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【ハイライト動画あり】福岡大学附属大濠:1Qの25−3の猛攻で一気に引き離すなど、プレス・ディフェンスで開志国際を圧倒しての初戦突破
ウインターカップコラム by 青木 崇福岡大学附属大濠高等学校 岩下准平選手
ウインターカップの組み合わせが発表されたとき、いきなり福岡大学附属大濠対開志国際というカードを見たことにすごく驚かされた。1回戦で顔を合わせるのはあまりにももったいないと感じるマッチアップだが、福岡大学附属大濠の選手たちはこの結果を歓迎していた。勝ち上がれば3回戦でインターハイ準決勝で負けた中部大学第一との対戦が実現する可能性があるということや予選で福岡第一に負けたことも重なり、モチベシーションのレベルが上がっていった。片峯聡太コーチはこう語る。
「上まで行ったら文句なしの優勝だなと。選手たちが“ちょっと、えー”みたいな反応になるかと思ったら、岩下が“やったるわ”という感じになった。開志に力があるのはわかっていたし、3回戦で洛南かインターハイで負けている中部大学第一とやりたい。今年は(仙台大学附属)明成と絶対にやりたいというのが岩下とかにあるので、うちはかなり厳しい山に入っていますけど、そういうモチベーションでやっている。逆に緩い山のほうが我々は足をすくわれていたかもしれないので、気持ちの入った試合ができたかなと思います」
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ひざの大ケガで昨年のウインターカップに出られなかったが、今夏にU19代表として世界を経験した司令塔の岩下准平は、東山に大敗したときと同じCコートで躍動。20点、5リバウンド、4アシスト、5スティールと攻防両面でチームを牽引した。そんな3年生の大黒柱に牽引された福岡大学附属大濠は、フルコートのプレス・ディフェンスで開志国際からターンオーバーを何度も誘発させるなど、怒涛の猛攻で主導権を握る。
1Q5分59秒に岩下が3Pプレーとなるレイアップを決めたのを皮切りに、湧川颯斗のドライブや大澤祥貴の3Pショット、副島成翔のティップインなど、25−3のチャージで32対14として1Qを終了。注目の1年生川島悠翔がファウルトラブルでベンチに下がる時間が長くなっても、バックコートから激しくディフェンスのプレッシャーをかけ続けたことで、開志国際に追撃のきっかけを与えない。ベンチから出てきた大澤祥貴は2Q終盤に2本連続で3Pショットを決めるなど、ハーフタイムで55対30という大差をつけた。
【ハイライト】
福岡大学付属大濠vs. 開志国際|高校バスケ ウインターカップ2021 男子 1回戦
「出だしのところ、プレスダウンを練習していたんですけど、前を向かなかったのが敗因ですね。あれだけ敵にパスをしてしまえば、バスケットにならないです。下級生の弱さがはっきり出た。後半はまあまあ落ち着いたんですけど、気持ちの部分で上級生との差が出たかな。後半修正したのだけど、遅かったという感じでした。ボールをガードに入れるところで何本もカットされているので、ちょっとビビってしまいましたね。突破できなかったところが敗因だと思います」と振り返るのは、敗れた開志国際の富樫英樹コーチ。後半になってから下級生のガード陣が少しずついいプレーをし始めたものの、時既に遅しという感は否めなかった。
福岡大学附属大濠は、後半になっても集中のレベルを落とさない。川島が3Qにダンク、3Pショット、ドライブからフィニッシュするなど、本来の力を少しずつ発揮できたのも今後の戦いに向けてのプラス材料。留学生相手でもディフェンスでしっかり対応し、オフェンスではアグレッシブにアタックする姿勢を見せた結果、20分14秒の出場で15点、4リバウンド、1アシストを記録した。
88対64というファイナルスコアは、戦前の予想と違う大差だったかもしれない。しかし、有望なタレントを揃えるチームが攻防両面で質の高いパフォーマンスをできれば、このような結果が出ても驚くべきではないのだろう。岩下は試合を次のように振り返る。
「フリースロー後に自分たちが1−2−2(ゾーンプレス)で仕掛けたのと、3Qの初めも緩くならずにディフェンスでしっかり、もう1回0対0という考えでやっていこうということで、ディフェンス重視で入れたことが勝因だと思います」
難敵の開志国際を倒したことで、福岡大学附属大濠は悲願のウインターカップ制覇を目指す道のりで大きな一歩を踏み出した。しかし、それは厳しいものであることを岩下は重々承知しているし、それがチームにとっても大きなモチベーションになっている。
「1回戦が開志でしたし、インターハイで負けている中部、その次には明成、決勝には上がってくれれば(福岡)第一というのが、自分たちの想像しているトーナメントです。中部とはもう1回やりたかったですし、今年力があると言われている明成も自分たちはやりたかった。(福岡県)2位で(ウインターカップに)行くことによってこのパートに入ったから、“しっかりモチベーションを上げてやっていこう”という話をしました」
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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