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バスケット ボール コラム 2024年12月28日

【京都精華学園】ベンチから出てきた選手たちのステップアップによって、U18トップリーグで負けた慶誠に雪辱しての3連覇を達成 | 高校バスケ ウインターカップ2024

ウインターカップコラム by 青木 崇
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抱き合って喜ぶ京都精華の選手たち

慶誠に雪辱しての3連覇を達成

インターハイ、U18トップリーグで頂点に立っていた京都精華学園だが、公式戦で唯一の黒星はウインターカップ決勝の対戦相手となる慶誠。ファイナルスコアは61対69だったが、最大で27点差をつけられるなど、完敗と言っていい内容だった。

フィジカルが強いロー・ジョバをいかにスローダウンさせるかが、京都精華学園にとって試合に勝つために欠かせない要素だった。1Q序盤、ユサフ・ボランレ・アイシャットが2本のジャンプショットを決めるなど、ジョバに対して攻める姿勢を見せる。ユサフの控えであるンガルラ・ムクナ・リヤもドライブからフィニッシュし、ディフェンスでもブロックショットで止めるなど、ジョバが持ち味を発揮させない点でいい仕事をしていた。

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慶誠にとって誤算だったのは、ジョバが前半で2つ、3Q2分47秒で4つというファウルトラブルに陥り、7点を追う4Q3分58秒で5つ目を吹かれてしまう。31分20秒間で16点、15リバウンドのダブルダブルを記録したものの、2Pが14分の4、3Pが9分の1とショットが決まらなかった。

ジョバのファウルトラブルで試合を優位に進められるかと思われた京都精華学園だったが、慶誠のディフェンスも強固でなかなかショットが決まらない。2Q2分17秒に蔵満莉緒にドライブからフィニッシュされて29対30とリードを奪われた後、京都精華学園の山本綱吉コーチは2Q2分6秒から全員ベンチから出てくる選手を思い切って起用。ンガルラと石井日菜のドライブ、満生小珀のジャンプショットの6連続得点で、35対30と逆転して前半を終えることができた。山本コーチはあの局面を次のように振り返る。

「チームでいつも言っているのは、3年生が今年で終わるのですが、先輩というのは後輩を育て切って卒業して初めて先輩だと言い続けています。ですから、1年生であれ、2年生であれ、練習の中ではなく、公式戦で育て上げていくことをやってきました」

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【ハイライト】京都精華学園高等学校(京都) vs. 慶誠高等学校(熊本)|高校バスケ ウインターカップ2024 女子決勝 メインコート(12月28日)

下級生のステップアップが起爆剤となったのか、3Q序盤で林咲良の3Pと桃井のジャンプショットでリードを2ケタに広げることに成功。その後12−2という慶誠のチャージで44対45と逆転されても、橋本と桃井の連続レイアップですぐに再逆転し、4Q序盤には林がドライブとフローターを決めるなど、10連続得点で再び引き離した。林はベンチの頑張りについてこう語る。

「ベンチメンバーが出た時はすごい流れを変えてくれるような点を取ってくれたり、ディフェンスで踏ん張ったりしてくれました。自分たち(の代)は今年スタートがガラッと変わった時、何をしたらいいかが最初あまりわからない、自分たちの軸がわからなかったんです。インターハイの時にやっぱり自分たちは全員で、ベンチメンバーを含めて戦うチームというのに気付いて、そこからベンチメンバーが出てきた時にしっかり流れを変えてくれるプレーをしてくれました。自分たち(スターター)が苦しい時にやってくれましたし、後半もそれに負けていられない、ディフェンスをしっかり頑張ろうという気持で後半を迎えました」

集合写真

京都精華学園

ジョバがファウルアウトになった後の3分間、慶誠は笠とヘンリーのレイアップ、澤田の3Pショットで2点差まで詰め寄った。しかし、大舞台の経験が豊富な京都精華学園は、決して冷静さを失わない。残り51.5秒のタイムアウト後、京都精華学園は橋本の3Pショットが外れた後、ユサフがバランスを崩しながらもオフェンシブ・リバウンドを確保。そのセカンド・チャンスで林が左ウイングにいた坂口美果にパス。ショットクロックが0になる寸前、残り18秒に放たれた3Pショットはブザービーターとなり、最後まで粘り強い戦いを見せた慶誠を振り切り、3連覇を成し遂げた。

ここまで京都精華学園を牽引してきたユサフは10点に限定されたものの、ンガルラがチーム最多となる15点を奪った。ビッグショットを決めた坂口も7点を記録するなど、ベンチから出てきた選手が59点中29点ということでも、過去2年以上にチーム力で手にした優勝と言えよう。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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