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バスケット ボール コラム 2021年12月27日

【ハイライト動画あり】小林:親子で目指した古豪から強豪への復活。今回のベスト8進出は強豪になるために踏み出した新たな第一歩

ウインターカップコラム by 青木 崇
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県立小林の石川響太郎選手と石川祐二コーチ

県立小林の石川響太郎選手と石川祐二コーチ

学校創設から100周年の今年、小林は予選で延岡学園を倒して出場権を獲得すると、ウインターカップでも3回戦で八王子に快勝するなど、留学生のいる相手を破ってのベスト8進出。21年ぶりとなるメインコートの舞台で対戦したのは、インターハイ準優勝校の帝京長岡だった。

小林の強みはアグレッシブなドライブでゴールへアタックし、そこからの展開で3Pショットを決める形。石川祐二コーチの長男である石川響太郎は、1回戦の豊浦戦と2回戦の桐光学園戦で32点、3回戦の八王子戦で34点を奪うなど、シュート力を武器にしたスコアラーとしてチームを牽引していた。宮崎県予選決勝の延岡学園や3回戦の八王子戦のように、留学生を擁する相手でも勝てる術を身につけたチームであることは間違いない。

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帝京長岡との準々決勝でも、前半の小林は一進一退の攻防に持ち込んだ結果、37対39でハーフタイムを迎えることができた。「エースと言われる響太郎はなかなかシュートが当たらなかったんですけど、周りの選手がよくつないで2点差で終えたということで、“後半もう1回頑張るぞ、行けるぞ”という話をして後半に入ったのです」と石川コーチは話したが、後半になる帝京長岡のギアが一気に上がり、コネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメードが30点、30リバウンドとペイント内で強烈な存在感を発揮するなど、3Q終盤で点差は20を超えてしまった。帝京長岡の強さについて、石川コーチは次のように語る。

「延岡学園さんも八王子さんも素晴らしいチームですけど、帝京長岡さんは場数を踏んでいると言いますか、経験がすごいな、落ち着いてバスケットをしているなと。こっちが慌てさせようとしてもまったく慌てないというところがすごいなと、ゲームをやりながら感じていました」

田中颯真がチーム最多の21点、石川響が18点、大津尚輝が19リバウンドと3年生たちは奮闘したものの、68対87のスコアで小林のウインターカップは終わりを告げた。持ち味であるドライブからのキックアウトで何度もいいショットを打っていたものの、4日連続の試合という疲労の影響したのか、3Pは35本中10本しか決められなかった。石川響は試合をこう振り返る。

【ハイライト】

小林 vs. 帝京長岡|高校バスケ ウインターカップ2021 男子準々決勝

「前半は自分たちのスタイルである走るバスケットを展開し、自分たちの力を見せることができたと思いましたけど、後半に自分たちの甘さが出てしまいました。やはり力不足。前半やってきたことを継続できずに足が止まってしまい、受け身なってしまった部分がありました。相手にディフェンスでプレッシャーをかけられ、走られてしまったことで点が離れてしまった部分があったと思います」

父と弟の慎之助と一緒に戦う最後の試合になってしまったことについて、「正直あと2つやりたかったんですけど、自分の力不足でチームのエースとしての役割を全うできませんでした。父にも弟にも日本一をプレゼントできなかったのはとても悔しいです」と話した石川響。3年間だれよりも厳しく指導してきた石川コーチが、「彼を一度も褒めたことがないんです。他の選手は褒めても彼を褒めたことがないし、いくらいいプレーをしてもいくら点数を取ろうが必ず怒られる。そういうところを彼はすごく我慢して頑張ってくれました。ホテルに帰ってから少し褒めてあげようかな」という言葉は、戦い終えた息子に対する感謝の意を示すものだった。

1999年と2000年のウインターカップで準優勝という実績のある小林は、ずっと古豪と言われている。しかし、石川コーチは“古豪から強豪への復活”というテーマを掲げてチームを作りをスタート。1回戦敗退という結果に終わったインターハイを糧に、より一生懸命に練習し続けたことで、ウインターカップでベスト8に進出し、メインコートの舞台に立つという成果を出した。これは正に、“古豪から強豪への復活”の第一歩を踏み出したと言っていいだろう。

「“古豪じゃダメなんだ、強豪になる。そのきっかけを作ってくれるのは君たち3年生しかいないんだ”というところでは、古豪じゃなく強豪という言われ方をするくらいまで力をつけてきたのかなと思います。来年は先輩たちが残してくれた財産が大きいだけに、もっとハードにやっていかない。また古豪と言われてしまうのが悔しいですから、1、2年生は力を込めて本当に練習の鬼になって頑張ってもらいたいと思います」(石川祐二コーチ)

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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