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全文公開! オータムリーグ出場選手インタビュー:高島紳司(大東文化大学4年 192cm/SG/北陸高校出身)
バスケットボールレポート by 青木 崇高島紳司(大東文化大学4年 192cm/SG/北陸高校出身)
大阪エヴェッサの特別指定選手としてB1のゲームで勝利に原動力となるなど、得点センスとシュート力を兼ね備えた選手として今後が楽しみな高島紳司。B1での経験によってさらなる自信を手にして迎える大学4年生のシーズンは、同級生の中村拓人とともにチームを牽引することが期待されている。(8月11日取材)
Q 大学生の選手として過ごす最後の夏、どのような感じで進んでいますか?
「この前の合宿から今戻ってきましたが、すごく充実してリーグに向けていい準備ができている夏だと思います」
Q 同級生の中村拓人選手のいいところ、チームにとってどんな存在なのかを話してもらえますか?
「仲がいいし、バスケ以外のことでも楽しく話せるところがいいかなと思います」
Q 特別指定選手として大阪エヴェッサで2シーズンプレーしましたが、昨季は川崎ブレイブサンダース戦と島根スサノオマジック戦での大活躍で、勝利の原動力になったことは多くの人たちの印象に残ったと思います。川崎戦はチームへの合流直後でしたが、3P5本を含む9本のFG全部成功させての23点を記録しました。あの試合はどんな意味がありましたか?
「インカレのことを引きずるつもりもなく、エヴェッサに入れてもらったという感じだったので、気持ちを切り替えましたし、大学4年のシーズンもあるので、何か自分のために吸収できるものを吸収して、それをチームに帰ってから還元して強くするという大きな思いがありましたし、自分のことに集中していました。その後(の試合)にあまり勝つことはできませんしたが、自分としてはさらにいろいろなことを吸収できた期間だと思います」
Q エヴェッサでの活動で最後のほう、3月の島根戦では28点を奪いましたが、これもアウェイゲームでした。敵地で素晴らしいパフォーマンスを発揮できたことで、元々あった自信のレベルがさらに上がった実感できるものでしたか?
「そうですね。その試合前の自分は正直あまり調子が上がっていなかった状態で、少し悩んでいた部分もありました。試合前やホテルで監督(天日謙作前ヘッドコーチ)に“何も考えずに思い切りやってくれ”と言われたので、そこを表現できた結果、あのような形になったと思います。その前まではあまり自信がなかったんですけど、その試合を終えてすごく自信がつきました」
Q 大阪にはディージェイ・ニュービルというすごい選手がいます。ガードとして彼から学んだこと、すごいと思ったところはありましたか?
「本当に見たらわかるように、何でもできる選手。ボールハンドリングもそうですし、シュートに行くまでの過程、シュートのスキル、3P、ステップバックと何でもできます。自分がすべてできるわけではないですけど、見て学ぶものもありましたし、試合に臨むメンタル的な部分を間近で見ることができて、プロとしてどうあるべきかをすごく学ぶことが多くありました」
Q 絶対的な自信を持っていると思われるシュート力、自分にとって最大の武器になると感じたのはいつごろからですか?
「その前のシーズンも少しの期間ですけど(エヴェッサに)入れてもらって、その期間にシュートを決めることができたので、ある程度自信を持つことができました。大学のシーズンで思い切りそれができて、その強みを生かして2年目を行かせてもらい、そこを変わらずにやって、さらにディフェンスもすごい自分としては持ち味になりました。その強みは変えちゃいけないですし、自分もそう思っていたので、そこはずっと自信を持ってできていたかなと思います」
Q 高校時代の自身を振り返ってほしいのですが、2年生から主力の一人として活躍しました。大阪の出身ですが、北陸高に進学しようと思ったきっかけや理由を話してもらえますか?
「自分は大阪出身ですけど、ずっと大阪の高校でなく府外に出たいというのがあった中で、一つの理由は全国に出られるところに行って、自分が通用するかしないかは別として、そういうことを間近で感じたい、いつでも感じられるという環境でした。そんな中で北陸高校さんに声をかけていただいたので、毎年全国に出ていましたし、昔だったら優勝したりもしていました。やはり、全国のレベルをすぐに感じられるのが一番ですね」
Q 実際に入学してみて、チーム内の競争はどうでしたか?
