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【ハイライト動画あり】吉岡陽・村上敬之丞・栗原咲太郎ーー福岡大附属大濠が2連覇を達成、その裏で支えた3年生サウスポートリオ | 高校バスケ ウインターカップ2025
ウインターカップコラム by 青木 崇栗原咲太郎・吉岡陽・村上敬之丞・(写真左から)
97対71。
悲願の初優勝を目指した東山に対し、福岡大附属大濠は決勝の舞台で大会を通じても最高水準のパフォーマンスを披露し、見事な2連覇を成し遂げた。3Pショットは35本中14本と高確率で沈め、ターンオーバーはわずか3本。ディフェンスでも東山のFG成功率を32.5%に抑え込み、攻守両面で完成度の高さを示した。
その圧倒的なチーム力の裏側には、スタッツには表れにくい3年生たちの存在があった。
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昨年の決勝でもスターターを務めた榎木璃旺が6本の3Pショットを含む22点、渡邉伶音の控えだったサントス・マノエルハジメも15点をマーク。将来が有望な下級生の本田蕗以が16点、白谷柱誠ジャックが14点と、選手層が厚く、どこからでも得点できるチームであることを証明した。
選手層をより厚くさせた要因の一つが、昨年の優勝をベンチから見ていた吉岡陽、村上敬之丞、栗原咲太郎の3年生トリオだ。彼らはいずれもサウスポーのスイングマンだが、吉岡がオールラウンダー、村上がドライブ、栗原がシュート力と、それぞれの強みが違う。2連覇に貢献した3人について、片峯聡太コーチは次のように評価した。
「吉岡と村上と栗原に関して、僕はすごく助けられたし、評価したいと思います。もちろん、能力的にいろいろなプレーができるというのは彼らの武器ですけど、その時の状況に合わせて自分の武器を正しく使うマインドが、徐々にこのウインターカップに向けてセットできたという風に思います」
白谷と本田の下級生に注目が集まる中、3年生のサウスポートリオは、アグレッシブなディフェンスをすること、オフェンスのテンポを上げるために走り続けることを意識していたという。福岡大附属大濠は開志国際との3回戦を延長の末に2点差でモノにしたが、白谷と本田の活躍に依る部分が大きかった試合だったのは明らか。しかし、その試合は3年生たちの意識を大きく変えるきっかけとなった。吉岡が「自分たちがもっと頑張らないければいけないと思いいました」と話したように、メインコートでプレーできるようになった準々決勝以降は、3人が攻防両面で貢献する機会が増えていく。
片峯コーチから「インターハイやトップリーグでシックススマンとして出ることが多かったのですが、今回のウインターカップに関してはスタート。それも相手のエースを抑える役割もありますし、3Pも要所で決めるという風に、状況に応じて自分の武器を出してくれました」という高い評価をもらった吉岡は、鳥取城北との準決勝で4本の3Pショットを含むチーム最多の20点をマーク。栗原はこの試合で1分11秒間の出場に終わったが、3Q終了間際にリードを奪い返す3Pショットを決めていた。
片峯コーチは、「特に昨日のセミファイナル、3Q終わりに3Pショットは努力の賜物。本当にあのようなまじめさ、ひたむきさが報われたというのは、コーチとして非常に喜ばしく思います」と称賛。栗原自身は「自分でも驚くくらい大きなシュートだったんだなと。決めた瞬間は覚えていないし、得点とかもあまり見えていなかったんですけど、後になって自分のしたことに気付けたということです」と、決勝進出が決まってからもしばらくの間、ビッグショットを決めたという実感がなかった。
司令塔もこなせるガードとしてアグレッシブに攻め続けた村上は、決勝の東山戦で4本のフリースローを決めるなど、11点をマーク。中村颯斗の3Pショットが13本中2本の成功に限定させるなど、ディフェンスでの貢献度も高かった。
昨年の3年生や今の下級生に比べると、今年の最上級生はどちらかといえばロールプレーヤーとして地道にチームに貢献するタイプが多い。11月3日の福岡県予選で福岡第一に負けた後、翌週のU18トップリーグで東山と対戦する際、片峯コーチは3年生全員がメンバーから外すという荒療治を敢行した。しかし、これがいい意味で目覚ましとなり、榎木と勝又を軸に3年生たちが精神面で成長。吉岡、村上、栗原が片峯コーチから真の信頼を勝ち取ってウインターカップ優勝に貢献したことは、福岡大附属大濠が改めて選手層の厚いチームであることを証明した大会だった。
片峯コーチを胴上げする選手たち
「去年は同じような役割というか、つなぎくらいでしか(試合に)出られなかった自分たち3人が、今回は要所でそれぞれ活躍できたというのは、本当に3年間一緒に過ごしてきたこそ、本当にうれしいです。他の2人も自分もディフェンスから走る、スピードを上げるのが得意です。本当に自分たちの役割とかできることはまったく違うんですけど、その走りから咲の3Pだったり、敬之丞のアタックなど、バランスよくできる関係だと思います」(吉岡陽)
「3年生が引っ張っていかないとこのウインターカップは絶対に勝てないと思っていて、その中でも最初のほうは緊張がありました。こういう舞台で自分がやってやろうという気持ちがあったんですけど、空回りしてチームとしての動きがあまりできませんでした。準決勝、決勝へと進むにつれて、自分の役割を再認識できました。決勝戦で大きく関わってきて、その中で1、2年生を支える3年生の役割を果たせたと思います。
3人とやってきて、ポジションが少し違う中で自分や咲だったり、陽の持ち味を考えていました。自分が一番ガードに近いポジションでしたが、ライバル意識を持っていて、あいつが活躍したら俺もという気持ちもありつつ、自分の中ではあいつにもっとやらせたい、もっと見てもらいたいといったライバルのようでいい仲間でした」(村上敬之丞)
「去年の3年生を見ていて、あの偉大な先輩方の後にどうやって引っ張っていくのかを考えていました。ロイやジャックというすごい下級生がいる中で、先輩としての意地というか、そういったところを要所要所で決めることによって、できたのかなと思います。1年生の頃から競争してきた3人だけど、プレースタイルは全然違うし、性格とかも似ていないですけど、勝利に向かう意識や試合でどれだけ貢献できるか、チームのことを考えられるというところは一緒だと思うので、3人で優勝できたことがとてもうれしいです」(栗原咲太郎)
文:青木崇
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【男子 ハイライト】福岡大学附属大濠高等学校 vs. 東山高等学校|ウインターカップ2025 男子決勝 メインコート(12月29日)#basketball
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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