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バスケットボール コラム 2025年12月25日

コーチと歩んだ6年間の答えを全国でーー星城、荻野瑠七と小林柚月が挑んだウインターカップ | 高校バスケ ウインターカップ2025

ウインターカップコラム by 青木 崇
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荻野瑠七

荻野瑠七

2年ぶり13回目のウインターカップ出場を果たした星城は、中学で指揮官を務めていた時に日本一を経験した実績のある鷲野鋭久コーチが就任し、中学で結果を出したスタイルが、高校でも結果を出せることを証明するために強化を進めてきたチームだ。2年前の大会では英明を92対74で破ったが、2回戦で聖和学園に69対73で惜敗。その時1年生として出場機会を得てきた荻野瑠七と小林柚月は、弥富北中から6年間鷲野コーチの下でプレーしてきた選手である。

「オフェンスでもディフェンスでも視野を伴うプレーがカギになります。オフェンスであれば、ボールをなくさない自信が視野の確保につながります。ディフェンスであれば、プレッシャーをかけることで視野の遮断になります」

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こう語る鷲野コーチのバスケットボールをメンバーのだれよりも理解している荻野と小林は、最上級生となったこの1年間チームを牽引してきた。星槎国際湘南との1回戦で荻野が11点、11リバウンドのダブルダブル、小林が14点、5アシストの活躍で7点差で競り勝つのに貢献。次の帝京安積戦でも荻野が10点、小林が9点、9リバウンド、6アシストを記録しての勝利で、2年前のウインターカップを上回る3回戦進出という成果を出した。

優勝候補の一角で4連覇を狙う京都精華学園との3回戦は、ここまで積み上げてきたものを試す相手だった。星城は前からのプレッシャーとマッチアップゾーンを駆使し、京都精華学園にオフェンスのリズムを掴ませないように徹底してプレー。1Qは京都精華学園から何度もターンオーバーを誘発させ、荻野、小林を軸に得点を重ねて20対20の同点で終える。鷲野コーチは「子どもたちが準備してきたことをよくやってくれました」と話したように、選手たちがゲームプランをしっかり遂行していた。

しかし、星城のディフェンス対応に慣れてきた京都精華学園は、ボールを活発に動かしながら留学生が得点しやすい状況を作り出し始め、14連続得点で一気にリードを広げる。星城は後半で力尽きて54対100で敗れはしたが、最後までハードに戦い続けただけでなく、鷲野コーチが目指すチームとして連動したオフェンスで得点するシーンも多々あった。

小林柚月

小林柚月

結果としては悔しさの残る大会となったが、荻野と小林にとって鷲野コーチと充実の6年間を過ごしたのは間違いない。

「本当に最後まで自分を信じてくださったのは先生だけだったので、何回も挫けそうになりましたし、ここに入って良かったのかなと思うこともあったんです。最終的に(3回戦で)負けてしまったけど、自分たちのバスケットをやり通せば最後まで自分たちを信じてくださった結果なので、感謝しかないです」(荻野瑠七)

「中学校の3年間でJr.ウインターカップに行けなかったので、鷲野先生が考えているバスケットを表現できなかった部分があったと思いました。高校3年間でもう1回やり直したいと思い、星城に来ました。キャプテンもそうですけど、2人で最後は仲間と一緒に全国の舞台で鷲野先生のバスケができたかなと思います」(小林柚月)

鷲野コーチが中学から天塩にかけて育ててきた荻野と小林を軸にしたチームで、星城はウインターカップで新たな歴史の礎を作った。愛知県には桜花学園という大きな壁が存在する。強敵を倒して全国の舞台に立つためには、可能性を秘めた下級生たちがこの経験を糧にどう成長するのかにかかっている。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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