制して取らないようにしていたのですが、これだけ時間があるとどうしても我慢できませんでしたね」

――お話を聞いていると、とても多趣味なのだなと思います。子どもの頃から多趣味だったのですか。

大勢で遊ぶよりも1人で遊ぶ方が好きな子どもだったので、そのぶん自分の世界を広げやすいというか、自分のやりたいことや興味を持ったことにどんどん手をつけていったら今の状態になったという感じかもしれません

――小野寺選手は弟さんが3人いる4人兄弟。兄弟で遊ぶことが多かったと思っていたので意外です。

「すぐ下の弟とも5歳離れているので、兄弟が多いからといって、一緒に遊ぶということは多少あっても、全員で同じものにハマるということはなかったです。兄弟それぞれ、自分の世界を持っています」

――今回、企画でオススメの料理を紹介してもらいましたが、昔から料理はされていたのですか。

「自分で料理するということは、つい最近までありませんでした。昨年まで一人暮らしをしている期間があったので、その期間に自分で作ることが増えましたが。でも、どちらかと言うとお菓子作りの方が好きなので、料理は本当に簡単なものを作るぐらいしかしていませんでした」

――確かに、小野寺選手といえばお菓子作りというイメージがあります。お菓子作りにハマったきっかけはあるのですか。

「やはり、カヌレとの出合いですね。23歳以下の日本ナショナルチームで初めてフランスに行った時に食べたカヌレに衝撃を受けまして。フランスにいる間はどこでも簡単にカヌレが買えたのですが、日本ではあまり売っているとことがなくて。それなら、自分でフランス滞在中に食べた味を再現してやろう!とこだわって作り始めたのがきっかけです。それとほぼ時を同じくして1人暮らしを始めたので、料理もするようになりました」 ――1人暮らし当初、料理はどのようなメニューが多かったですか。 「簡単に、かつ、アスリートとして必要な栄養素を摂れる料理ということしか意識していなかったので、品数を豊富にというよりは、親子丼など栄養をまとめて一品で摂れるような効率重視の料理が多かったです 」


――今はご実家に戻られたとのことですが、料理は継続していますか。
「いいえ。基本的には母親が作ってくれた料理を食べています。もちろん、母親が外出していて居ないという時は料理しますが。そういった面では、日々料理をしなくなったので楽にはなりましたね」

――今回の料理番組ではラタトゥイユとチキンソテーオレンジソースを選びました。それぞれの料理を選んだ理由はありますか。
「ラタトゥイユは、カヌレに出合った時と同じ23歳以下日本ナショナルチームの遠征の時に初めて作りました。遠征期間中はナショナルチームのメンバーで共同生活をしていて、食事当番が回ってくるのです。それで、自分に当番が回ってきた時に、せっかくフランスにいるのであればフランス料理が作りたいと思っていろいろ調べたら、家庭的かつポピュラーなメニューで、遠征当時の夏野菜がふんだんに使えるラタトゥイユにたどり着きました。初めて作りましたが、ナショナルチームのチームメートにも好評だったので、上手に作れたのではないかと思います」

――美味しく作るコツはありますか。
「いろいろなレシピを見て研究しましたし、いろいろな作り方があると思うのですが、自分が参考にしたレシピによると、茄子にオリーブオイルをたっぷりと染み込ませてゆっくりと揚げ炒めをするのがポイントらしいです。あとは好みで味を変えられるので、そこをしっかり抑えて作れば美味しく出来上がるのではないかと思います」

――もう一品のチキンソテーオレンジソースは。
「ラタトゥイユに合わせてフランス料理にしようと思って選びました。フランス料理ってソースが命というか、ソースでいろいろと表情を変える料理が多いのですよね。日本ナショナルチームの遠征から帰ってきた後に、簡単にできるフランス料理はないかなと思ってレシピを調べている時に見つけたのが、このオレンジソースでした」

――ソースを上手く仕上げるコツはあるのですか。
「オレンジソースって、レシピによってはすごく複雑なものもあるのですが、自分のレシピは100%オレンジジュースとバターだけ。このふたつを片手鍋に入れてひたすら煮込んでいくだけなので簡単です。300ccのオレンジジュースが80ccになるぐらいまで煮詰めていって、あとは火を止めるタイミングだけ注意すれば大丈夫です。ジュースなので煮詰めていくと、途中で一気に煮詰まるタイミングが早くなるので目を離さないようにしてもらえれば」

――鶏肉はモモ肉を使っています。他の部位に比べると若干脂身が多いようにも感じるのですが。
「確かに他の部位に比べると脂は多いですが、しっかりと皮は剥いでいますし、オレンジソースには多少の脂がある方が合うのでモモ肉にしました。鶏肉自体が脂も少ないですし、料理はやはり美味しいことも大切だと思うので」

――アスリートとして、料理に関して気を遣っている部分はありますか。
「自分はそこまで厳密に節制している訳ではありませんが、やはり身体を作る上で必要なタンパク質とエネルギー源である炭水化物をしっかり摂ることは意識しています。あと、自転車選手ならではという部分で言えば、自分自身が速く走る上での重りになるので体脂肪を極力抑える必要があります。ガチガチにではないですが、脂の量は意識していますね」


――ところで、小野寺選手はお菓子作りの器具にもこだわっていますよね。ちなみに、料理をする時にも器具にはこだわりますか。
「お菓子作りに関してはとことん本場の器具にこだわっているのですが、料理に関しては単純で素早くできるということを重視しているので、高価だったり特殊な器具は使わいません。ラタトゥイユもチキンソテーオレンジソースも、フライパンと鍋があれば作れちゃいますしね」

――ここからは、本業のサイクルロードレースについての話を。これまで中止や延期が続いていた国内シリーズ戦、Jプロツアーがいよいよ7月23日(祝・木)から開幕します。例年に比べて短いシーズンにはなりますが、意気込みを聞かせてください。
「新型コロナウイルスの影響がまだまだある中、ようやくレースが走れることに感謝の気持ちでいっぱいです。自分としては2月に出場したUCIアジアツアーのツール・ド・ランカウイで落車リタイアして以来のレースになります。レースが中止や延期になった期間でしっかりと落車のダメージも回復できているので、早くレースを走りたいです」

――8月8日(土)には、チームの地元である栃木県宇都宮市で開催される「宇都宮クリテリウム」も控えています。
「なんとかホームレースを開催するために、運営会社のスタッフが奔走している姿も見ていますし、チームとしても絶対に勝たなければいけないレースだと思っています。個人的にも、過去2年連覇をしているレースなので、自分がエースとして走ることになれば積極的に勝利を狙っていきたいと思います」

文:小森 信道

小森 信道

スポーツライター・フォトグラファーとして、スポーツの感動を「コトバ」で読み解き「写真」で伝えることをモットーに活動。2011年より宇都宮ブリッツェンオフィシャルとしてサイクルスポーツの取材を始め、現在では新聞連載やwebメディアにも数多く寄稿するなど活躍の幅を広げている。

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