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バスケット ボール コラム 2022年8月23日

全文公開! オータムリーグ出場選手インタビュー:中村拓人(大東文化大学4年 184cm/PG/中部大学第一高校出身)

バスケットボールレポート by 青木 崇
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中村拓人(大東文化大学4年 184cm/PG/中部大学第一高校出身)

中村拓人(大東文化大学4年 184cm/PG/中部大学第一高校出身)

高校時代から非凡な得点センスとアシスト、巧みなボールハンドリングを武器に活躍し、中部大第一高のウインターカップ準優勝に貢献し、U18日本代表として国際試合も経験した中村拓人。バスケットボール人生で大きな影響を与えた兄と同様、大東文化大学に進学。ケガに直面して厳しい時期を過ごしたりもしたが、4年生となった今年は試合をコントロールする司令塔として活躍することを期待されている。
(8月11日取材)

Q 大学生の選手として過ごす最後の夏、どのような感じで進んでいますか?
「つい最近まで合宿をしていました。チームはとてもいい雰囲気で、練習の強度もとても高くやれているので、いい準備ができていると思います」

Q 同級生の高島紳司選手のいいところ、チームにとってどんな存在なのかを話してもらえますか?
「紳司は一緒にプレーしていて、どのタイミングでボールがほしいのかというのは、やっていく中で自分としてはわかりやすいです。スペーシングもコーナーまで走ってくれたりするのもそうですし、パスしたらシュートを決めてくれます。とても頼りになるプレーヤーだなと思いますし、紳司がチームにいることによって、士気というか雰囲気がすごく上がるので、彼の存在はとても大きいと思います」

Q 春のトーナメントにおける自身のパフォーマンスを総括してもらったうえで、その後リーグ戦に向けて特に強化してきたところは?
「春のトーナメントでは、自分の得点能力というところが本当にまだまだだと思いました。決め切れるシュートが何本もあったので、そこを決めていかなかいと…。上で戦っていくには、自分がちゃんと決めきれればチームとしても流れ的にもいいと思います。そこが春のトーナメントでは決め切ることができなかったので、これからのリーグ戦やインカレは、自分がしっかり試合を決められるようなシュートをポイントポイントでしっかり点数にしていくことによって、チームが勝利に大きく近づくと思っています。リーグ戦では、そこを自分の中のテーマとしてやっていきたいと思います」

Q 過去2シーズン、特別指定選手としてレバンガ北海道と広島ドラゴンフライズでプロの世界を経験しました。この経験をどのように活かそうと思っていますか?
「レバンガ北海道も広島ドラゴンフライズのときも、プロ選手としてどうあるべきかを本当に学ばせてもらいました。練習前や試合前の準備の部分だったりというところは、ものすごく学ばせていただくことがありましたので、そこは自分の中でどう練習に入っていくか、試合に持っていくのかというマインドセットのところはものすごく勉強させてもらいました。そこは大学に戻ってもそうですし、これからのキャリアの中でも意識してやっていきたいと思います」

Q 高校時代の自身を振り返ってほしいのですが、中部大第一に進学しようと思ったきっかけや理由を話してもらえますか?
「やはり兄貴(浩陸:ファイティングイーグルス名古屋)の存在がでかいんですけど、中学校のときはそこまで強くなかったんです。同じ地区(の中学校)に富永啓生(ネブラスカ大)や横地聖真(筑波大)がいたので、県大会に出られるようなチームではなかったです。兄貴が中部大第一に進学したことによって、何回か試合について行くことがありましたし、中学校3年生になったときには進学しようと自分の中では決めていました。兄貴の存在が一番大きいと思います」

Q お兄さんはどんな存在ですか?
「(年が)3つ離れていたので高校生の時は入れ違いで一緒にならなかったんですけど、大学を決めるとき、正直自分の中では違うチームで対戦したいなと思ったんです。大東文化に進学して一緒にプレーすることによって、兄貴に負けたくないというのもありますけど、プレー面もそうですし、学ぶことがたくさんあったので、今となってみたら同じ大学に進学して本当によかったと思います」

Q お兄さんは地元に戻るということで、家族は喜んでいるのでは?
「そうですね。大阪にいた時に妹も大阪なので、家族はどちらかといえば大阪に何回か行く感じでした。今、兄貴は名古屋に戻って、親もうれしいんじゃないかなと思います」

