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バスケット ボール コラム 2021年12月29日

【ハイライト動画あり】福岡大学附属大濠:1回戦から決勝の最後まで強固なディフェンスを堅持し、28年ぶり3度目の頂点に

ウインターカップコラム by 青木 崇
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福岡大学附属大濠 13	岩下准平

笑顔で優勝を喜ぶ福岡大学附属大濠 13 岩下准平(写真中央)

1回戦から数えて6日連続の試合ということもあり、福岡大学附属大濠の主力選手たちは明らかに疲労が蓄積していた。それはオープンでショットを打てる形を作っても、なかなかリングの間をボールが通過しない。仙台大附属明成戦で9本の3Pショットを決めた岩下准平も、FGは18本中5本成功に終わっていた。だが、重い展開で得点を奪うのに苦労していたものの、福岡大学附属大濠はディフェンスの強度は1回戦の開志国際戦から帝京長岡との決勝まで落ちることがなかった。

開志国際、中部大学第一という留学生のビッグマンを擁するチーム、2mに近い身長で運動能力の高い選手を揃える仙台大附属明成に勝てたのは、チーム・ディフェンスの質が高かったからこそ。福岡県予選で福岡第一に敗れた後、腕の長さとクイックネスを兼備する193cmの湧川颯斗が先頭になる1−2−2のゾーンプレスを徹底的に練習し、ウインターカップでは福岡大学附属大濠の大きな武器へとレベルアップ。開志国際戦、インターハイの雪辱を果たした中部大学第一戦、16点差を逆転した仙台大附属明成戦は、ゾーンプレスでターンオーバーを何度も誘発させて得点できたことが勝因だった。岩下はこう説明する。

「(福岡)第一に負けてからディフェンスの部分をしっかり、オフェンスじゃなくディフェンスに重きを置いてやっていこうということになりました。この1、2か月はゾーンプレスをしっかり練習し、それをカギにして戦ってきました。マンツーマンができたからこそのゾーンだと思うので、マンツーマンで一人一人が守れるようになってからのゾーンやプレスだったと思います」

帝京長岡はしっかり対策を練ってきたこともあり、ターンオーバーから速攻で失点するシーンをある程度限定できた。しかし、高い身長と腕の長さを生かした福岡大学附属大濠の2−3のゾーン・ディフェンスによって、留学生のコネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメードにボールを供給しにくくい状況を作られてしまう。

【ハイライト】

福岡大学附属大濠 vs. 帝京長岡|高校バスケ ウインターカップ2021 男子決勝

たとえコネが1対1で攻められる局面になっても、フロントラインを構成する196cmの副島成翔と200cmの川島悠翔が交互に対応できるのは、他のチームにない福岡大学附属大濠の強み。「(副島)成翔とか(川島)悠翔が身体を張ってくれたので、自分たちはそのリバウンドを飛びついて行こうと思って試合をしていました」と岩下が語ったように、コネに20本奪われながらもリバウンドの総数は50対51とほぼ互角に渡り合った。

FG成功率の低いロースコアのゲームは、帝京長岡が2Q序盤の9点差を3Q序盤で逆転したことで、土壇場まで勝負の行方がわからない一進一退の攻防になる。福岡大学附属大濠の3度目か、それとも帝京長岡の初優勝か? そんな決勝戦で違いをもたらしたのは、エースのビッグショットと、ディフェンスのビッグプレーだった。

4Q2分13秒に島倉欧佑のジャンパーで帝京長岡が均衡を破ったものの、1分27秒に岩下が川島のスクリーンを巧みに使いながら打った3Pが決まって福岡大学附属大濠が55対54と逆転。直後のディフェンスでは、スクリーンプレーからコネへのゴール下へ通そうとした帝京長岡のロブパスを川島が弾いてターンオーバーを誘発。ボールを奪った福岡大学附属大濠は、速攻でファウルされた泉登翔が残り1分12秒に2本のフリースローをしっかり決めたことで、リードを3点に広げた。

残り29秒にコネのダンクで1点差にされたものの、残り14秒に湧川がティップインを決めて再び3点差。最後はこのチームの代名詞となった厳しいディフェンスで帝京長岡のシューター陣に3Pを打たせず、コネがショットを外した後のリバウンドを確保した福岡大学附属大濠が、59対56のスコアで28年ぶり3度目の頂点に立った。

「チームとして苦しい場面もあったけれども、結束して勝ち得た優勝だったと思います。試合を重ねる度に学んで、自信をつけて成長していった大会でした」とは、福岡大学附属大濠の片峯聡太コーチ。強豪校を次々と撃破しての優勝は、強固なディフェンスが最初から最後まで継続できたことに尽きる。相手のFG成功率は準決勝で対戦した仙台大附属明成の32%が最高で、決勝で戦った帝京長岡は28.9%。また、開志国際戦の29本を最高に、準決勝で19本、決勝でも20本のターンオーバーを誘発させたことは、選手個々のハードワークとチームとしての一体感を示すものだった。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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