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全文公開!高田真希(桜花学園→デンソーアイリス)| ウインターカップ開幕直前 卒業生インタビュー
ウインターカップコラム by J SPORTS 編集部高田真希選手
10年以上日本代表選手としてプレーしている高田真希(*高田の「高」はしごだか)は、国際試合で10cm以上大きな相手とタフに渡り合う。そんな彼女の心身両面での強さは、子どものころにやっていた空手が役立っているという。勝つことが当たり前と言われる桜花学園で過ごした高校時代には、ウインターカップで辛い敗戦を経験したものの、3年生のときに三冠を達成している。今回のインタビューでは、ウインターカップの思い出について時間が許す限り話してもらった。
Q 桜花学園時代の話を聞きますが、井上眞一先生もとても細かいと思いますが、コーチとしてすごいところは?
「井上先生のすごいところは、本当に高校でも優勝を何十回もしていますし、いろいろな選手を日本代表を含めて輩出しているので、それくらいの指導力というのはあるんだなというのが、すごいところではあります。昔からいまだにそういうのが続いているので、指導力というのはすごいなと思いますし、自分自身はセンターとしてポストプレーだとか、センターのディフェンスとかをたくさん教わってきたんですけど、そういうところが本当に特別なことを何かしているんじゃないかと思われんですけど、桜花学園は…。いい選手もたくさんいますし、特別な練習をしているのかと思われるんですけど、自分たちからすれば基礎練習しかほぼしていないので、そういったところをできるまで徹底、それこそトム(ホーバス)さんと本当に一緒で、徹底させてできるまでやらせますし、そこをしつこくやることによって、試合に出たときに基礎練習ができた状態で臨めるので、いつも通りの自分たちのプレーができます。そういった細かいところまで徹底してやるというのは、いい指導者の一つの秘訣だと感じるところかもしれないです」
Q ウインターカップに出て率直に覚えていることを話してもらえますか?
「自分が3年生のときには優勝しているんですけど、1年生と2年生のときは優勝できていないので、とにかく“ウインターカップだけは勝ちたいな”という気持ちはすごく3年生のときすごく持っていました。勝つことが当たり前というところではあるので、勝つことが当たり前ですし、優勝して当たり前、三冠を狙いに行くのが自分たちの目標でもあったので、インターハイと国体で優勝して、最後のウインターカップを勝つことができてもちろんうれしかったんですけど、ホッとしたという気持ちが強かったです」
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高田真希
Q 最後のウインターカップは東京成徳大との決勝戦でしたが、高校三冠を達成したあの試合で覚えていることを話してもらえますか? 14点、10リバウンド、5アシストというすごいオールラウンドな活躍をしていました。
「本当に集大成として、今までやってきたことが全部出せたかなと思いましたし、1年生のときにはついていくのにやっとというか、ついていくこともできていないレベルで自分はスタートしているので、周りの同級生と比べて…。そこからいろいろなことを覚えながら、先生からポストプレーだとかドリブルを突くことなくシュートに行ける、簡単に点数が取れるようなポジションどりであったり、そういったところから身につけていきながら、ドリブルを突いたりだとかドライブしたというのが最後ウインターカップでもいくつかできたので、すごく本当に集大成として自分が最大限できるパフォーマンスは出せたかなというのは、決勝の舞台で思います」
Q 代表でも一緒にプレーした間宮(現姓大崎)佑圭は、マッチアップしていてすごかったと感じましたか?
「すごかったですね。自分からすると1つ下になるんですけど、身体の強さもありますし、自分と身長が同じくらいなんですけどうまさもありました。それこそ自分よりキャリアもありましたし、後輩ですけどうまさもあるので、初めて対戦したときなんかはすごくその中でも自分がまだまだ全然通用しないなという部分がたくさんあったりしたので、そういったところも含めて3年生のウインターカップでその差を少し埋まったかなというのも、マッチアップして実感したりというのはありましたね」
Q 1年生の時は控えとして試合に出ましたけど、(準々決勝の岐阜女子戦で)負けを経験しました。あの敗戦で桜花の選手として試合に出ることの重み、意味を知ることになりましたか?