Q 中部大第一がウインターカップで初の決勝進出に貢献しましたが高校時代の3年間、自分で印象に残っていることや日々の過ごし方で心掛けてきたことなど、覚えている範囲でたくさん話していただけますか?
「一番残っているのば、自分が3年生のときに地元のインターハイに出られなかったことです。そういうのもあって頑張ろうという風に同級生たちと入学してきたので、そこで自分が出られなかったというのは心残りだったんです。でも、同級生たちが頑張ってくれて、地元のインターハイで決勝まで行けたのは本当に自分もうれしかったですし、同時にウインターカップではそれ以上の結果を残さなければいけないという責任感というのもありました。高校3年の1年間はものすごく濃い1年で、キャプテンも務めさせて頂いた。チームがどういう風にいい方向へ持っていけるかを毎日考えながら練習していたので、自分の中では成長させてもらった1年間だと思います」

Q 福岡第一高に負けた決勝戦は、今の中村選手にとってどんな意味があったと思いますか?
「正直終わった時には悔しかったのもそうですが、自分としてはあのような結果になってしまって情けないと思っていました。そこでもっと上を目指そうと思ったので、あの試合で負けてよかったことは一切ないですけど、あの試合があったからこそ、もっと上を目指そうと思えた決勝戦ではありました」

Q これぞ中部大第一と感じるカルチャーとは?
「とにかく走ることもそうなんですけど、常田(健)監督はこだわりが強い方だったので、練習の一つ一つに徹底するというのが多かったです。高校3年間で徹底するということは、今もそうだと思いますけど、中部大第一の練習も試合もそうですけど、いろいろなところで徹底されているなと思います。そこが中部大第一のカルチャーなのかな…。徹底することやこだわりというのは、それも一つなのかなという風に自分は思います」

Q 常田コーチはどんな人ですか?
「正直高校生の時はやはり怖いというか、厳しい部分もあったんですけど、卒業してみて本当にいろいろなところを見ているなという風に思いました。部員も結構多いので、どうしても一人一人見られないのかなと思うんですけど、練習も私生活もそうですけど、本当によく人を観察する人だなと思います。練習もそうですけど、バスケのプレーの中でも“そこを見ているの?”というところを見ていたりするので、そこはバスケだけじゃなくても、日ごろの私生活の部分からいろいろなところを見ているんだなと思います」

Q 高校時代にはU18アジア選手権に日本代表として出場しました。U19ワールドカップに出られない悔しさと、オーストラリアに負けた後にトーステン・ロイブルコーチが家庭の事情でチームを去るという出来事もありました。中村選手にとってあの代表チームの印象、U18代表として経験したことで今に役立っていることなどを話してもらえますか?
「あのときはワールドカップに出たい気持ちがありましたけど、そこで負けてしまって普通じゃできないことを結構経験させてもらったこととで、自分の中では他の国の選手と対戦できたということでいい経験ができたと思います。そこで経験したこと、フィジカルの部分であったり、ディフェンスの強度というのは、今の大学でも生かされていると思いますし、その経験があったからこそフィジカルなプレーができているのかなと思います」

Q ロイブルコーチの印象は?
「ものすごくコミュニケーションが取れていたのと思います。自分の意見もロイブルコーチと話すことができましたし、バスケットのスタイル的には自分としてやりやすいピック&ロールとかもあったので、やりやすい戦術の中でロイブルコーチは最後交代ということになってしまったのですが、いい関係性というのを持てたと思います」

Q お兄さんの存在を理由に高校卒業後に大東文化大学へ進んだことを話されましたが、いろいろな大学から興味を持たれた中で、大東に決めたその他の理由はありますか? 
「高校3年生のときに練習に何回か西尾(吉弘)さんが来ることがあって、そこで直接話すことができました。話していくうちに西尾さんの考え方だったりというところに自分は学びたいというか、西尾さんの下でプレーしたいと思えましたし、チームを強くしたい、入って勝てるチームにしたいと思いました。西尾さんと直接会って、話せたことが一つ大きな要因だと思います」

Q これまでの3年間、自身のパフォーマンスをどう評価しますか?
「大学に入学した当初はケガをしていて、半年くらいやれていなかったんです。リーグ戦で復帰をして、チームとして優勝できました。そこで少しずつ試合に絡ませていただくことができ、インカレの時には悔しい思いをしましたけど、1年生の時に優勝をさせてもらったので、いい経験をさせてもらいました。2、3年生の時はコロナということもあったんですけど、2年生の時にもケガが続いてしまったので、これまでの3年間を思うと、ケガとうまく付き合っていくいう3年間だったと思います。自分の中ではまだまだやり残したというか、やり切れている部分がないんです。3年間はケガとも付き合いながらやってきたと思っています」

