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51点と大爆発の島村を筆頭に、ワンハンドのショットが当たり前の山形中央。 | ウインターカップ 2020 レビュー
ウインターカップコラム by 青木 崇山形中央のエース 島村きらら
山形中央は40分間ハードに戦ったものの、41点、32リバウンドを記録した白鵬女の留学生イゼ・ヴァネッサ・アダオビに対する答えがなかった。75対98での敗戦に終わったとはいえ、エースの島村きららを軸に、ボールをしっかり動かしながら、緩急を使ったセットオフェンスから何度もいい形で得点に結びつけていた。
また、女子チームであってもワンハンドでショットを打つのが山形中央の特徴。ジャンプショットの両手打ちは、日本以外で見ることがないに等しい。女子は非力だからという考えが浸透している。しかし、アンダーカテゴリーの国際試合を見れば、日本だけが特殊だとすぐにわかるはずだ。山形中央の茂木卓矢コーチはこう語る。
「3年くらい前からかな。今の1年生はクラブでもワンハンドで指導してもらっていたので、意外と入りはスムーズでした。島村も入った時からあのままでしたので、ナチュラルに打てていました」
島村はボールハンドリング、ちょっとした体の動きからショットを打てる機会を作り出せる選手。白鵬女が厳しいディフェンス対応をしても、ボールをもらった時に1対1であれば、一瞬でショットを打つことができる。これはワンハンドがしっかり身についているからできるのであり、ドライブに行くと見せかけてのストップしてからのショットは、高校生レベルだとなかなか止められない。
「今日はシンプルにスリーから狙っていけばいいのに、ちょっと力みがありましたね」と茂木コーチが振り返ったように、島村の3Pは17本中4本成功となかなか当たらなかった。それでも、ドライブからストップしてのショットを中心に、2Pに関してはほぼ5割の29本中14本成功させるなど、島村は一人で51点をマーク。白鵬女の齋藤賢伸コーチは試合中、“どうしようもない”といったジェスターを何度か見せていたのも印象的だった。
島村以外の選手たちも普通に打っていたワンハンドの効果として、プレーの幅が広がることも忘れてはならない。茂木コーチは「クローズアウトからのカウンターに行くのも、ワンハンドのスタンスだとスムーズに行けるなど、プラスアルファの部分が大きい」と話す。さらに、ワンハンドで打てれば、自然と強いパスを出せることにも繋がる。1年生ながら司令塔としてプレーしていた五十嵐羽琉が、利き手だが右手だけでしっかりとパスをしていたシーンは好例。ワンハンドでプレーできる利点について、茂木コーチは「ドライブのキックアウトやエキストラパスも早くなりますよね」と説明する。
日本の高校女子バスケットボールにワンハンド・ショットが浸透するには、まだまだ時間がかかるだろう。それでも、山形中央が全国の舞台に立ったことは、変化への第一歩になると期待したい。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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