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バスケット ボール コラム 2025年9月11日

【9月10日開催:オータムリーグ・レポート】3Pと運動量で突き進む 止まらない早稲田大、オータムリーグを席巻

バスケットボールレポート by 青木 崇
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早稲田大の勢いが止まらない。7試合を終えて日本体育大と6勝1敗で並んでいる状況は、開幕前に予想できた人など皆無だろう。2年前に2部降格という苦い経験をしている三浦健一(洛南4年)が、「以前1部にいたときは連勝どころか、勝つことだけでも苦労していました」と話すのも不思議なことではない。

昨年一緒に1部に昇格を達成した青山学院大との一戦は、堀田尚秀(東山4年)の3本を筆頭に1Qだけで7本の3Pショットを成功。ゾーン・ディフェンスを使いながら何とか早稲田大のペースを落とそうと試みた青山学院大だったが、3Qになると3Pショットを意識し過ぎた負の部分が出てしまい三浦や下山瑛司(中部大第一3年)のドライブを止める術がなくなった。

「先手必勝で100点を狙っています」と三浦が振り返ったように、早稲田大は100対70で青山学院大に大勝した。倉石平コーチは195cm以上の選手が一人もローテーションに入っていない今のチームに対し、ラン&ガン・オフェンスで相手に走り勝つスタイルを徹底。下山が3Q途中で“運動量!”と自信を持って声を出すなど、日々の練習での走り込みの成果もあり、早稲田大は8人ローテーションで勝ち切っている。

ハイスコアを稼ぐオフェンスにどうしても目が行ってしまいがちだが、ディフェンスの頑張りも早稲田大が勝ち星を増やしている理由。試合のテンポが早くしていることもあり、平均78失点はリーグ内で最も多く、オフェンシブ・リバウンドの数が最も少ない。

しかし、サイズの不利をカバーするための戦い方について、三浦は「ディフェンスはスウィッチからローテーション、そこからフィジカルに戦うことです」と説明。倉石平コーチはこのディフェンスを徹底的に練習してきたことに自信を深めているものの、ショットの精度を含めてチームの出来に決して納得していない。

「後半にショットの精度をもっと上げなければならない」という三浦の言葉どおり、今季の早稲田大は前半で10本以上の3Pを決めることも普通のこと。しかし、逆転負けを喫した日本体育大戦は、3Qまでに14本決めながらも4Qで1本しか決められなかった。

今後は、どのチームも早稲田大のオフェンスを止めるための対策により力を入れてくるはずだ。13日に明治大、14日に筑波大がスローダウンさせる何らかの答えを出せるかに注目だ。

背負う覚悟を胸に轟琉維と東海大、成長へのリスタート

 

東海大は先週末、6日の白鴎大戦で4Q最後の5分強で1点も奪えず、14点リードを逆転されての敗戦。7日の早稲田大戦も前半でリードを奪いながらも、3Qだけで36点を献上するというディフェンスが崩壊しての黒星となった。

入野貴幸コーチは2連敗の後、マインドセットの重要さを選手たちに強調。諸事情で体育館が使えない状況やムスタファ・ンバアイ(福岡第一2年)の欠場を言い訳にせず、チームとしてタフに戦うことを求めた。対戦相手の中央大は主力をケガで欠いていたとはいえ、試合開始早々から高強度のディフェンスで試合を完全に支配。中央大から18本のターンオーバーを誘発させ、FG成功率も20.3%に抑え込んだ東海大は、79対36で大勝した。

今季の東海大は、司令塔の轟琉維(福岡第一3年)が波に乗れていない。大事な局面でビッグショットを決めるといった勝負強さが、ここまでは影を潜めている。中央大戦は18分46秒間で5点、2アシストだったが、本来の姿を取り戻すための第一歩を踏み出したという感触が轟にはある。

「コーチ陣から背負い過ぎず、チームのことを考え過ぎず、自分のプレーをしていいと言われているんですけど、結局背負わないといけないです。自分がポイントガードとしてやっている以上、そこを意識しつつ、今日は思い切りプレーができたと思います」

自身とチームのことで葛藤しながらも、轟は現実から逃げることなく、自分に必要なチャレンジだと理解して日々を過ごしている。先週末の2連敗は非常に悔しいものだったかもしれないが、13日の神奈川大と14日の大東文化大戦は、轟と東海大が成長の過程における学びをどう結果に結びつけるかが試される2連戦となる。

白鴎大、佐伯と境が躍動 明治大との点取り合戦を制し、巻き返しへ

白鴎大は9月7日の青山学院大戦の逆転負けから立て直し、明治大とのハイスコアリングゲームに勝利。網野友雄コーチは「本当は70点くらいに抑えたかったんですけど、81点は取られすぎ」とディフェンスの課題を指摘。一方で「オフェンスはよくなっているので、継続していけたらと思います」と、オフェンスに手応えを感じている。

しかし、佐伯崚介(土浦日本大4年)が21点とアグレッシブに攻め続けたことに加え、ビッグマンの境アリーム(開志国際3年)が13点、10リバウンドのダブルダブルで勝利の立役者になった。網野コーチは境をこう評価する。

「コンディション的にもすごく良さそうですし、素直と言えば素直な子なので、言われたこととかやらせたいことを一生懸命にやっているから、いいんだと思います」

13日の筑波大戦と14日の専修大戦は大行寺キャンパスでのホームゲームとなるだけに、連勝して貯金を作ってバイウィークに入りたいところ。開幕3連敗とスタートで躓いた白鴎大だが、ここから本来の強さが発揮されるのか、注目が集まる。

文:青木 崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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