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バスケット ボール コラム 2023年12月23日

【県立下妻第一高等学校】インターハイベスト16の1年生軍団を撃破した3年生たちの意地とプライド | 高校バスケ ウインターカップ2023

ウインターカップコラム by 青木 崇
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下妻第一 清水瑠奈

下妻第一 清水瑠奈(写真左)

「注目されているスーパー1年生たちだったので、我々のほうがチャレンジャーという思いがありました」

下妻第一の木村幸司コーチは、創部1年目でメンバー全員が1年生ながらインターハイでベスト16に進出した日本航空北海道との対戦をこう捉えていた。U15ドイツ代表歴のある庵原有紗、留学生のファトゥマタ カマラは、日本航空北海道の中心選手であると同時に、来年以降の高校バスケットボール界で注目を集めそうな選手である。

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そんなタレントを擁する1年生軍団相手に、下妻第一は序盤こそ硬さが見られ、試合開始から4分以上ショットが1本も決まらなかった。しかし、そんな流れを変えたのはキャプテンの清水瑠奈だった。「恐らく大負けすることはないだろう。得点にしてもスタッツ的にもイーブンではやってくれるだろう」と木村コーチが語った以上に、清水は庵原とのマッチアップで優位に立っていた。それはクイックネスで上回れることを試合序盤で把握し、ドライブで積極的にゴールへアタックしてフィニッシュできていたからだ。

「相手は1年生で、まだ高校入って未熟な部分もたくさんあると思う。私たちは3年生で経験の部分で勝っている。そういう自信を持って戦いました」と振り返った清水は、3Q終了間際にハーフラインの後ろから放った長い3Pショットを成功。これで勢いに乗った下妻第一は、4Q序盤での12点リードを奪う。日本航空北海道の反撃で1点差まで詰め寄られた時間もあったが、残り36秒に清水が決めた3Pプレーとなるレイアップは、勝利を決定的にするビッグプレーだった。

73対69のスコアで競り勝った下妻第一にとっては、「こんなに取ったことはなかったです」という清水が33点、11リバウンドと攻防両面でチームを牽引したことが大きい。しかし、1年生軍団を相手にした3年生の意地とプライドも忘れてはならない。

6月の関東大会Bブロック決勝、開始からわずか6秒で瑠奈にとって双子の妹である清水瑠莉が右ひざ前十字靭帯損傷という大ケガに見舞われてしまう。“瑠莉と一緒にもう1回コートに立ちたい”という強い思いは、下妻第一に大きな力を与えていた。木村コーチはこう語る。

「6番の清水瑠莉のほうがケガして、今日で復帰と言ったらちょっとオーバーなんですけど、本人とチームのモチベーションがここに出たいということと同じか、それ以上に(みんなで)一緒にもう1回コートに立ちたいっていう思いがあった」

ケガから6か月後のウインターカップで試合に戻った瑠莉だが、医師からは“3分くらいずつならOK”と出場時間を限定しなければならなかった。16分46秒間であったが、4点、4リバウンド、1アシストという数字以上の力をチームにもたらしたのは間違いない。

それは木村コーチの「瑠莉がいなくなってから瑠奈のプレーエリアが広がって、1人で2人分じゃないすけど、結果的に彼女のパフォーマンスが上がったのかなと思います。13番の滝本(絵里菜:16点)も(ボールを)運んできてやらせると感じだったんですけど、瑠莉がいなくなったことでパフォーマンスが上がったっていうのはすごく感じています」という言葉が、この試合の勝利を象徴していた。

文:青木 崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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