「そうですね。自分はありがたいことに1年生のインターハイからずっとメンバーに入れさせてもらっているんですけど、やはりすごい人たちが集まっている中でもユニフォームをもらえる選手は限られています。ウインターカップなんか特にそうですけど、3年生にとって最後になってもそこが特別扱いされず、下級生でもうまい子のほうがユニフォームをもらえる場所なので、そういった意味でユニフォームをもらった選手の責任感というのは、高校生だからとか1年生だからというのは関係なく、ユニフォームをもらって試合に出る責任感というのは、桜花の子たちはどの世代も常々持っているんじゃないのかなというのは感じます。勝つことが当たり前の中で負けるというのは、すごく責任感というのも、特に3年生がそうですけども、下級生もその重みというのは十分に感じる部分があります。負けず嫌いの集団の中で負けるというのは、すごく悔しさをより感じるところではありますね」
Q 東京体育館のメインコートでプレーするということを当時どのように感じましたか? 試合前にすごく緊張しましたか?
「私は中学校3年生のときに現地で見ているんですけど、そのときもメインでやられていたので憧れというか、自分もそれこそ1年生のときもそうですけど、あの舞台に立ちたいというのは思っていました。本当に高校バスケのウインターカップ、ここ数年は違ったりしていたと思うんですけど、東京体育館というのが聖地となるんですかね。昔から自分も見ていた場所ですし、その舞台に立ちたいと思っていました。会場も大きいですし、人もたくさん入るので、それこそWリーグよりも全然大きい体育館で人が入るところなので、そこのメインに立ちたいとすごく思っていました。そこまで緊張することはなかったですね」
Q 元々試合前に緊張しないタイプですか?
「その時々によりますし、緊張したりするときもありますけど、割としなくなってはきましたね」
Q 宮崎選手は必ず緊張すると言っていました。
「ハハハ。人それぞれですけど、しっかり準備して臨めばそんなに緊張することはないですし、試合の中で少しずつ慣れてくる部分はたくさんあるので、今後のオリンピックもそうですけど、しっかり準備して自信を持って臨むことが、そういう不安材料をなくすんだなとすごく感じました」
Q 桜花学園にある勝利のカルチャーとは何だと思いますか?
「やはり勝つことが当たり前になっているところですかね。桜花に入った以上優勝して初めて勝ったって言えるので、1回戦、2回戦だとか準優勝では勝ったことにはならない。そこが伝統として残っているところが強さの秘訣だと思います。そこを一人一人がしっかり理解して練習なり試合なりをやっているところが、そういう意識を常々持てているところだと思いますね」
Q 高田選手はレフェリーの笛や試合の状況に影響されることなく、常に淡々とした表情でプレーしています。その落ち着きというか、メンタルタフネスはどこから来ているのですか?
「レフェリーの笛とか全然自分はなんだろう…、思うところがあったり、そういうところも出たりするんですけど、やられたらやり返す精神があるということですかね。自分のミスでとか、自分がマッチアップしている選手にやられてしまったりとかしたときに、すぐ絶対自分はやり返すとというのを思うというか、そういう気持ちに切り替えるので、迷いがあるとどうしても自分をコントロールできなくなってしまうと思うので、常にやり返すという気持ちを持つことで、自分はうまくいくいかないかは別として、その気持ちがすごく大切だと思っています。そういう気持ちであり続けること、気持ちでまず負けないところだと思っているので、気持ちがすごく大事になってきます。コントロールしなきゃいけないところも出てくるので、強気で行くことが試合中はすごく大事です。その中でいいところであったりダメなところを練習で克服していくことで、次の試合に少しステップアップして臨めると思うので、そういったところを常々、チャレンジ精神じゃないですけど、そういったのを持つことが自分をコントロールできるのかなというのは感じます」
Q 心のコントロールという部分では、小さいころにやっていた空手が活かされている感じでしょうか?
