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表彰台のてっぺんでスポットライトを浴びるのは、プロトンの中でもほんの一握りの選ばれしリーダーだけ。でも、そんな彼らが輝けるのは、縁の下の力持ちの存在があってこそ。チームのため、エースのために自らを犠牲にし、地味な作業に耐え、歯を食いしばり、全身全霊で献身を尽くして……。
2017年さいたまクリテリウムでは、ぜひ、アシストたちの仕事っぷりにも注目して欲しい。なにしろ日本に乗り込んでくるのは、いずれ劣らぬ有能な「アシストの鏡」ばかりなのだ!
No.1 ミカル・クヴィアトコウスキー / Michal KWIATKOWSKI
スーパースターにしてスーパーアシスト
正真正銘、2017年ツールの影のMVP!なにしろ元世界王者にして、この春のミラノ~サンレモ勝者が、マイヨ・ジョーヌのために身を粉にして働いたのだから。平地では風よけとなり、山では強力な牽引で集団を壊滅状態に追い込んだ。第15ステージでは、破損したリーダーの後輪を秒速で交換し、お尻を押して前へと送り出したことさえ。クリス・フルームも「彼は純粋にアメージングだ。指令を全て遂行するどころか、それ以上のことをやってのけてくれた!」と大絶賛。そうそう、例の「くるくる」ダウンヒルをフルームに伝授したのも、下り得意のこの男だ。
No.2 シモン・ゲシェケ / Simon GESCHKE
たったひとりでピンクを引っ張った
マリア・ローザが草むらにしゃがんだあの日……ではなくてその3日後。トム・デュムランがバッドデーに襲われ、レース前半で分断にはまった。一旦はチーム全体の努力により穴は埋まる。しかし最終峠でエースは決定的に遅れ始めた。アシストの誰一人としてサポートできる体力を残していなかった。ただ髭の男だけを除いて。ゲシュケは単独で、長時間にわたって、驚異的な牽引を続けた。文字通り、力尽きるまで。結局リーダージャージは失ってしまうのだけれど、タイム損失は最小に留めた。おかげで2日後のミラノでは、チームのみんなで初めての栄光を祝った!
No.3 ベルンハルト・アイゼル / Bernhard EISEL
母は偉大なり
マーク・カヴェンディッシュがグランツールで獲得した区間48勝のうち、実に30勝が、アイゼルと一緒に手に入れたもの。ツールだけに関して言えば、30勝中27勝が2人の共同作品である!その仕事はなにもレース中の司令塔役だけではない。繊細なスプリンターにとっての「精神安定剤」的な役割を果たすのも、極めて重要な任務だったりする。だからいつだって遠征時にはルームメートに任命される。36歳ベテランが引退予定を3年伸ばしたのも、可愛いカヴのため。ちなみに母本人に言わせると「昔なじみのギャングが再び悪だくみをしているようなもの」らしい。
No.4 ジュリアン・ヴェルモト / Julien VERMOTE
別名「Breakaway killer(逃げの殺し屋)」
2017年ツールでは史上初の試みとして、全ステージのスタートからフィニッシュまで完全生中継が行われたおかげで……、「いつもとやってる仕事は変わらないのに、とんでもなく取材の数が増した」そうだ。それもそのはず。だって平坦区間の退屈な時間帯、プロトンの先頭には、いつだってこの男がいた。逃げ集団が飛び出すと、タイム差制御から吸収までの作業を、ほぼひとりで請け負った。同大会中に集団最前線を牽引した距離トータル約900㎞!きつい任務もなんのその。だってリーダーのマルセル・キッテルが、必ずと言っていいほど、ステージ勝利を持ち帰ってくれたから。
No.5 ファビオ・サバティーニ / Fabio SABATINI
最後の競演
共に走ったのはたった2年だけ。短いけれど、しかし濃密な時間だった。経験とスピードを兼ね備えた最終発射台として、マルセル・キッテルに計25勝をもたらした。しかし来年からは別々の道を歩く。スプリントリーダーはカチューシャに旅立つ。「一緒に連れて行こうと努力したけど……」とキッテルは漏らすが、有能なアシスト役をチーム側が手放そうとはしなかった。ついでに言うと牽引屋のジュリアン・ヴェルモートは、来季からディメンションデータで走る。つまり真夏のフランスを席巻したクイックステップトリオにとって、さいたまクリテリウムが最後の競演となる。
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Cycle*2017 J:COM presents 2017 ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム
11月04日 (土) 午後02:30~午後05:30
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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