【ウインターカップ2025 | 女子展望】京都精華学園の4連覇、桜花学園の夏冬2冠、それとも2強を倒す勢力が出てくるのか

京都精華学園は4連覇に挑む

夏のインターハイは、準々決勝で京都精華学園に逆転勝ちした日本航空北海道に競り勝ち、桜花学園が頂点に立った。しかし、U18トップリーグでは京都精華学園が7戦全勝で3連覇を達成。二冠を目指す桜花学園とウインターカップ4連覇を目指す京都精華学園が2強という見方もできるが、インターハイ準優勝校の日本航空北海道、インターハイが3位、U18トップリーグ2位となった岐阜女、留学生が強力な精華女も優勝の可能性を秘めたチームだ。

桜花学園はU16FIBAアジアでMVPとなった竹内みやとキャプテンの濱田ななので構成するガード陣がオフェンスを組み立て、勝部璃子が得点源としてオールラウンドなプレーを発揮できると強い。留学生に対してはフィジカルが強いイシボ・ディバインでマッチアップでき、山田桜来がボール保持者に対して厳しいディフェンス対応をするなど、各ポジションにタレントが揃っている。3年生の金澤杏が故障から復帰できると、桜花学園の選手層はさらに厚みを増す。

京都精華学園はインターハイで負けた悔しさを糧に、山本綱吉コーチの下で質の高い練習を積み重ねた成果をU18トップリーグで示した。吉田ひかりのスピードを武器にしたゲームメイクに、ンガルラ・ムクナ・リヤとオディア・カウェル・リッツの留学生は高さだけでなく、いずれも速攻でフィニッシュできる機動力を兼備する。ベンチから出てくる谷彩南、満生小珀といった2年生はタレント揃いだ。しかし、坂口美果と石渡セリーナのフォワードでプレーする3年生は、スタッツ以上に献身的なプレーでチームに貢献できる。4連覇への道のりにおいては、準々決勝での対戦が予想される精華女が最初の山場となりそうだ。

精華女はインターハイで桜花学園に競り負けての3位。アキンデーレ・タイウォ・イダヤットというインサイドを支配できる存在を擁するが、桜花学園戦では森田栞名の5点を除くと、ガード陣からの得点がなかった。タイウォの強みを最大限に活かしながらも、盛山璃音や吉川愛未ら日本人選手の得点を伸ばすことが、精華女が京都精華学園や桜花学園を倒すためのカギになる。

インターハイ2位の日本航空北海道は、矢倉直親コーチが3年計画で作り上げてきたチームだ。今年の3年生で最も将来を嘱望されている庵原有紗が大黒柱となるが、ファトゥマタ・カマラ、中村泉咲、宇都鈴々奈、西川葵は1年生の時からスターターとしてともにプレーしてきた。お互いの理解度が非常に高いチームだけに、調和の取れたバスケットで日本一を目指す。

ただし、日本航空北海道が3回戦で当たると見られる大阪薫英女学院は、攻防両面でタフに戦ってくるチームだ。インターハイでは3回戦で桜花学園に惜敗したものの、リードしている時間帯が長かった。昨年3位の経験を持つスターターとして出場していた幡出麗実、三輪美良々がチームを牽引し、日本航空北海道を倒すことができれば、再びメインコートの舞台に立つことは十分にある。

インターハイでの岐阜女は、司令塔の小松美羽をひざの故障で欠いた。しかし、三宅香菜と杉浦結菜がチームを牽引して準決勝まで勝ち上がった。U18トップリーグの初戦で桜花学園に5点差で競り勝つと、小松が9月14日の精華女との復帰初戦で18点を記録して勝利に貢献。日本航空北海道との最終戦では、小松がチーム最多となる22点をマークし、強固なディフェンスで50点に限定し、インターハイの雪辱を果たした。今年のチームは留学生に長い出場時間を与えられる状況にないため、三宅、杉浦、小松の3年生を軸に、攻防両面で堅実に戦えるかが上位進出のカギになる。インターハイの2回戦で53点を記録したテウ・アダマを擁する八雲学園との3回戦が、岐阜女にとって最初のビッグゲーム。準々決勝で慶誠を破ることができれば、宿敵桜花学園との対決が実現することにある。

京都精華学園の4連覇か、桜花学園が夏冬2冠達成か。この点が女子で最も注目すべきポイントだ。しかし、U18トップリーグの上位5校にはいずれも冬の頂点に立つ力を備えており、例年以上にハイレベルなウインターカップになりそうだ。

文：青木崇