人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

バスケット ボール コラム 2024年12月27日

【東山】初の日本一となったインターハイ同様、ビッグゲームで勝利につながるプレーを見せたシックススマンの小野寺 | 高校バスケ ウインターカップ2024

ウインターカップコラム by 青木 崇
  • Line
小野寺星夢

小野寺星夢

今からちょうど1年前、東山は福岡第一に土壇場で逆転されての準々決勝敗退。藤枝明誠戦で同じ思いは2度としたくないというエースの瀬川琉久は、少しでもスペースがあれば積極的にショットを打ち続けた。

東山は元々ピック&ロールを軸にオフェンスを展開するが、藤枝明誠はボヌ・ロードプリンス・チノンソがペイント内で待ち構えるドロップでディフェンスするため、瀬川にマッチアップする選手がスクリーンをかけるカンダ・マビカ・サロモンの下を通るアンダーでの対応を強いられる。

J SPORTS オンデマンド番組情報

その結果、瀬川は3Pショットの試投数が20本、佐藤凪も14本を数えた。ロードプリンスの高さになかなかペイント内でフィニッシュできなかった東山は、2Pの成功率が29.8%と低調。一方の藤枝明誠はボールと選手が活発に動くオフェンスを展開し、ロードプリンスの24点を最高に4人が2ケタ得点、アシストも東山の4本に対して16本を記録していた。

4Q6分6秒にこの試合最大となる13点のリードを奪われた東山は、瀬川の3P2本とオフェンシブ・リバウンドからファウルをもらってのフリースローで反撃を開始。大澤徹也コーチが「瀬川がボールを持ってやるという意識ができたので、チームとして一つにまとまった感じですね」と語ったように、得点面でチームを牽引していた瀬川をチームメイトたちがしっかりサポートしていた。そのサポート役と言われる選手の中でも、インターハイ決勝の美濃加茂戦で15点を記録するなど、3年生になってからビッグゲームで活躍する機会が増加したシックススマンの小野寺星夢が、4Qの大事な時間でステップアップする。

藤枝明誠戦は3Qまで2点だったが、4Q3分12秒にピック&ロールのドライブからストップしてのジャンプショットを決めると、2点差となった2分22秒にはゾーンプレスから藤枝明誠のパスをスティール。瀬川がアグレッシブに攻め続ける姿勢を間近で見ていた小野寺は、「琉久が攻めると止めにくるので、そういったところで絶対にパスが来るから、そうなった時に絶対ビビらずに強い気持でやろうと思っていました」と振り返る。

無料動画

【ハイライト】東山高等学校(京都) vs. 藤枝明誠高等学校(静岡)|高校バスケ ウインターカップ2024 男子準々決勝 メインコート(12月27日)

大澤コーチは「(3年生として勝利に対する)思いの部分がディフェンスでもオフェンスでも違ったので、今日は(1年生の中村)颯斗を休ませて小野寺に託した」という言葉を残したが、80対80の同点で迎えた残り27秒、小野寺はディフェンスで痛恨のミスをしてしまう。ベースラインからのインバウンズ・プレーで金子をノーマークにさせて勝ち越しのレイアップを許しただけでなく、ファウルの笛を吹かれてしまったのである。

東山にとって幸運だったのは、金子のフリースローが外れて3Pプレーにならなかったこと。残り14秒で瀬川がフリースロー1本目をミスしたため同点に追いつけなかったが、ファウルゲームを使って残り11.1秒で時間を止めた東山は、藤枝明誠の篠原が2本とも外したことで東山にラストチャンスがやってくる。

サロモンがリバウンドを奪った後にボールをもらった瀬川は、ハーフライン付近でバランスを崩してしまい、ターンオーバーなるかと思われた。幸運にも瀬川の手から離れたボールは、左サイドを走っていた小野寺がキャッチし、ドライブで仕掛けたタイミングでファウルされたのである。

残り時間は3.9秒。東京体育館が静まり返る中、「焦ってしまったら絶対に外してしまうので、そこは平常心で、自分が今まで悔しい思いをしてきたので、その思いを心に込めて打ち切れたのでよかったです」という小野寺はフリースローを2本とも着実に決め、土壇場での逆転勝利に貢献した。

小野寺が口にした悔しい思いとは、1、2年生の時にベンチ外となるなど、なかなか試合に出られない時期が続いたこと。昨年のウインターカップで出場できる選手として登録されるも、福岡第一に負けた昨年の準々決勝は、ベンチで逆転負けを見届けるしかなかった。

しかし、3年生となった今年は、非凡なシュート力とピック&ロールで起点になれるなど、東山に欠かせない重要な戦力となった小野寺。ウインターカップでは3Pショットが12分の2と波に乗れていないが、藤枝明誠戦での決勝点となるフリースローを決めたことをきっかけに、福岡大附属大濠との準決勝では瀬川や佐藤をサポートするだけでなく、シューターとして活躍できるかに注目だ。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
バスケット ボールを応援しよう!

バスケット ボールの放送・配信ページへ