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バスケット ボール コラム 2022年12月26日

【東海大付属福岡】最後までタフに戦い続けた中で手にした残り3.3秒での逆転劇 | ウインターカップ2022

ウインターカップコラム by 青木 崇
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勝利を喜び合う東海大付属福岡の選手たち

勝利を喜び合う東海大付属福岡の選手たち

夏のインターハイで初のベスト4進出を果たした東海大付属福岡だが、大会4連覇を目指す桜花学園との3回戦は劣勢が予想された。しかし、厳しいディフェンスでお互いの強みを消し合うロースコアの展開となった試合は、最大得点差が8点という僅差の攻防に突入すると、最後の最後に衝撃的な結末が待ち構えていた。

2点を追う4Q残り53.1秒、桜花学園は東海大付属福岡のファール・アミナタへのマッチアップで奮闘していた福王伶奈が、田中こころのアタックから合わせてレイアップでフィニッシュ。バスケット・カウントでもらったフリースローもしっかり決め、61対60と逆転に成功する。直後のディフェンスで東海大付属福岡を止めると、残り9.9秒で横山智那美がドライブからフリースローをもらい、着実に2本決めて3点差とした。

インサイドの核であるファールがファウルアウトになった直後、東海大付属福岡の宮崎優介コーチは、フリースロー中に司令塔の伊良部由明にオフェンスの指示を与え、2つ残っていたタイムアウトを取らない判断を下す。理由は次のとおりである。
「ハーフ(コート)からセットすると、相手がしっかりピックアップして強度の高いディフェンスで守ってくると思ったんです。敢えて取らずに流れの中で持っていくということで、フリースローの段階で伊良部に指示を出していました」

インバウンドパスをもらった伊良部は、左ウイングに向かってボールをプッシュすると、左コーナーから動き出した境さくらへハンドオフ。ボールをもらった境が躊躇することなく3Pショットを放つと、ボールはネットに吸い込まれて同点。ショットにコンテストした横山のファウルがコールされてのバスケットカウントで、残り3.3秒で東海大付属福岡は逆転のチャンスを得た。宮崎コーチは境のビッグショットに繋がったプレーをこのように振り返る。

「1試合を通してハンドオフのプレーが少なかったので、チャンスがあるんじゃないかなと思ったんですね。本来ならあそこでタイムアウトはあると思いますが、相手の裏を突くようなプレーをできたんじゃないかと…」

3Pを決めた直後に境は右足首を痛めてフロアに倒れてしまったため、レフェリーは選手交代を指示。境はフリースローを打つ気満々だったが、宮崎コーチは3年生の控えガード、稲次菜々子に大役を任せた。

「絶対に決めてやるという気持ちでしたけど、練習中からシュートタッチがすごく柔らかく打って入っていたので、そこに気を配りながら打ちました」と振り返った稲次は、フリースローを見事なスウィッシュで成功。決勝点となるフリースローを入れただけでなく、ベンチから出てきて2Qに2本の3Pを決めたことも、この試合においては大きな意味があった。

「夏のところではこんな感じでなかなか使うことができていなかったんですけど、インターハイを終えてから私が信頼できる選手へと成長してくれたのが大きかったです」と宮崎コーチが話したように、稲次はチームは大きな自信と活力をもたらした。

桜花学園はタイムアウトをコールし、ラストチャンスで逆転のショットを狙いに行くも、横山のショットが外れて試合終了。リードチェンジ15回という壮絶な戦いを劇的な幕切れで制した東海大付属福岡は、ウインターカップでチーム史上初となるベスト8進出を果たした。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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