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サイクル ロードレース コラム 2017年8月9日

【アークティックレース・ オブ・ノルウェー プレビュー】第5回大会はパンチャー大祭。北極圏のフィヨルド巡りは、ボーナスタイム収集が総合勝利の鍵となる

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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フィヨルドのうねった海岸線をなぞり、短い夏に一斉に萌え出る緑を愛でながら、8月10日(木)から13日(日)までの4日間、アークティックレース・オブ・ノルウェーが北極圏を走り抜ける。いつまでも薄明るく白い空の下で、色とりどりの自転車ジャージが熱戦を繰り広げる。

2013年に創設され、今年で5回目を迎えるヨーロッパツアー超級のステージレースは、「地上で最も北の自転車レース」と銘打たれている。なにしろ「北への道」という国名を持つノルウェーの、その中でも「北の北」と呼ばれる地方だけで行われる。しかもアークティックとは文字通り、北極圏のこと。つまりプロトンは4日間丸々、防寒具に身を包んだたくさんのファンに見守られながら、北緯66度33分線の北極線より北だけを走る。

氷河が作り上げた複雑な地形を持つこの地域で、初代チャンピオンに君臨したのは地元の英雄トール・フースホフトだった。3年前に現役を退き、現在は大会アンバサダーを務める「上れるスプリンター」は、4日間で4度行われた集団スプリントのうち2つを制して総合優勝を手に入れた。大会2年目にはアレクサンドル・クリストフとラーシュペッテル・ヌールハウという、2人のノルウェー選手が、それぞれ総合2位と3位に入った。2015年にはクリストフがポイント賞を、地元コープチーム所属のオーグスト・イェンセンが山岳賞を獲得した。しかし昨年は、残念ながら、地元ノルウェーに栄光は訪れなかった。

だから、今年こそは、と地元ファンの期待は否応なしに高まる。なにしろ、やはり「上れるスプリンター」のクリストフが、大会直前に欧州チャンピオンの座に輝いたから!

しかし、気になる2017年大会は、開催委員会の謳い文句によるとズバリ「パンチャーのお祭り」。第1ステージから早くも、大きめの起伏が用意されている。ステージ中盤には距離が長めの山が2つ。さらにはフィニッシュ手前5kmに登坂距離2.3km、平均勾配6.6%のきつい坂道が待ち構える。果たして上れるスプリンターが、どこまでピュアパンチャーの加速にしがみついていけるか。フィニッシュまでのラスト1kmは、わずかながら上り調子だ。

2日目ならば、スプリンターとしての俊足をたっぷりひけらかすことができるだろう。締めくくりはバルドゥフォス空軍基地内の滑走路に引かれた、全長8.5kmの平坦なサーキットコースを3周回。対する3日目は山頂フィニッシュが待ち構える。185.5kmの、それほど起伏の難しくないコースの終わりに、突如としてフィンヴィクダレンの上りが現れる。登坂距離は5.2kmと、パンチャー向きと言い切るには少々長めだ。むしろ一発勝負が得意なヒルクライマー向きかもしれない。ただ平均勾配は緩めの4.9%だし、実は途中2.5kmに渡って平均6.6%→約1kmに渡って勾配0%→ラスト500mが再び7%という3段階の上りだから、すべては体力配分と仕掛けるタイミング次第。

最終日はノルウェー北部最大の都市トロムソから走り出し、再びトロムソへと返ってくる大きな周回コースが描かれた。さらに最後には、全長13.1kmの小さなサーキットコースを3周半。この日こそ、本物のパンチャーズフェスティバルが見られそうだ。序盤約100kmはほぼ平坦な道を進むけれど、ステージ後半は起伏が次々と襲いかかる。特に最終周回コースにはロストバッケン(1.1km、7.5%)とプレストヴァネット(1.2km、7.5%)の2つの短坂が組み込まれているから、ラスト45kmだけで7つもの坂を上って下りることになる(うち2級に指定されているのは5つ)。

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