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バスケットボール コラム 2025年12月28日

越えられなかった壁を越えてーー大阪薫英女学院が京都精華学園を撃破、日本一まであと1勝 | 高校バスケ ウインターカップ2025

ウインターカップコラム by 青木 崇
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三輪 美良々

三輪 美良々

近畿大会や過去のU18トップリーグ、2021年のウインターカップの準決勝で80対86で惜敗するなど、大阪薫英女学院にとっては、京都精華学園が越えなければならない大きな壁。留学生2人を擁するチームに対し、攻防両面でゲームプランを遂行することと、センターがフィジカルに戦い続けられるかが、勝つためには欠かせない要素になる。

遂行力という点に目を向けると、大阪薫英女学院のガード陣は、京都精華学園の司令塔を務める吉田ひかりにボールが簡単に渡らないようにプレッシャーをかけ続けた。ンガルラ・ムクナ・リヤとオディア・カウェル・リッツがペイント内で得点する流れを作りにくくするため、吉田がゲームメイクをする時間をできる限り短くする狙いがあった。安藤香織コーチはこう語る。

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「やっぱり吉田さんからすべてのオフェンスが始まります。ボール運びのところでも、留学生につないだ後でも簡単に吉田さんに返させないように、オールコートのところからプレッシャーをかけてました。前半に3Pのところでやられたところもありましたけど、それでもリズムを崩すことはできたと思います」

吉田へのプレッシャーに加え、三輪美良々と今井優蕾が留学生に対して粘り強く戦うことで、大阪薫英女学院はゴール下で簡単に得点を許さなかった。吉田には、3Pショット3本を含む15点を奪われたものの、前半でリヤを6点、リッツを4点に限定することに成功。これは京都精華学園のオフェンスが機能していなかったことを示している。京都精華学園の山本綱吉コーチが、「3Pが決まって点差が開き、ますます焦って自分たちのバランスを崩したと思います」と振り返ったのも、自然な流れだった。

三輪はディフェンスだけでなく、オフェンスでもチーム最多となる21点をマークした。「留学生のところで自分が守ってファウルをしまったのがあって、守りきれなかった悔しい思いはあります」と語ったが、留学生がアウトサイドになかなか出られない状況を生かし、3Pショットも4本中2本成功させた。1年生のときからスターターで起用し続けた三輪について、安藤コーチは次のように称賛する。

「ファウルで苦しいところもあったし、我慢しなければならないところもあったんですけど、大事なところで逃げずに(ショットを)打ち切れました。元々決められたものもありましたが、打ち続けたからこそうちのペースだったと思います」

大阪薫英女学院は、ボールと選手の連動した質の高いオフェンスを展開し、11本の3Pショットを成功。松本璃音の6本を最高に、アシストが18本を数えた。ターンオーバーが6本と少なかった点でも、質の高いオフェンスが展開できたことの証。最大で22点のリードを奪うなど、試合の大半をコントロールした大阪薫英女学院は、80対71で見事な勝利を収めた。

決勝の相手は桜花学園。インターハイでは3回戦で逆転負けを喫し、過去のウインターカップでも厚い壁として立ちはだかってきたチームだ。京都精華学園を倒した自信がプラスに働けば、悲願の優勝も現実味を帯びる。安藤コーチは決勝戦に向けてこう言葉で結んだ。

「インターハイで桜花に負けて、自分たちの勝ちきれないところは、ショットを決められないところや、ディフェンスの強度で負けているという課題が見つかった。冬まで徹底的に鍛えてきたので、明日は成長した姿で戦ってくれると思います」

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【女子 ハイライト】京都精華学園高等学校 vs. 大阪薫英女学院高等学校|ウインターカップ2025 女子準決勝 メインコート(12月27日)#basketball

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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