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バスケット ボール コラム 2020年12月25日

オールラウンドなスイングマンとしての可能性を示した関西大北陽・金近廉  | ウインターカップ 2020 レビュー【大会3日目】

ウインターカップコラム by 青木 崇
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関西大北陽・金近廉

関西大北陽・金近廉

チームとしての総合力で上を行く福岡大附大濠相手に、関西大北陽の大黒柱である金近廉は、34点、12リバウンド、10アシストのトリプルダブル達成という前評判を裏切らないパフォーマンスを見せた。「金近を軸にいいチームを作ってきた」と福岡大附大濠を率いる片峯聡太コーチが振り返ったように、関西大北陽は84対92で敗れたものの、4Q序盤での17点差を残り1分16秒で6点差まで詰め寄る粘り強さを見せた。

映像ハイライトではなく、実際のゲームで金近を見た印象は、ゲームの感覚が優れていることだ。中学時代にガードをやっていた経験があるため、ボールハンドリングに大きな問題はない。ウイングでボールをもらうとアグレッシブにゴールに向かうシーンが多く、フィニッシュの精度も高かった。

この試合で記録した34点中31点は、19本中10本成功の2Pと14本中11本成功というフリースロー。福岡大附大濠相手だったことを考慮すれば、非凡な得点センスの持ち主であることは疑いの余地がない。

さらに、196cmのサイズを生かし、コート全体を冷静に見てオープンのチームメイトにアシストできるところは、福岡大附大濠戦で10アシストを記録したことでも明らか。「カバーがすごかったので、周りを見てアシストしながら、自分で行けるところは行けていたのはよかった。結構周りが見えていて、味方だけでなく、相手のディフェンスがどこを向いているとか、視野が切れているところをしっかり狙ってパスできたので、自分の中ではいい出来だったと思います」と話したように、金近はドライブした際にヘルプディフェンスをしっかり見て、シューターへのキックアウトやゴール下にカットする選手へのパスができていた。

試合序盤はディフェンスのカバーに対してそのまま突っ込んでしまっていたが、試合途中でアジャストしてフリーのチームメイトを見つけるプレーができたというのは、ゲーム感覚が優れている証と言える。今のU18年代を日本全体で見渡したとしても、195cmを超えるスイングマンで金近のようなパスのうまさを持った選手は皆無に等しい。

この試合で残念だったのは、3Pが最後の最後に1本決めるまで11本連続でミスになったこと。金近が「外のシュートがほとんど入っていなくて、最後入ったんですけど、ここという場面で決めることができなかった。そこは悔しい部分がある」と話すのも当然だろう。ただし、ショットに関しては練習の積み重ねで向上できる。

新型コロナウィルスの感染拡大による国際大会の中止がなければ、金近がアジアのトップレベルで通用するのかを見てみたかったというのが筆者の本音。もし、国際大会を経験していれば、よりハイレベルのパフォーマンスが見られたかもしれない。ディフェンスやフィジカルの強化など課題もまだまだあるものの、得点機会のクリエイトや非凡なパスセンスを持った196cmのスイングマンという魅力を持った選手として、金近は今後も注目に値する。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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