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バスケットボール コラム 2025年12月29日

【ハイライト動画あり】ディフェンスを変え、歴史を変えた40分ーー大阪薫英女学院、ウインターカップ初制覇の舞台裏 | 高校バスケ ウインターカップ2025

ウインターカップコラム by 青木 崇
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ウインターカップ初制覇の大阪薫英女学院

ウインターカップ初制覇の大阪薫英女学院

大阪薫英女学院は、創部以来初となるウインターカップ制覇を懸け、4度目の決勝の舞台に立った。

相手は、竹内みやを筆頭に強力なガード陣を擁する桜花学園。大阪薫英女学院はそのアタックをなかなか止められず、2Q中盤には14点のリードを許す事態になるなどして、ハーフタイムまでに44点を献上した。安藤香織コーチはそこで、ディフェンスをマンツーマンからゾーンに変更する決断を下す。

「マンツーマンだと桜花さんはみんなシュート力があるので、寄りづらかったと思うんです。自分のマークマンに1対1でやられないこともずっとやってきたことですけど、自分のマークを守ることに精一杯で前半はカバーに行けていませんでした。マークすることよりもボールに対してみんなで行こうということで、(ゾーンに)変えた感じです」

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大阪薫英女学院は桜花学園のスクリーンに対して元々スウィッチで対応するゲームプランを立てていたが、マンツーマンだと対応の遅れを突かれて失点していた。前半の状況を変えるという意図に加え、ゾーン・ディフェンスを使うことでスウィッチを徹底できる点でもプラスに働いた。

特に勝部璃子がスクリーナーになった際には、三輪美良々がスウィッチしてガードを1対1でディフェンス。ミスマッチになっても三輪がオンボール・ディフェンスで奮闘している間に、オフボールでのスウィッチで不利な状況を解消していく。点差以上に、桜花学園のテンポが徐々に削られていったことが、試合の空気を変え始めていた

桜花学園は後半でオフェンスが停滞する時間が長引いていくことに加え、東海大付属福岡戦で右ひざを痛めたイシボ・ディバインを先発で使ったが、出場は1分47秒にとどまる。インターハイで勝利した際に18点、23リバウンドと大活躍したディバインを欠く形となり、三輪には勝部と水林夢翔が対応したが、2人とも前半で2ファウルになっていた。

三輪はポストアップから果敢に得点を狙いに続けるが、ショットがリングに嫌われるシーンも少なくなかった。しかし、後半になると京都精華学園戦など留学生と何度もマッチアップしてきた経験を生かし、フィジカルの強さで勝部の体力を削りながらインサイドで得点を重ねていく。

4Q8分34秒、三輪は勝部から3つ目のファウルをもらいながらショットを決め、54対54の同点に追いつく。その後一進一退の攻防が続く中、59対59で迎えた残り3分10秒、三輪はオフェンシブ・リバウンドを奪ってからフィニッシュで勝ち越しに成功した。

インサイドでオフェンスを牽引した三輪は30点、リバウンドも13本というダブルダブルを達成し、大阪薫英女学院のウインターカップ初制覇の原動力になった。

「1年生のころからスタートで出させてもらって、先輩たちを日本一にさせてあげることができなかったのが悔しくて、1、2年と続きました。自分たちの代で最後は絶対に薫英を日本一にさせたいという思いで、しっかり40分間やり切ることができたと思います」

大阪薫英女学院は桜花学園に69対74で惜敗したインターハイの雪辱を果たしたことに加え、インターハイ準優勝校の日本航空北海道、ウインターカップ4連覇を目指していた京都精華学園を破って頂点に立った。180cmを超える選手は不在だが、攻防両面で質の高いプレーをするチームを作り上げた安藤コーチの手腕は、多くのチームに勇気を与えたと言っていい。

無料動画

【女子 ハイライト】桜花学園高等学校 vs. 大阪薫英女学院高等学校|ウインターカップ2025 女子決勝 メインコート(12月28日)#basketball

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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