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【羽黒:小川瑛次郎】U17ワールドカップで戦った経験で手にした3Pショットへの自信 | ウインターカップ2022
ウインターカップコラム by 青木 崇10番 小川瑛次郎(羽黒高等学校)
多彩なスキルを駆使し、46点と大爆発した四日市メリノール学院の塚松奎太に対し、羽黒はディフェンスで止める術をなかなか見出せずにいた。しかし、齋藤仁コーチが「ディフェンス専門職の子」と話す岩舘飛吾の密着マークによって、少しずつ塚松をスローダウンさせることに成功。72対72の同点で迎えた4Q残り5.6秒、塚松は決めれば勝ち越しという場面でフリースローを2本とも落としてしまう。
3Q中盤まで10点のリードを奪われる苦戦を強いられていた羽黒だったが、4Q残り47秒に同点となる3Pを決めるなど、3年生の加藤律輝はチームを牽引。28点、14リバウンドのダブルダブルという活躍を見せたものの、延長で勝負を決めるビッグプレーを決めたのは、U17代表でワールドカップを経験した2年生の小川瑛次郎だった。
「3Qと4Qは加藤がなんとかゲームをつないでくれたので、延長では“小川、お前だよ”という話をして送り出しました。3Qで少し楽をしていたところもあったので、延長ではしっかり仕事をしてくれました」
齋藤コーチがこう語ったように、小川は4分27秒にドライブからファウルをもらい、フリースローを着実に2本とも成功させると、指揮官の期待に応えてさらにギアを上げていく。次のオフェンスでは三浦のパスを左ウイングでもらうと、フェイクでディフェンスを交わしてからの3P成功。ディフェンスで再び四日市メリノール学院を止めた後の局面では、右ウイングでの1対1から3Pを決め、3分37秒で羽黒が80対73とリードを広げる原動力になった。
「延長は自分がやらなければと思ったので、それが連続得点につながったと思います。(フリースローで)得点を入れることができたので、自分の中でリズムを掴めたというか、“自信を持って点を取るぞ”という風な思いはありました」と振り返った小川は、四日市メリノール学院の塚松が同じ2年生ということあり、負けたくないという思いも強かった。
6月のU16アジア選手権と7月のU17ワールドカップに日本代表として出場したことは、小川の成長を加速させた。「シュートは全然世界に通用すると思わなかったんですけど、実際に行ってみて通用する場面があったので、そこは自信になりました」と語ったように、U17ワールドカップでは3Pショットが31本中18本成功。58.1%の成功率は大会No.1だったことからすれば、延長で2本の3Pを決めて勝利に大きく貢献したとしても驚くべきではない。
中学時代はセンターだったが、羽黒に入学してから少しずつフォワードとしてプレーすることが増えた小川。アンダーカテゴリー代表ではスイングマンとしてのスキルを身につけ、シューターとして国際試合で飛躍した。齋藤コーチが「すべてのポジションをやらせたい」と語っていることからも、小川はオールラウンダーとしてさらなる成長が期待できる選手。八王子との2回戦は、試合を通じてアグレッシブに攻め続けられるかが、勝敗を左右する要素になりそうだ。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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