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サイクル ロードレース コラム 2019年6月8日

【クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ / プレビュー】豪華なメンバーが集結!真夏の黄色いジャージ争奪戦の行方を占う「ツール前哨戦」開幕

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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単なる「ツール前哨戦」と呼ぶのがもったいないほど、とてつもなくゴージャスなメンバーがスタートラインに並ぶ。だからこそ「ツール前哨戦」なのだと言われれば、まさしく真実だ。過去7大会中5回、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの総合覇者が、その夏のツール・ド・フランスの頂点へと君臨した。2019年大会も、間違いなく、7月の行方を占う鍵となる。

なにしろ同大会に顔を見せないのは、1周間前に終わったばかりのジロを最終週まで戦った面々と、スイス行きを選んだトーマスだけ。つまりツール総合4勝フルームを筆頭に、キンタナ、バルデ、ピノー、A・イェーツ、ポート、マーティン、フグルサング、クライスヴァイクetc.と、来たるツール・ド・フランスの総合台表彰台候補がこぞってドーフィネに詰めかける。落車のせいでジロ5日目に帰宅したデュムランも復帰戦にこの場を選んだし、バルギル&アラフィリップという過去2年のツール山岳賞もやってくる!

そもそも伝統的に、ひたすら山だらけのレースと相場が決まっている。ピュアスプリンターの居場所などない。なにしろ初日第1ステージの、スタートから34km地点で、いきなりプロトンは1級峠をよじ登らねばならない!「カンタル県のピラミッド」と呼ばれるピュイ・マリーの、登坂距離10.6km、平均勾配6.1%の山道で、いきなり熾烈な総合争いが勃発する可能性もあるのだろうか。

初日ステージはその先にも4つの中級峠が待ち受けるし、翌日の第2ステージは、中央山塊独特の細かい起伏が次から次へと襲いかかる。ちなみに2日目のコース途中では、今ツール第4ステージのフィニッシュ地……つまりバルデの生まれ故郷を通過する。

3日目は最終盤こそスプリンター向き地形に見えるけれど、やはりステージ序盤に4つのミニ峠を乗り越えねばならない。第4ステージの個人タイムトライアル26.1kmで、総合のヒエラルキーがある程度出来上がったら、5日目の長距離ステージを利用してアルプス山脈の麓へと一気に移動。いよいよ本格勝負の週末へと突入する。

第6ステージは全長229kmとひたすら長い。ガリビエやテレグラフといった「ツールの巨大峠」を頭上に眺めながら、足元に連なる8つの峠で細かいアップダウンを繰り返す。フィニッシュ手前に待ち受けるのは2級ボーヌ峠。ただし全長8.1km、平均6%の山道を上り詰めた後は、フィニッシュまで7.5kmを一気に下り降りる。つまり名ダウンヒラーたちの勇気の見せ所だろうか。

そして6月15日の土曜日、第7ステージこそが、正真正銘のクイーンステージとなる。選手たちの行く手には4つの大きな峠が組み込まれた。しかも35km過ぎから1級エピヌ峠へ上り始めたら、後は1級グラニエ→1級マルシュー→超級モンテ・ド・ピペーの順番で上って下って上ってのみ。全長19km、平均勾配6.9%の最終峠がドーフィネに登場するのは、1978年以来、実に41年ぶり!

もちろん最終日のどんでん返しにも要注意。開催委員会が仕掛けたコースを見る限り、なにも起こらないはずはない。とにかく113.2kmという、最近流行りの極端なほどの短距離コースに、7つもの山岳が散りばめられている。つまりスタートからフィニッシュまで、全速力のアタック合戦が繰り広げらる可能性もある。フィニッシュ地は、2002年のジュネーヴ閉幕に次ぐ、国境の向こう側。スイスのシャンペリーにて、第71回クリテリウム・デュ・ドーフィネの総合覇者が決すると共に、この真夏の黄色いジャージ争奪戦の大筋も見えてくる……。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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