人気ランキング

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム一覧

バスケット ボール コラム 2025年9月4日

【9月3日開催:オータムリーグ・レポート】「自分の仕事を徹底する」 久朗津広野が示した東海大の強さの本質

バスケットボールレポート by 青木 崇
  • Line

 

東海大は9月3日、インカレ決勝で敗れた相手であり、開幕から3連勝のスタートを切っていた日本大に対し、40分間厳しいディフェンスで試合をコントロール。日本大はアシスト9本にとどまったのに対し、ターンオーバーが17本。FG成功率を30.2%に抑え込んだことが決め手となり、81対54で大勝した。

オフェンスでは試合開始早々から轟琉維(福岡第一3年)がアグレッシブに攻め、1Q中盤までに9点を記録。轟が作った勢いに拍車をかけたのが、191cmのパワーフォワードの久朗津広野(東海大付属札幌4年)だった。

東海大が8月30日の筑波大戦に競り勝った際、久朗津は4Qで何度もセカンド・チャンスを作り出すなど、6点、7リバウンド(そのうちオフェンスが5本)で勝利に貢献していた。日本大戦も1Q途中から登場。1分47秒にはバスケット・カウントとなる3Pプレーを決め、オフェンシブ・リバウンドから2度得点した。2Qになってもリバウンドやパスを弾くディフレクションなど、ハッスルプレーでチームに勢いをもたらしていた。

「自分は得点を取りに行くタイプではないですし、他に能力の高い選手がいます。リバウンドに行ったら、運良く自分のところにボールが来ました」と謙遜する久朗津だが、自分の仕事を徹底した成果は、14点、7リバウンドというスタッツでも明らか。ここ3試合のパフォーマンスは、入野貴幸コーチの「出たプレーヤーがハッスルし、ファイトして交代といういい流れを作っています」という言葉を象徴するものだった。

入学当初の久朗津はBチームで、Aチームのメンバーになれたのが2年生の時。なかなか出場時間を得ることができずにいたが、オータムリーグでは東海大に欠かせない戦力になっている。日本大戦ではムスタファ・ンバアイ(福岡第一2年)がベンチに下がった際、ボロンボ・ムヘカグラシアブラ(八女学院3年)に対するディフェンスで素晴らしい仕事をしていた。

「高校時代は留学生とマッチアップしたことがなかったですけど、今年は練習でムスタファとマッチアップしてきたことで対応の仕方を覚えました」

こう語った久朗津を含め、入野コーチはフロントラインでプレーする選手たちが留学生でも押し込まれない身体をできていることに自信を持っている。9月6日の次戦は、日本の大学バスケットボール界で最も強靭な身体を持つモンガ・バンザ・ジョエル(別府溝辺学園4年)を擁する白鴎大。東海大が4連勝を目指す上で、久朗津の奮闘が白鴎大の牙城を崩すカギになる。

早稲田大・堀田尚秀、リーグ最多3Pで存在感 神奈川大戦も勝利に貢献

8月27日の開幕戦で白鴎大を倒して勢いに乗っている早稲田大は、3日の神奈川大戦も86対59で勝利。ラン&ガン・オフェンスでハイスコアの展開に持ち込むスタイルで、1Qだけで31点を奪って18点のリードを築いた。2Qから3Q序盤にかけて失速し、一時は3点差まで詰め寄られた。しかし、リバウンドを奪ってから速攻を重ね、28ー0のランで一気に突き放した。

堀陽稀(東山4年)が20点、10リバウンド、キャプテンの岩屋頼(洛南4年)が18点、10リバウンドのダブルダブルを達成。開幕から好調の堀田尚秀(東山4年)は、3Pショットが3/10と確率を落としたものの、13点と勝利に貢献した。

「今シーズンやってきたバスケットができた試合は結構多くて、1部も結構混戦になっている中で3勝1敗と勝ち越しているのは、チームとしてもいい雰囲気かなと思います」

神奈川大戦後にこう語った堀田は、早稲田大がラン&ガン・オフェンスでハイスコアの展開に持ち込むスタイルの恩恵を最大限に受けている。岩屋、三浦下山瑛司(中部大第一3年)、松本秦(洛南1年)は、いずれも得点機会をクリエイトできる選手。堀田自身もオフボールで走り続けることで、オープンになることが増えている。

「チームとしてもどんな場面でも思い切り(3Pを)打っていいというやり方なので、自分としてはすごくやりやすいです。チャンスがあれば常に狙っていこうという姿勢でやっています」

堀田はこう話す。31日の日本体育大戦での6本を最高に、4試合で18本の3P成功がオータムリーグ最多の数字だ。

神奈川大戦で3本しか決められなかったことに堀田は納得していない。しかし、オープンで打てる機会が多いことには前向きだ。早稲田大は今週末、大東文化大、東海大という留学生を擁するチームと対戦する。両校ともフィジカルなディフェンスを武器とするが、早稲田大がアグレッシブに攻め続けてハイスコアの展開に持ち込めるかが、勝利の鍵を握りそうだ。

 

青山学院大、ベンチ陣が躍動 専修大に快勝し、今季初勝利

開幕から3連敗同士の対戦は、青山学院大専修大に75対58で勝利。竹田謙コーチにとっては1部の指揮官として初勝利であり、「片目が開きました。(選手たちが)1部の試合に少し慣れてきました」と振り返った。

U23代表の広瀬洸生(福岡大附属大濠3年)が15点とオフェンスを牽引。ベンチから出てきたオドゲレル・トルガ(桐光学園4年)も14点、上野山波空(光泉3年)が4本の3Pショット成功の12点とステップアップ。ベンチスコアリングで専修大を30対14と大きく上回った。北條彪之介(美濃加茂2年)が12リバウンドを奪うなど、インサイドの攻防で素晴らしい仕事をしたことも、青山学院大の勝因だった。

週末の対戦相手は日本大と白鴎大。北條らビッグマン陣が留学生相手に粘れるか、広瀬と新井翔太が勝負どころで得点できるか。青山学院大の浮上を占う試金石となる。

文:青木 崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
バスケット ボールを応援しよう!

バスケット ボールの放送・配信ページへ