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バスケット ボール コラム 2019年12月27日

決勝進出の岐阜女子は「連覇を狙う挑戦者」、決勝は桜花学園への雪辱戦

ウインターカップコラム by 平野 貴也
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林真帆

王者ではなく、挑戦者。連覇を狙うチームの主将は、そう言い切った。ウインターカップ2019第72回全国高校バスケットボール選手権大会は27日に女子の準決勝を行い、2連覇を狙う岐阜女子高校は、81−63で京都精華学園高校を破って決勝進出を決めた。翌28日の決勝戦では、夏のインターハイ決勝戦で敗れた桜花学園高校と対戦する。岐阜女子の主将を務める林真帆(3年)は「この大会でしかリベンジできない」と闘志を示し、ポイントガードの藤田和(3年)も「インターハイは、見てくれている人にも悔しい思いをさせた。ウインターカップは勝って、恩返しをしたいので日本一に導きます」と力強く必勝を宣言した。

岐阜女子の生命線は、守備力だ。準決勝では、京都精華学園のキーマンである高橋未来(3年)をしっかりと抑え、序盤からリードを奪った。両チームは、夏のインターハイでも対戦。6点差で岐阜女子が勝ったが苦戦を強いられたゲームだった。その反省を生かし、第1ピリオドで17点差と一気に突き放した。第2ピリオドを終えて、リードを37点差まで広げると、後半は選手を交代させながら戦い、危なげなく勝利を物にした。

しっかりと、目指してきた舞台にたどり着いた。問題は、決勝戦の相手だ。優勝した前回大会では、桜花学園が先に敗れたため、対戦しなかった。今季は東海新人大会では勝ったが、インターハイで敗戦。大会後は、相手を置かない個人のシュート練習を行って、精度の向上を図った。各自が2ポイント、3ポイントの確率を日々、意識。2ポイントで90%、3ポイントで80%という高い目標設定を持つことで、基本的な技術を発揮するための集中力を高めた。林は「インターハイでは、自分たちのミスや、シュートを決め切れなかったところが課題だった」と振り返る。攻撃は、藤田が組み立て、長身留学生のイベ エスターチカンソ(2年)が軸となる。隙あらば、小柄な大角地黎(3年)がドライブや外角シュートを狙い、主将の林は得意の3ポイントで得点を量産する。林は「簡単にはスリーを打たせてもらえないと思うので、最後まで止まらず、足を使って、振り切りたい」と意気込んだ。

昨季、主力でありながらヒザの負傷で欠場を余儀なくされた藤田も、この大会に賭ける思いは強い。

「昨年は優勝して嬉しかったけど、自分は出られずに悔しい思いもした。外から見ないと気付けないこともあると思うから、それを伝えることで、気持ちはコートの中と一緒に戦ったつもり。ケガをしてからは(外から)アシストをするだけでなく、ドライブからのパスや、自分で点を取るプレーも増やせるようになり、プラスになった部分もある」(藤田) と話した。1年間の思いと進化を決勝戦にぶつけるつもりだ。

決勝戦は、28日の12時から武蔵野の森総合スポーツプラザで行われる。夏冬の2冠で前回大会の悔しさを晴らそうとする桜花学園か、夏の雪辱を期して2連覇を狙う岐阜女子か。高校女子バスケット界をけん引する2強が激突する。

文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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