「そうですね。空手をやっていて、そこの道場の精神が“苦しいときこそ一歩前へ”というものだった。特に空手はそうなんですけど、自分は打撃というか組手メインでずっとやっていたので、実際に当てたり蹴りを入れたりするような空手だったので、どうしても相手に押されてしまうと負けてしまったりとか、不利になってしまう。そういったとき、なんか苦しいときこそ一歩前に出ていく、踏み込んでいくというのは、自分が空手をやっていてよかったなと思える部分ではあります。技術的な部分で活かされるときもありますけど、精神的にもそういったことを小さいときから身についていたりだとか学んでおいたことが、今でもそういう気持ちにさせてくれる部分がたくさんあるので、そこは活かされているなと思うところがたくさんあります」
Q 桜花学園での3年間で得たもの、今のキャリアに活かされていることは?
「もうポストプレーですね。オフェンスでもディフェンスでもそうんですけど、ポストのゴール下でボールをもらったときの技術的な部分であったりとか、あとはポストディフェンス。特に海外に出たりすると自分より10cm、20cm大きい選手、なおかつフィジカルで強い選手とマッチアップするので、高校のときにはディフェンスの部分でも相手に対して身体を当てたりとか、中で簡単にボールを持たせないようにするディフェンスを自分はすごく学んだので、そこは高校生のうちに学んでおいてよかったなとすごく思います」
Q 今年のウインターカップに出場する桜花の後輩に加え、そして出場する選手たちに対し、当時の自分の経験を踏まえて何かアドバイスするとしたら、どんな言葉を送りますか?
「やれる準備はたくさんしていると思うので、そこをしっかり発揮してほしいです。特にいろいろなプレッシャーだとか、3年生は最後であったりとか、いろいろな思いを背負いながら楽しんでプレーしてほしいなと思います」
Q 自身で会社を設立するなど、バスケット以外でもいろいろ挑戦しています。高田選手が挑戦し続けられる理由、挑戦し続ける意味をどう捉えていますか?
「挑戦することが自分は楽しいですし、挑戦していいと思えることもあれば、これはうまくいかなかったなと思うところもあるので、そこがうまくいったときはもちろんうれしいですけど、うまくいかないときこそ自分は挑戦してよかったと思います。プレーでもそうなんですけど、バスケットはミスがつきものなのでミスすることもあるんですけど、“ミスしたらどうしよう、ああしておけばよかったな”と思うよりも、“じゃあ次こうしてみようかな。もう少しこうやってみようかな”という挑戦をすることによってうまくいきますし、ステップアップしていくと思うので、それを繰り返していくことで自分の引き出しがたくさん増えていくと思っています。自分はバスケットでそういうことをたくさん学んできたので、自分がやりたいこととかやってみたいことに対してなるべく挑戦していきながらやることが、自分のスタイルというか、生き甲斐かなと感じています」
Q これからの新たな挑戦、こんなことに挑戦していきたいと思うことはありますか?
「いろいろなことに興味を持ちますし、やってみたいなと思っているんですけど、バスケットの普及はやり続けたいなというのはすごく思います」
Q 高田選手がバスケにハマったきっかけは?
「中学校から本格的に初めて、当時から身長が同級生よりも頭一つ二つくらい抜けていたので、ハマるというよりもやれちゃっていたスポーツという感じです。やれちゃってここまで来た感じです。技術が伴っていなかったので、そこを埋めるのがすごく大変でした。どうしてもレベルが高くなってくると、桜花学園もそうですけど、自分より身長が低くても大きい選手相手に決めたり守ったり、普通にできてしまう。そこに自分は技術が伴わずに入ったので、それを埋めていくのがすごく大変でしたね。そういったところがすごく楽しかったのかなと思います。駆け引きしたりとか、それこそ本当にそれを埋めていく作業をしながら少しずつうまくなっていくのを実感して成長していったのかなと思います」
Q 最後の質問です。この24時間でちょっとだけ幸せだったこと、何かありますか?
「なかなか時間を取ることが難しくなっていますが、自分は食べることが好きなので、焼肉をちょっとした休みに食べに行けたときが幸せでした。昨日(12月12日)食べました。昨日は休みだったんですけど、ここ何か月かで唯一の丸1日休みだったので、そこで焼肉に行けたのは幸せでした」
文:青木崇
J SPORTS 編集部
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