Q 最上級生となった今年、チームへのアプローチで大事にしていることはどんなことですか?
「今のチームはものすごくディフェンスをやるというスタイルで、オフェンスがうまくいかなかったとしても、しっかり守っていけば点差が開かないと思います。そこを今のチームは現段階でディフェンスの強度を高くして、自分たちでアドバンテージを取ろうと話をしています。チーム全体に意識させることは、ものすごく自分の中でも意識して伝えようとしています」

Q 春のトーナメント後、レベルアップの必要性を感じてチームとして力を入れてきたことは、今おっしゃっていたことですか?
「春のトーナメントを終えた後、下級生が新人インカレで優勝しているので、そこをきっかけにディフェンスの強度やリバウンドの部分というのは、ものすごくチームとして意識しています」

Q 夏の強化合宿でチームの成長を感じたところ、リーグ戦やインカレに向けての手応えは、そのようなことになりますか?
「そうですね」

Q 西尾吉弘コーチから今季求められていることとは?
「ゲーム展開の中でコントロールすることもそうですし、自分自身はターンオーバーの数であったり、シュートを大事なところで決め切るというところは、西尾さんから言われている部分です。そこはリーグ戦もそうですし、インカレに向けてもターンオーバーの数とポイントを決め切るというところを意識してやっていかなければと思っています」

Q 選手として絶対的な強みは?
「トランジションの中でうまくレーンを作って、自分でスコアしにいくところは意識している部分だと思います」

Q プレーを参考にするという意味で、映像でよくみる選手はいますか?
「Bリーグだと渋谷のベンドラメ(礼生)選手だったり、NBAでは個人的にデビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)が好きなので、彼のハイライトは結構見ますね」

Q 大学バスケットボールも留学生の出来が勝敗に大きく左右すると思います。バトゥマニ・クリバリとアブドゥレイ・トラオレという大東のチームメイトたちに期待するところは?
「2人にはリバウンドの部分やディフェンスのリムプロテクターとして、彼らがゴール下にいることだけでも脅威だと思います。オフェンスの部分はポストプレーで、チームの中ではそこで点数を取れてきたら落ち着けると思います。彼らにはリバウンドの部分とゴール下のポイントというのが、リーグ戦でもカギになるので、そこに期待したいです」

Q この人にはどうしても負けたくないと意識してしまう選手などはいますか?
「今までは河村(勇輝)がいたので、どうしても負けたくないという気持ちがありましたけど、今だったらどのチームのポイントガードにも本当に負けたくないです。マッチアップする相手だったり、他の大学のポイントガードには絶対に負けたくないです」

Q 他のチームですごく仲のいい選手は?
「東海の松崎(裕樹)、日大の飯尾(文哉)、筑波の笹山(陸)、早稲田の土家(大輝)は仲がいいですね。高校生の時からですね」

Q 日本バスケットボール協会のコーチ講習で、大東文化大がデモンストレーションを行いました。NBAのクリーブランド・キャバリアーズでアシスタントコーチを務めるアントニオ・ラングが特別講師になりました。彼の教えや言葉で印象に残ったことはありますか?
「練習のデモンストレーションでやらせてもらったのですが、その中でもコーチであったり、チームメイトもそうですけど、“しっかり人の話を聞いて遂行しなさい”という風に言われていたので、そこはどのキャリアでやったとしても大事になってくるのかなと思いました」

Q リーグ戦に向けての意気込みをお願いします。
「リーグ戦は26試合あるので、自分たち4年生も含めてだれもこの量をやってきたことがないと思うので、チーム力ということがこれから大事になってくると思います。チームで戦うことを一番意識してやることで、26試合しっかり戦い抜くことができると思います。チームで結束し、もちろん優勝を狙いますが、まずは1試合1試合ディフェンスに重きを置いて、最初からインテンシティをあげてやっていきたいと思います」

Q この24時間でちょっとだけハッピーだったこと、何かありますか?
「新しいバッシュが届いたことです。NIKEのKOBEのやつが届いたので、結構自分的にはうれしかったです」

無料動画

中村拓人(大東文化大学4年 184cm/PG/中部大学第一高校出身)| 第98回関東大学バスケットボールリーグ戦 出場選手インタビュー

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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