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【パリ~ニース プレビュー】シーズン本格開幕!スタースプリンター集結!春めいたコートダジュールで、マイヨ・ジョーヌを纏うのは誰か!?
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか北極圏からの冷たい風が猛威を振るい、開幕4日前の朝にも、ニースの浜辺に白い雪を降らせた。だけどパリ~ニースが、きっと今年も、プロトンに春を連れてきてくれる。一行がパリ郊外を走り出す週末までには、予報によると、氷点下の世界とはきっぱり別れを告げている。しかも雨模様の北を抜け出すと、地中海岸では明るい陽光が待っている。「太陽へ向かうレース」の別名は、伊達ではないのだ。
「ミニツール」という愛称でも良く知られるが、今年に限って言えば、本家ツール・ド・フランスでもめったに見られないほどのスタースプリンターが勢揃いする。キッテル、グライペル、クリストフ、デゲンコルプ、フルーネウェーヘン、ヴィヴィアーニ、トレンティン、デマール、ブアニetc……。まるで玉突きのようにチームを移籍した3人組(ヴィヴィアーニ→キッテル→クリストフ)の新列車の仕上がりは見ものだし、因縁のブアニvsデマールならぬ、同じチーム内での「絶対リーダー」ブアニvs「新リーダー」ラポルトの動向も気になるところ。昨夏シャンゼリゼで24歳のフルーネウェーヘンが栄光を掴んだのだとしたら、中東でキッテルその他を蹴散らして優勝をさらった23歳のフィル・バウハウスが、今大会はトップスプリンターの座に駆け上がってしまうかもしれない。
ただ実のところ、「ピュア」スプリンターたちに与えられるチャンスは、実際は大会2日目しかなさそうだ。パリ郊外で行われる第1ステージで勝つための条件は、「上れる」という枕詞の付く脚質であること。なにしろラスト1.9kmは平均勾配6%の上り坂。本物のパンチャーたち、つまりアラフィリップやゲランス、D・トゥーンス、ヴァルグレン等々の、アルデンヌクラシック表彰台経験者たちと、対等に渡り合わねばならない。しかもニースでの総合リーダーの座を狙っている選手たちが、いきなり先頭に躍り出る可能性さえある。
幸いにも2日目は、ステージを通して起伏はほとんど登場しない。それでも軽い上りフィニッシュだから、それでもちょっとしたパンチ力は必要だ。この地域特有の強い風にも要警戒。3日目は210kmと長距離な上に、ステージ終盤に3級峠が3つ続けて登場する。しかも3つ目の山頂はフィニッシュ手前約10km。もしもスプリンターが勝ちたいなら、アシスト総出で逃げ集団のコントロールからエースの山岳牽引、最終峠では上りも下りもアタック潰し……と懸命に働かねばならないだろう。
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