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【ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム レビュー】新城幸也が日本人初制覇!東京五輪に向けて「シュミレーションができました」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかラグビーワールドカップで桜戦士たちが日本中を熱狂させた2019年秋、さいたまクリテリウムでは新城幸也が観客を沸かせた。7年目の「ツール・ド・フランス22番目のステージ」で、初めて日本人選手が表彰台の真ん中に立った。
逃げを長時間泳がせたあと、メイン集団から残り3周でカウンターアタックを仕掛けた。ラスト2周目からは春のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝ヤコブ・フルサンと共謀し、そして新城は、最終周回を一人で駆け抜けた。後方からはこの夏のツール・ド・フランス総合覇者エガン・ベルナルと、ブエルタ・ア・エスパーニャを制したプリモシュ・ログリッチェが追いかけてきたが……、悠々とマイヨ・ジョーヌとマイヨ・ロホを振り切った。
「最後に飛び出したときの、みなさんの応援が本当にすごかった。とても力になりました。これが東京五輪で、僕がもしも先頭争いをしていたら……、応援がどれだけ僕の力になるのか、改めて感じました。ある意味、ちょっとしたシュミレーションができましたね」
東京オリンピックを9か月後に控えて、日本自転車界はもとより、日本スポーツ界にとって明るいニュースとなった。
来夏に金メダルを狙う強豪にとっては、今回のさいたまクリテリウムは、絶好の「下見」機会だったに違いない。クリテリウム2日前には、ひどい大雨の中、クリス・フルーム、ミカル・クヴィアトコウスキー、ヤコブ・フグルサング、ロメン・バルデの4人がロードレースのコースを実走。クリテリウム翌日には、ログリッチェも走りに出かけている。
五輪有力勢の来季のスケジュールはいまだ出揃ってはいない。ただマイヨ・ア・ポワ姿でさいたまに登場したバルデだけは、「東京五輪のために」2020年はツールの欠場を宣言。代わりにグランツールはジロ・デ・イタリアを走る。今冬はシクロクロスやトラックにチャレンジし、ワンデーレースに必要な「パンチ力」を鍛えるつもりらしい。
逆に「ツール直後は完璧なタイミング。僕自身、ぜひ出場して頑張りたい」と、ツール→オリンピック転戦への意欲を見せたのがフルーム。現時点では太ももには金属プレートが入った状態で、歩くのはおろか、じっと座っていることさえ辛そうなグランツール7勝の大チャンピオンにとって……もちろん「まずは来年のツール・ド・フランスのスタートラインに立つこと」が最初の課題だ。
「5勝クラブ入会まであと一歩のところまで来ている。絶対に入会をかなえたい。それが最終目標だよ」
つまりフルームにとっては、5枚目のマイヨ・ジョーヌと共に来秋さいたまに戻って来ることが……究極のゴールなのだ!
★ちなみにJ SPORTSサイクルロードレースの公式Twitter(@jspocycle)では、さいたまクリテリウム出場の海外招待選手全員から、東京五輪に関するコメントをもらってます。是非チェックしてみてください!
文:宮本あさか
※選手名は2019シーズン中継内統一表記を使用しております
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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