「先輩方も経験を積んでいる人が多かったですけど、最初試合に出ていたり、その後に出られないこともありました。練習試合も北信越の試合もレベルがとても高かったので、チーム内だけでなく相手チームともすごくいい競争ができたのは、その経験も今に生きていると思います」
Q 3年生のウインターカップは初戦敗退という辛い結果に終わりました。相手からすると脅威なシューターとして成長していますが、この試合での高島選手はシュートが入らずに持ち味を発揮できずに終わってしまいましたが、今の自身にとってあの苦い経験はモチベーションを高める要素になっているのですか?
「正直あの試合は思い出したくないくらいシュートが入らなかったですし、チームとしても前半勝っていたのに後半で巻き返されて何もできずに負けてしまいました。しかも、自分にとって最後の年だったので、すごく悔しかったです。同じようなことを繰り返したくない。それはずっと覚えているので、モチベーションになっています」
Q これぞ北陸高と感じるカルチャーはどんなことですか?
「自由なところもありますし、ディフェンスからブレイクということです。ガード陣に今もBリーガーが多くいますので、そういうところは北陸ならではかなと思います」
Q 久井茂稔コーチの下でプレーした3年間、最も印象に残っているエピソードなどありますか?
「すごい早くからずっと試合に使ってもらっていたので、そこはすごくありがたかったですし、それがなければ今の自分はないと思っています。そこには本当に感謝しているところではあります」
Q 高校卒業後に大東文化大学へ進みました。いろいろな大学から興味を持たれた中で、大東に決めた理由は?
「西尾(吉弘)さんからすごい誘われたのもありますし、同期の中村が来ると聞きました。一緒にやってみたいという思いもありましたので、それを聞いてすぐに大東に決めました」
Q 大学でも下級生の時から出場機会を得ることができた理由を客観的に見てどう感じていますか?
「最初はすごく遠慮する部分もあったのですが、そこは1年生だから何も考えずガムシャラにやろうと思っていました。それが最終的に試合に出ることになりましたが、長期的に出ていたかと言えばそうではないので、まだまだ自分の課題がありました。それを自分で受け止めて、成長していかなければいけないとは思いました」
Q これまでの3年間で自分が成長した部分は?
「さっきも言いましたが、シュートの部分だったり、最初大学に入学したばかりのころは全然ディフェンスもできませんでした。その2つはすごく成長した部分かなと思います」
Q 選手として影響を受けたり、映像をたくさん見るなど参考にしている人は?
「自分はすごくBリーグを見ています。宇都宮ブレックスの比江島(慎)選手だったり、アルバルク東京の田中(大貴)選手は自分と同じポジションなので、ステップやピック&ロールがすごくうまいので、そういうところは参考にしています」
Q 最上級生となった今年、チームへのアプローチで大事にしていることはどんなことですか?
「自分は今いるメンバーの中でもBリーグに行かせてもらったり、代表に行かせてもらったりとすごい経験を積ませてもらっているので、そういうのをプレーでもそうですし、言葉でも伝えていくというのを一番大事にしています。それができるかできないかで“自分が何をしに行っていたのか?”というところもあるので、そういうのはすごく大事にしています」
Q 西尾コーチから個人的に今季求められているところは?
「あまり直接的に言われているわけではありませんが、自分や中村が崩れてしまえばチームとしても大崩れしてしまいます。自分がミスをしたとしても顔を下げずのではなく、さらに発信して(チームが)崩れないようにし、周りに声をかけていくことが求められていると思います」
Q 春のトーナメント後、レベルアップの必要性を感じてチームとして力を入れてきたこと、夏の強化合宿でチームの成長を感じたところ、リーグ戦に向けての手応えは?
