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サイクル ロードレース コラム 2019年5月1日

【ツール・ド・ヨークシャー / プレビュー】セオリー通りに行かないのが魅力!グランツール総合6勝のクリス・フルームも参戦!

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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まるでアルデンヌクラシックの延長戦であるかのような、起伏豊かなコースに、フランドルクラシック顔負けの強風と、熱狂的なファンたち。昨年2018年大会覇者のヴァンアーヴェルマート曰く「クラシックライダーが総合を争える、数少ないステージレース」であり、だからこそツール・ド・ヨークシャーは、毎日がスリリングな戦いの連続だ。

5月2日から5日までの4日間かけて広大な自然の中をを駆け巡る同大会は、ツール・ド・フランス2014年開幕のいわゆる「レガシー」として、2015年に創設された。さらに第5回目を迎えた今年は、来る秋の重要な大会へ向けた、「トライアル」も兼ねる。そう、9月末にここヨークシャーは、UCIロード世界選手権の舞台となる。

2019年ツール・ド・ヨークシャーの第1ステージスタート地は、女子ジュニア&男子U23のスタートを迎え入れるドンカスター(スタートラインは異なる)。また最終ステージでのフィニッシュが争われるリーズは、秋には男子エリートのスタート地として賑わう。

なにより第2ステージの途中には、世界選のメイン会場となるハロゲイトの14kmのサーキットコースを、まるまる1周回。選手はもちろん、監督やメカニックたちにとっても、格好の下見のチャンスとなるになるに違いない。秋の本番時には、エリート男子は、ここをチームTTで2周回、ロードレースで7周回する予定だ。

パンチャー大戦が予想される世界選手権に対して、肝心のヨークシャー一周は、データ上では前半2日がスプリンター向け、後半2日がパンチャー向けに作られた。特に「伝統」のフィニッシュ地とも言えるスカボローで締めくくられる3日目には、5つの急坂がコース上に生みこまている。終盤には登坂距離500mと短いものの、勾配15%という激坂もあり!

ただし決してセオリー通りに行かないのが、ご存知、ツール・ド・ヨークシャーの魅力なのだ。たとえば1年前の初日だって、スプリンター向けのステージだったはずだけれど……コンチ4人+プロコンチ1人という序盤からのエスケープ集団に5秒差で逃げ切られた。さらには今年の第4ステージとほぼ同じコースが使われた昨最終日は、なんと110kmにも渡る独走逃げ切り勝利を許してしまった!

原因はなにも地形や天候だけではない。ワールドチームからの参戦は4。さらにビッグクラシック等で常連の3つの仏籍プロコンチを加えたとしても、わずか7チームで集団制御や逃げ追走をこなすのは至難の業。しかも残す12の小さなプロコン&コンチの選手たちは、野心むき出しで、トッププロたちに勝負を挑んでくるのだ。ちなみに昨季、コンチネンタルチーム所属ながら第1ステージを制したタンフィールドは、今年はカチューシャの一員として大会に戻ってくる。

そんな、いわば格下に胸を貸す立場のチームが、過去2大会の覇者ヴァンアーヴェルマート&パウェルスのタッグで3年連続の栄光を追い求めるCCCであり、カヴェンディッシュとキッテルという「元」最速スプリンターの復活を期すディメンションデータとキッテルであり、なにより5月1日からチーム名をイネオスへと変えた旧スカイだ。

すでにイネオスの新ジャージ&ロゴは、スイスで開催中のツール・ド・ロマンディで披露されたけれど、新スポンサーの本国での初レースだからこそ、チームの気合はとてつもなく大きい。第1回大会から連続出場してきたチームは、5回目にして初めて……グランツール総合6勝のクリス・フルームと共にスタート地に乗り込んでくる!

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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