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【グランプリ・シクリスト・ド・ケベック&モントリオール/プレビュー】世界選手権に向けて好条件の2連戦。虹色争奪戦のため、優勝候補たちが登場!
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか今年こそは、確実に、カナダ2戦から世界チャンピオンが誕生する。
……こんな風に、大会開催関係者は、自信を持って断言する。9月末に行われる世界選手権に向けて、伝統的に、多くのアルカンシェル候補たちはブエルタ出場(たまに途中棄権)を選んできた。2011年のマーク・カヴェンディッシュや2014年のミカル・クヴィアトコウスキーのように、1週間のツアー・オブ・ブリテンを調整代わりに使う選手も存在した。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック&モントリオールが、北米初のワールドツアー大会として、シーズンスケジュールに組み込まれて6年目。起伏を程よく含んだ周回ワンデーレース×2というレース形式も、世界選手権エリートロードレースのちょうど2週間前という日程も、「世界戦前哨戦」として注目を浴びるにふさわしい。たとえば金曜日開催のGPケベックは12.6kmのコースを16周回、日曜日開催のGPモントリオールは12.1kmのコースを17周回するいずれもアップダウンレースだ(肝心の2015年世界選手権は16.2kmのコースを16周回と、距離こそ少々長いけれど、直角カーブの多さと、起伏の配置は、特にケベック大会はリッチモンドの本番コースに似ているかもしれない)。
ただし、過去5大会のうち、2戦を経てワールドチャンピオンに輝いたのは、2013年ケベック5位・モントリオール6位のルイ・コスタ1人だけ!
ところが今年は、北米2戦がブエルタとの立場を大逆転するための、絶好の条件が整っている。15年ぶりに、世界一決定戦は、アメリカ合衆国で開催される。しかも2012年から行われているトレードチームによるタイムトライアルは、モントリオール大会のちょうど1週間後に行われる。つまりケベック&モントリオールに出場した多くの選手が、カナダから直接米国リッチモンド入りする。そうすることで、世界選手権本番に向けて、時差ぼけや移動疲れの心配もない。
だからこそ、虹色争奪戦の並み居る優勝候補が、2015年はカナダ2戦の出場を選んだ。
真っ先に名を上げるべきは、当然、過去3年の世界チャンピオン……つまりミカル・クヴィアトコウスキー(2014年)、ルイ・コスタ(2013年)、フィリップ・ジルベール(2012年)に、10年前の世界王トム・ボーネン(2005年)だろう。
またベルギーは代表リーダー3人のジルベール、ボーネン、グレッグ・ヴァンアーヴェルマートをすべて送り込むし、オーストラリア代表はゲランスと並んでエースを任されるマイケル・マシューズが、イタリア代表はニーバリとダブルエースを組む予定のディエゴ・ウリッシが最後の脚試しにやってくる。
なにより、この春めきめきとクラシックで頭角を現したジュリアン・アラフィリップや、世界選手権の「石畳の坂道」で力を発揮しそうなフランドル覇者アレクサンドル・クリストフからは絶対に目が離せないのだ!それから、タイムトライアル王奪還を目論むトニー・マルティンの存在も、忘れてはならないだろう。
もちろん、地元カナダのビッグライダー、ライダー・ヘシェダルも、2年ぶりにケベック&モントリオールに参戦する。9月7日の時点では、2012年ジロ・デ・イタリア覇者が世界選手権行きの代表に選ばれるかどうかは、いまだ「不確実」とのこと。この2戦の成績次第で、ワールドへの扉が開かれる……、そう本人は考えているそうだ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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