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バスケット ボール コラム 2022年12月23日

【山形中央】アグレッシブなディフェンスと五十嵐のビッグプレーが決め手となって逆転勝利 | ウインターカップ2022

ウインターカップコラム by 青木 崇
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五十嵐羽琉(山形中央)

五十嵐羽琉(山形中央)

山形中央の司令塔で、1年生の時から先発で起用されている五十嵐羽琉は、松江商との1Qで3ファウルという事態に直面する。マンツーマンでアグレッシブにディフェンスできなくなった山形中央は、3−2のゾーン・ディフェンスで流れを変えようとした。しかし、松江商がゾーンの上から3Pショットを決めたことあり、3Q中盤で37対57とリードを広げられてしまう。

「自分が(1Qで)3つファウルをしてしまって、ディフェンスもチームとしてハードワークできていなかったんです」

五十嵐がこう振り返るほどの内容であっても、山形中央には追撃する時間が十分に残されていた。ディフェンスはアグレッシブなゾーンプレスで松江商から何度もターンオーバーを誘発させ、そこから簡単なショットやドライブで攻める形で得点を重ねると、4Q残り5分35秒に五十嵐がドライブからフィニッシュしたことで58対62まで詰め寄る。

「昨日は(みんなで)スラムダンクを見てきたけど、ゲームの出だしが全然ダメで、硬くてスラムダンク効果の欠片もなかった。展開的に“スラムダンクみたいになってきたぞ”と言ったら、すごく豹変してくれた感じで、見ていてよかったです」と茂木卓矢コーチが振り返ったように、猛追で自信を掴んだ山形中央は、3分45秒に菅井美聡が3Pプレーとなるレイアップを決めて64対64の同点に追いつく。一度松江商に勝ち越されたものの、厳しいマークにあいながらも攻め続けた五十嵐が、右ウイングから3Pを決めて67対66と逆転に成功する。

「最後の3ポイントはそうですね。シューティングはフォームも固まっていい感じになってきていたので、努力の成果が出たと思います」

茂木コーチがこう語ったように、五十嵐は正にエースと呼ぶに値するビッグショットを決めたのだ。松江商のディフェンスがクローズアウトしていた状態であっても、五十嵐が躊躇することなく打っての3Pを決められたのは、山形中央がチームとして取り組んできたワンハンド・ショットの成果。ディフェンスに目を向ければ、3Q中盤まで松江商の3Pが当たっていたものの、クローズアウトをより厳しく行うことで試投数を減らすことに成功していた。“ワンハンドだと打たれてもツーハンドなら打たれない”とことをしっかり認識してディフェンスをやり続けたことも、逆転劇に繋がった要因と言える。

残り1分を切ったところで下井陽和と菅井のレイアップで引き離した山形中央は、75対69で見事な逆転勝利。過去2度のウインターカップが初戦で負けていたこともあり、五十嵐は「今まで1回戦に勝てず次に進めていなかったので、本当にうれしいし、ホッとしています」と笑顔を見せる。「自分がファウルトラブルになったけど、笛はしっかり鳴っている。自分もしっかりアタックして、相手のファウルを増やせればという思いでやりました」と話したように、ビハインド・ザ・バック・ドリブルを駆使するなど、巧みなハンドリング力を武器に攻め続けたエースは、4Qの勝負どころで10点を稼いだ。

「島村はスコアラーだけど、五十嵐はゲームメイクもできるようになったし、リーダーシップの発揮、常にコートの中で喋れるようになったので、かなり頼もしくなりました。(ファウルトラブルになったけど)頭もいい子なので、しっかりコントロールしてやっていましたね」と茂木コーチが称賛したように、2年前のウインターカップ1回戦で51点を記録した島村きららのような頼れるリーダーへと成長して東京体育館に戻ってきた五十嵐は、山形中央を勝利に導いた。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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