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【京都両洋】トップリーグに続いて昭和学院に惜敗も、40分間笑顔を絶やさずバスケットボールを楽しんだ岡田 | 高校バスケ ウインターカップ2024
ウインターカップコラム by 青木 崇岡田彩葉/京都両洋
ウインターカップという大舞台であっても、京都両洋の岡田彩葉はバスケットボールを楽しむことを体現。ミスが起きてもフラストレーションを前面に出すのではなく、しばしば笑顔を見せるなど、ポジティブなエナジーをチームにもたらしていた。吉田聡コーチは岡田の存在をこう語る。
「なかなか出会えない選手で、バスケットの捉え方だったり、これはいい表現ではないかもしれませんが、今時の子じゃないですね。強気ですし、伝えなければならないことを言葉で伝えられますし、厳しいことを伝えた後にきちんと個別にフォローできたりということで、今時珍しい子が来てくれたと思いますし、また新しい世界を見せてくれました」
筆者は愛知県弥富市立弥富北中時代に岡田のプレーを見る機会があり、現在星城高を率いる鷲野鋭久コーチから「すごくおもしろい子」と紹介してもらったことがある。ポイントガードとしてコーチのように指示を出し続けるなど、バスケットボールIQの高さと視野の広さが岡田の持ち味。そのような選手となれた最大の理由は、バスケットボールをプレーするだけでなく、時間が許す限りNBAなど様々な試合の映像を見て研究するのが大好きだったからだ。岡田は中学卒業後明星学園に入学したが、諸事情によって1年で京都両洋に転校。アンダーカテゴリーのキャンプで一緒にプレーした木谷夢菜と相性がよかったことが、京都両洋に決めた理由だった。
京都府には京都精華学園という絶対的な強さを誇るチームが存在する。しかし、岡田のゲームメイクからヴィクトリア・ウビ・オコイがフィジカルの強さを活かしてインサイドで得点する形を強みに、京都両洋は昨年のウインターカップでは3回戦に進出。岡田と木谷が最上級生となった今年は、インターハイに出場する機会を逃したものの、U18トップリーグに参加して強豪校のレベルを体感する機会を得た。
鳥取城北に勝利して迎えたウインターカップの2回戦の相手は、U18トップリーグで66対69で惜敗していた昭和学院。岡田は試合のテンポをコントロールしながら、絶妙なタイミングでオコイの得点につながるパスを供給しようと心がけた。オコイは29点、15リバウンドのダブルダブルを記録したが、昭和学院もタフなディフェンスで対応。それは、岡田と木谷が6本ずつを記録するなど、ターンオーバーが26本まで増えたことでも明らかだった。
昭和学院が前半で18−2、京都両洋が2Qから3Qにかけて19−0というチャージを見せるなど、試合は流れが行き来する展開で終盤に突入。4Q3分16秒に京都両洋は木谷の3Pショットで62対63の1点差まで詰め寄る粘りを見せるも、ここから2分59秒間無得点に終わったのが痛手となり、4点差の惜敗となった。
「もう勝つしかないと思っていたんですけど、やっぱりこっちのシュートが入り切らなかったなと思います、最後まで。打つシュートとか自分たちのバスケットをある程度できていたから、1回10点開いた時も、我慢してもう1回もう1回と言いながら、自分たちの強みを出せたかなと思うんです。でも、最後まで自分たちが大事にしているスリーのタイミングのシュートとか、ゴール下がポロポロと落ちたかな。それは昭和学院さんが最後のシュート力が全然違う、決定力があったなと思います」
試合をこう振り返った岡田は、40分間ハードにプレーし続け、4点、8リバウンド、5アシストというスタッツで高校のキャリアを終了。試合終了後は涙を見せることもなく、サバサバとして表情でチームメイトたちとハイファイブをしていた。昨年経験した3回戦進出を果たすことはできなかったが、東京体育館で再びプレーできたことに岡田は「本当にうれしいですし、やり切ったなと思います。悔いはないです。楽しくやって負けたら仕方ない」と話すなど、悔しい負けの後の取材でも笑顔を見せていたのが非常に印象的だった。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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