「春のトーナメントは負けてしまいましたが、その後も仮に勝ったとしても決勝まで行けたとしても優勝できるかといえば、正直やってみなければわかりませんけど、自分としてはそこまでのレベルに達していなかったと思います。ビッグマン2人がケガを抱えながら(のプレー)だったり、他のところもケガ人がいたのでそれは言い訳であり、細かい部分の詰めが甘かったことであのような結果(5位)になってしまいました。それを言い訳にせず、今はリーグで優勝するために一人でも多く戦力になるように合宿も終えられたので、すごくいい方向に進んでいるかなと思います」
Q 大学バスケットボールも留学生の出来が勝敗に大きく左右すると思います。バトゥマニ・クリバリとアブドゥレイ・トラオレという大東のチームメイトたちに期待するところは?
「2人とも大きいので、ゴール下の頑張りなしには勝てなくなると思います。特にリバウンドの部分は彼らがいなければ取れないですし、そこからオフェンスにつながりますし、仮に取れなかったとしてももう1回守ったり、彼らがいるからこそガード陣がプレッシャーをかけることができ、ショットブロッカーとして下にいるといった本当に役割が多いんですけど、2人なしでは勝って行けないと思うので、そこは期待しています」
Q コロナの影響によって、国際試合を経験する機会がなかなかありません。もし、海外のチームと対戦があれば、もたらされる恩恵はどんなことだと思いますか?
「まずはよく言われているフィジカルの部分だったり、戦略的なところも学ぶこともあると思います。身体能力も全然違うと思うので、そこはやってみないとわからない部分ですけど、経験できるのならばしたかった部分もあります。でも、コロナだから仕方ないと思います」
Q 西尾コーチの下でプレーしてよかったと感じることは?
「先ほども言いましたが、早い段階から試合に出させてもらっていたので、他のチームのことはわからないですけど、西尾さんだからこそそういった経験もできたと思います。失敗しても我慢して使ってくれているのもありますので、そこは西尾さんの下だからできた経験であり、早くからBリーグの中に入れてもらったのも西尾さんなしにはできなかったので、感謝してもしきれない部分はあると思います。トーナメントでは負けてしまったのですが、リーグ戦とインカレで優勝して恩返ししたいと思っています」
Q この人にはどうしても負けたくないと意識してしまう選手などはいますか?
「そういうのはないですけど、代表で一緒にやった選手には負けたくないと思います。活躍している部分を見ると、少し悔しい部分もあって負けられないなと思います」
Q 他のチームですごく仲のいい選手は?(その理由も)
「東海の松崎(裕樹)もそうですし、去年大阪で一緒だった日大の飯尾(文哉)は中学のときから知っていたので、すごく仲がいいです」
Q 日本バスケットボール協会のコーチ講習で、大東文化大がデモンストレーションを行いました。NBAのクリーブランド・キャバリアーズでアシスタントコーチを務めるアントニオ・ラングが特別講師になりました。彼の教えや言葉で印象に残ったことはありますか?
「NBAでコーチしていらっしゃいますが、NBA選手でもドリブル練習だったり、レイアップとかシューティングは本当に細かくやっているんだなと思いました。NBA選手でもそういうことをしているということは、すごく大事な部分だと思います。自分もプロを目指してやっているので、そういったところはすごく大事にしなければならないですし、そこを怠ってしまうと自分の成長はないと学ぶことができました」
Q バスケットボール以外で何かすごくハマっていることはありますか?
「あまりそういうのはないですけど、一つあげるならば韓国のアイドルのTWICE(トゥワイス)がすごく好きで、それがすごくハマっている部分ですね」
Q リーグ戦に向けての意気込みをお願いします。
「トーナメントは自分たちの思うような結果じゃなかったです。新人戦は関東で3位に終わりましたけど全国で優勝してくれたので、その選手たちがすごく自信を持っていますし、3、4年生も負けてられないという気持ちになっています。そこが融合したことでさらにチーム内の競争も激しくなって、今は本当にだれがどのタイミングで試合に出るかわからないくらいです。リーグ戦は26試合と長いので、チーム力なしでは本当に勝てないと思います。だれかが崩れたら全員で支えるということを意識しながら、1戦1戦大事にしながら優勝したいと思います」
Q この24時間でちょっとだけハッピーだったこと、何かありますか?
「昨日ワンピースの映画を見てすごいおもしろかったので、幸せだなと思いました」
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高島紳司(大東文化大学4年 192cm/SG/北陸高校出身)| 第98回関東大学バスケットボールリーグ戦 出場選手インタビュー
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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