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【藤枝明誠高等学校】悲願のウインターカップ制覇を成し遂げるために欠かせないロードプリンスの心技両面での成長 | 高校バスケ ウインターカップ2023
ウインターカップコラム by 青木 崇仲間に指示を送る藤枝明誠 99番 ボヌ ロードプリンス チノンソ
昨年のウインターカップでは、準々決勝で福岡大学附属大濠の2連覇を阻止したが、準決勝で優勝した開志国際に76対78で惜敗した藤枝明誠。得点源の赤間賢人とペイント内で強烈な存在感を示すボヌ ロードプリンス チノンソが残った今年のチームは、優勝する可能性を秘めていると言っていい。
京都第3代表の鳥羽相手の1回戦は、コートの感覚や雰囲気に慣れるまで少し時間を要したものの、100対64のスコアで勝利。赤間はアグレッシブにアタックし続けた結果、25分33秒間で25点を奪った。また、ディフェンスの要となる209cmのロードプリンスは、得点に絡む機会が少なかったものの、24分22秒間で11点、26リバウンドのダブルダブルで勝利に貢献した。
「コンディションに問題はないです」と金本廉コーチが話したロードプリンスは、肩を脱臼したことが原因でU18トップリーグの大半を欠場。脱臼が癖にならないように気を遣いながら、ウインターカップでは試合を重ねることでゲーム感覚を取り戻そうとしている。
「肩の問題で僕は多くの悪影響に直面し、痛みも少しある。でも、チームのためにトライするだけだ。僕がプレーしなければチームは負けるから、うまく付き合いながら戦うしかない」
自身の状態をこう語るロードプリンスは、2年生になったことで少しずつメンタル面でも成長している。コート上ではプレー後に感情を表に出すことも多いが、それはロードプリンス自身とチームメイトのモチベーションをさらに高めるツールなのだ。金本コーチはロードプリンスと1対1でのコミュニケーションを大事にしてきたことで、「少しお兄さんになったというか、成長してきたかな」という印象を持つようになったそうだ。もちろん、ロードプリンスも異国の地でプレーすることの難しさ、言葉の壁があることを理解しつつ、日々の練習や試合に臨むようになってきている。
「日本語でのコミュニケーションは難しいけど、その一方で少しは聞きとれている。僕がどう話しても、怒鳴ったり怒ったりしているとみんなが感じるかもしれない。しかし、僕は怒鳴ったり怒ったりしているのではなく、みんなにいいプレーしてほしいだけなんだ。僕には自分の心と信念があるんだ。藤枝明誠に来て負けるわけにはいかない。僕にはファイティングスピリットがある。だから、チームメイトには同じスピリットで戦ってほしいんだ。そうすれば、チームメイトも理解してくれる。このチームは良くなっている」
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【ハイライト】府立鳥羽(京都) vs. 藤枝明誠(静岡)|高校バスケ ウインターカップ2023 男子1回戦 Cコート(12月23日)
藤枝明誠のチームメイトとの関係性、強みについて質問すると、ロードプリンスは確信を持ってこう答えた。
「私はひとりひとりを知っていると信じているし、チームメイトたちが何をできるかもわかっている。だから、局面局面で僕は彼らを助けなければならないし、私のスクリーンを必要とするときをわかっている。僕もショットを打たなければならないけど、彼らが必要としていることは理解している。ショットを打ちたがらないようなときでも、僕は彼らにショットを打つように言うんだ」
特に昨年からスターターとして一緒にプレーしている赤間とは、既に良好なケミストリーが構築されている。コート上での2人は、あまり言葉を使わずにプレーしているという。
「彼とは試合であまり話さないけど、アイコンタクトは大丈夫だ。彼がいつ(プレーを)コールし、目で僕にスクリーンを求めているのがわかる。彼がショットを打つことを望めば、彼は私を見るし、僕は彼の考えを理解できる。だからアイコンタクトは、相手に何を考えているのかを悟られないようにするためにすごく重要なんだ」
藤枝明誠にとって最高の功績となるウインターカップ制覇に向け、鳥羽戦は上々のスタートを切った。ロードプリンスは2年生となった今年が最高のチャンスだと捉えている。
「昨年は準決勝まで進んだけど、あの負けを繰り返したくない。勝つためにここにやってきた。それが僕たちのマインドセットだ。強みとエナジー、すべてを出し切って戦わなければならないんだ」
文:青木 崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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