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バスケット ボール コラム 2025年8月13日

【日本学生選抜】国内とは違うフィジカル強さをデラサール大で体感

バスケットボールレポート by 青木 崇
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昨年に続いてWORLD UNIVERSITY BASKETBALL SERIES(WUBS)に出場する機会を得た日本学生選抜は、1~2年生の下級生たちでメンバーを構成した。その理由は、7月に台北で行われたウィリアム・ジョーンズカップに出場した佐藤涼成(白鴎大)らの上級生たちが、U23代表のメンバーとしてカナダで行われる「GLOBL JAM 2025 Canada Toronto」に出場するからである。

日本学生選抜を率いた西尾吉弘コーチ(大東文化大)は、メンバー構成についてこう説明した。

「1、2年生の中で次につながる、アンダーカテゴリーの代表に入っているメンバーだったり、児玉ジュニアみたいに新人インカレで目立ったことを含めてチャンスを与えて、これを機に李相佰、B代表、A代表につながっていくことを意識したメンバーをピックアップしています」

初戦の香港大戦を98対31で快勝した日本学生選抜は、準決勝で昨年の優勝校であるフィリピンのデ・ラサール大と対戦した。センターの近怜大成(大東文化大)が1Q序盤で2つというファウルトラブルに陥りながらも、201cmのマイケル・フィリップスを軸にしたデ・ラサール大のフロントラインになんとか対抗。17対19の僅差で2Qを迎えることができた。

 

ところが、2Q開始からの約6分間でわずか3点とオフェンスが停滞。ともに身長178cmのガード、ジェイコブ・コルテスとキーン・マクラーンが幅のある体とフィジカルの強さを武器に、アグレッシブにアタックし続けたことは、日本学生選抜のディフェンス対応が後手後手になる要因になった。

フィリップスやフィリピン代表経験のあるメイスン・エイモス(201cm)がプレーしていることなり、日本学生選抜のインサイドに対するディフェンスの意識がより強くなるのは仕方ないところ。しかし、コルテスとマクラーンを軸にしたガード陣だけでなく、スモールフォワードもフィジカルが強かった。日本学生選抜が75対88で敗れて決勝に進めなかったのは、2Qで7対22と攻防両面で試合を支配されてしまったことに尽きる。

西尾ヘッドコーチはデ・ラサール大を次のように振り返った。

「選手たちがフィジカルの強い相手だとわかっていたので、(試合の最初から)強く入って我慢強く戦うことができていました。(2Qに相手がギアを上げた)ということと、フルコートでプレッシャーをかけられなかった。ペイントの勝負、リバウンドの勝負に負けて後手後手になってしまったですね。(フィリップと)ビッグマンたちがマッチアップできた経験は大きかったと思います。彼が出ている時間帯は正直なところ苦しかった。国際ゲームになってくると、あのような選手と戦っていかなければならないので、すごくいい経験になっていると思います」

U16とU18代表としてアジアカップを経験した高田将吾(筑波大)は、デ・ラサール大の選手たちが持っているフィジカルを今まで体感したことがなかったという。U17とU19のFIBAワールドカップに出場したことがある小川瑛次郎(白鴎大)でも、デ・ラサール大のガード陣はパワーを前面に出してくる点で今までにない経験だった。白鴎大のチームメイトである佐藤涼成のように、フィジカルの強いガードとマッチアップした印象をこう語っている。

「(白鴎大には)涼成さんみたいな選手がいますけど、また違ったタイプがラサール大にはいて、体格とかは同じような感じですけど、それぞれの良さが違っていました。彼らを倒すというのは難しかったですけど、自分の経験としてはすごくいいものだったと思います」

日本学生選抜は3位決定戦で日本体育大に敗れ、最終順位が4位で大会を終えた。選手たちは各大学に戻りリーグ戦へと臨むが、今回のWUBSで得た国際試合での経験は、今後の代表活動や大学バスケットボールの舞台で確実に生きるはずだ。

文:青木 崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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