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バスケット ボール コラム 2023年12月28日

【京都精華学園高等学校】トップリーグの敗戦後に指揮官の覚悟に応えた選手たちによって三冠達成 | 高校バスケ ウインターカップ2023

ウインターカップコラム by 青木 崇
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京都精華学園高等学校

京都精華学園高等学校

インターハイ2回戦、U18トップリーグに続き、京都精華学園と岐阜女子はウインターカップ決勝が3度目の対戦。延長での決着となった過去の2試合同様、土壇場まで勝負の行方がわからない激戦となる。

試合の主導権を先に握ったのは京都精華学園。ディマロ ジェシカはペイント内で絶妙なポジション取り、堀内桜花と八木悠香がパスをしっかり供給する形が機能する。岐阜女子がディマロへのマークを厳しくしても、橋本芽依がオープンの3Pショットを決めて2Q中盤でリードを2ケタに乗せていた。

3Qディマロのインサイド、堀内と八木のドライブからのレイアップで得点を重ねるなど、京都精華学園は自分たちのオフェンスを遂行。5分38秒に桃井優が3Pを決めると、リードはこの試合で最大得点差となる16点まで広がった。

しかし、桜花学園との準々決勝で4Qでの21点差逆転した岐阜女子は、ここから猛反撃を開始。マンツーマンとゾーンディフェンスを使い分け始めた相手に対し、京都精華学園はターンオーバーが増えるなど完全にオフェンスのリズムを失ってしまう。さらに、桜花学園戦で大爆発した絈野夏海の3Pショットに火がつき、3分49秒に決めたのをきっかけに3Q終了までに4本成功。京都精華学園のリードは2点まで縮まっていた。

4Q6分56秒に絈野がこの試合7本目の3Pショットを決めて1点差となった直後、京都精華学園を救ったのは堀内だった。6分43秒にクイックネスを生かして3Pプレーとなるドライブ、4分45秒にもジャンプショットを決めるなど、岐阜女子の前に大きく立ちはだかる。

岐阜女子はジュフ ハディジャトゥがボールハンドラーにプレッシャーをかけるディフェンスで対応して成功する時間帯を作ったが、堀内はクイックネスを生かして抜き去ると、1分42秒にディマロが決めたレイアップをアシスト。1分8秒にも堀内は八木のレイアップをアシストし、京都精華学園は62対56と2回のオフェンスを必要する点差まで広げた。

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【ハイライト】京都精華学園(京都) vs. 岐阜女子(岐阜)|高校バスケ ウインターカップ2023 女子決勝 メインコート(12月28日)

「流れがどっちに行くか最後の最後までわからないということでした。安江先生はベテランですので、狸と狐の化かし合いという言葉は本当に失礼かもしれませんが、駆け引きがものすごく大変でした」とは、試合後の山本綱義コーチ。絈野への対応に少し時間がかかったが、スクリーンでズレができて3Pを打たれたとしても、スクリーンでズレができてショットを打たれても、ディマロが長い腕を出すことで決めさせないというディフェンスの頑張りも大きな意味があった。4Q中盤から岐阜女子を4分以上無得点に抑えた京都精華学園は63対59で競り勝て2連覇を達成。インターハイ、U18トップリーグを含めた三冠を成し遂げた。

三冠まで達成までの道のりは決して平坦でなかった。精神的な部分で厳しい山本コーチは、U18トップリーグで大阪薫英女学院に敗れた後、ミーティングで自身の進退を口にするくらいの覚悟を選手たちに伝える。浜松開誠館との初戦後も、自分たちのプレーができていないと感じた山本コーチは、「心技体っていうことをよく言うんですが、心の部分、この根っこ部分がしっかりとしなきゃ駄目」ということを改めて強調した。

堀内桜花(京都精華学園高等学校)

堀内桜花(京都精華学園高等学校)

選手たちはコーチの指摘を素直に受け止め、試合を重ねるごとに京都精華学園はプレーの質を上げていった。10月の負けを経験したことについて、キャプテンの堀内は次のように振り返った。

「そこで自分たちの甘さだったり、そういうところをあまりわかっていなかったと思います。そこで校長先生(山本コーチ)が心の話をしてくださったので、試合を重ねるごとにチームとして本当に覚悟を持って試合に臨むという一人一人の気持ちの変化があったと思います」

中学1年の時から6年間堀内とコンビを組んできた八木も、「インターハイでは1位でしたけど、そこで自分たちの思い上がっている部分などをその負けで気付けたと思います」と語る。

絈野の爆発によって岐阜女子の猛追を受けながらも、最後まで逆転を許さずに逃げ切ってのウィンターカップ2連覇と今年の三冠達成は、京都精華学園の選手たちが質の高いプレーと強いメンタルの両方を発揮した結果と言えるものだった。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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