人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

バスケットボール コラム 2025年12月28日

爆発力ではなく、粘りで勝つ。鳥取城北が示す「接戦を制する力」 | 高校バスケ ウインターカップ2025

ウインターカップコラム by 青木 崇
  • Line
豊村豪仁

豊村豪仁

インターハイ王者の鳥取城北は、2回戦の東海大付属相模、3回戦の九州学院をいずれも土壇場で振り切って勝利を手にした。特に九州学院戦は、残り8秒に控えガードの大田翔平が決めた劇的な3Pショットによって、文字通り九死に一生を得た。

昨年のウインターカップで決勝進出を果たしたチームに比べると、オフェンスの爆発力という点で昨年ほどではない印象もある。しかし、インターハイでは全試合で相手を70点未満に抑えた粘り強いディフェンスと、3回戦の柳ヶ浦が5点差、準決勝の仙台大附属明成が3点差、決勝の八王子学園八王子が6点差と、終盤までもつれる試合になっても勝つ術を見つけ出していた。

「高校バスケ ニューイヤーカップ2026」放送/配信のご案内

北陸学院との準々決勝、鳥取城北は「去年も試合に出させてもらっていて経験もしているし、初めてでもないので、僕にとっては家というか、ホームコートに帰ってきた感じでした」と語る豊村豪仁をはじめ、新美鯉星、ハロルド・アズカという昨年もメインコートを経験した3人を軸に試合を有利に進める。8−0のランという好スタートを切ったことに加え、2年生の司令塔福元源士が前半だけで12点を稼ぐ。ディフェンスで北陸学院のオフェンスを停滞させた結果、ハーフタイムで22点のリードと過去2戦とまったく違う展開に持ち込んだ。

しかし、北陸学院は前半で13点をマークした小笠原和真が、後半になって完全に火がついた。8本の3Pショット成功に加え、ドライブからフィニッシュするなど32点の大爆発。「力のあるチームだと僕たちはわかっていました」と豊村が振り返るように、鳥取城北はマンツーマンとゾーンを併用しながらディフェンス対応をしたものの、小笠原を止める術がなくなっていく。4Q残り2分47秒、北陸学院は小笠原のアシストから神保旺介が3Pショットを決めると、61対59まで詰め寄られた。

「粘りは出てきたと思うんですけど、僕的にはセーフティーリードで終わりたいです。心臓に悪いし、疲れます」と河上貴博コーチは苦笑する。それでも、鳥取城北の粘り強さは土壇場でこそ発揮された。逆転もあり得る局面で北陸学院のオフェンスを封じ、1分42秒にアズカがフリースローを2本ともミスしながらも、新美がオフェンシブ・リバウンドを奪取。このセカンド・チャンスから豊村のレイアップでリードを4点に広げたことは、北陸学院の追撃を振り切り、65対61で勝利するうえで大きな意味があった。

接戦で勝てる要因について河上コーチは、「追われる立場であっても、みんなで“ここから、ここから。ディフェンス頑張ろう”といった声掛けをしている点は強みかと思います」と語る。インターハイとの二冠まであと2勝。準決勝の相手は昨年の決勝で大敗した福岡大附属大濠だ。タレント揃いの強豪に対し、鳥取城北は粘り強いディフェンスと終盤での勝負強さを発揮できれば、雪辱の舞台は十分に整っている。

文:青木崇

無料動画

【男子 ハイライト】鳥取城北高等学校 vs. 北陸学院高等学校|ウインターカップ2025 男子準々決勝 メインコート(12月27日)#basketball

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
バスケットボールを応援しよう!

バスケットボールの放送・配信ページへ