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バスケットボール コラム 2025年12月26日

【ハイライト動画あり】40分31秒、留学生と戦い続けたセンター飯田渚颯が支えた土浦日本大、死闘を制す | 高校バスケ ウインターカップ2025

ウインターカップコラム by 青木 崇
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2人の留学生を相手に40分31秒間プレーした飯田

2人の留学生を相手に40分31秒間プレーした飯田

延長戦に入ってもなお、ペイントエリアの中央に立ち続けていた。

京都精華学園の留学生と40分以上にわたって身体をぶつけ合い、土浦日本大を支えたセンターが飯田渚颯だ。

2回戦で強豪の藤枝明誠を倒したことで、土浦日本大はチームとして大きな自信をつかんだと思われた。しかし、佐藤豊文コーチが「昨日興奮が高まった試合を勝ち切ったんで、次の日に落ちるのがあります。それが怖くて試合前のミーティングから言ったんですけど、出てしまった感じです」と懸念したように、なかなかリズムに乗れないまま時間だけが経過していく。

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土浦日本大はハーフタイムの時点で36対36、4Q序盤で2点リードを奪うこともあった。しかし、その後京都精華学園の留学生オチレベ・アレクサンダーにインサイドで3度得点され、杉原拓にも3Pショットを決められるなど、残り3分18秒で10点差をつけられるという非常に厳しい状況に追い込まれた。それでも、出場49回、優勝1回、ベスト4以上が10回という伝統校は、ここから驚異的な粘りを見せる。

この試合で29点と大当たりだった渡部駆流の3Pショットで追撃を開始し、渡邊脩希がドライブから得点して5点差。ターンオーバーを誘発した直後、残り18秒で夏目悠良が3Pショットを決めると、タイムアウト後にも京都精華学園がパスをファンブルした後のルースボールを大野蓮が奪う。そこからドライブしてファウルされた大野が、1年生ながら冷静にフリースローを2本決めたことで、土浦日本大は残り14秒で69対69の同点に追いついたのである。

「これは大丈夫だなと正直思いました」と佐藤コーチが振り返ったように、11−1のランで追いついた勢いは延長でも続き、留学生相手にフィジカルに戦い続けた飯田渚颯のフリースローで勝ち越し。延長2分36秒に大野が3Pショット、1分50秒に飯田がバスケットカウントとなるレイアップを決め、リードを7点に広げた土浦日本大が京都精華学園の追撃を振り切った。

チームの大黒柱である渡部が3Pショット8本成功、大野も12点、10リバウンドのダブルダブルを記録。しかし、20点、9リバウンド、5アシストというスタッツ以上に、2人の留学生を相手に40分31秒間プレーした飯田の存在は、土浦日本大の勝利に欠かせない。佐藤コーチはこう称賛する。

「昨日(藤枝明誠戦)がよすぎた。気持ちの強さがあの子のいいところなんだけど、それが悪い方に出てしまった。あのような時にもう少し落ち着いて違うプレーを選択できるようになったら、本当にとんでもないセンターになるんじゃないかと思います。向こうは留学生を取っ替え引っ替えでやっているわけですから、あれだけ身体を当て続けながら、一人で戦える選手はほとんどいない」

アレクサンダーとキモナ・ディエウと激しい攻防を繰り広げた飯田は、留学生とのマッチアップで次のことを気をつけていたという。勝利に貢献したとはいえ、自身のプレーに対しての反省を忘れていない。

「豊文さんから留学生には裏をやられるなって言われていました。それを意識してやっていたんですけど、試合ではやられてしまう形が多くなってしまいました。次に留学生とやる時には直して、意識してやっていきたい」

土浦日本大が準々決勝で対戦する相手は、昨年の王者・福岡大附属大濠だ。2年前の準決勝で敗れた因縁の相手でもある。留学生こそいないが、1年生ながら日本代表合宿に招集された白谷柱誠ジャックをはじめ、能力の高い選手が揃う。

その舞台に立てることを、飯田は素直に喜ぶ。

「メインコートでプレーできるのは、バスケをしてきた中での夢だったので、すごくうれしいです」

この試合では留学生とのマッチアップで課題も残したが、ペイント内のディフェンスとリバウンドで存在感を示し続けた。再び強豪と向き合う準々決勝でも、飯田渚颯がゴール下に立ち続ける限り、土浦日本大は簡単には崩れない。

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【男子 ハイライト】土浦日本大学高等学校 vs. 京都精華学園高等学校|ウインターカップ2025 男子3回戦 Cコート(12月26日)#basketball

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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