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3回戦で対戦した済美は、ここ10年で何度も練習試合を行うなど、切磋琢磨してきた相手。しかし、ベスト4進出を目標にしている精華女にしてみれば、桜花学園への挑戦権を得るために絶対負けられない。
12月上旬にも練習試合を行うなど、手の内を知り尽くした同士の試合は、3Q途中まで同点という一進一退の攻防が続いた。「ベスト4を目指してやってきている分、ここで負けられないという思いがあった」とキャプテンの樋口鈴乃が振り返ったように、4Qの勝負どころでは1年生からレギュラーとして一緒にプレーしてきた三浦舞華がチームを牽引する。
4Q開始早々に3点差まで詰まったが、ドライブからファウルをもらってフリースローを2本とも成功させると、次のオフェンスではゴール下にカットしていた吉原陽世のレイアップをアシスト。8分46秒には右のウイングから3Pシュートを決め、リードを10点に広げる原動力となった。
「入るまで打ち続けるところは自分らしかったなと思います。とにかく空いたら思い切り打つというのは意識してやりました」と語ったように、前半でなかなかシュートを決められなかった三浦だが、終わってみればゲーム最高の30点をマーク。大上晴司コーチは「一番苦しい後半、相手を突き放すいい時に決めてくれたと思っています」と、エースのステップアップを称えた。
89対70で済美を振り切った精華女は、準々決勝で桜花学園にチャンレンジする機会を得た。大上コーチは「当然桜花学園といえば王者です。桜花だからという気持をなくして、敵は自分たちだと言い聞かせて練習を続けてきてやってきましたので、思い切り胸を借りて挑戦していきたいです」と謙虚な言葉を残したのに対し、得点源の三浦は「相手の弱みをすぐ見つけたりして、自分の得意なプレーやトランジションから攻める精華のバスケットをしていきたいと思います」と強気。司令塔の樋口も「どこが相手でも自分たちのプレーをやって、絶対勝ってベスト4に進みたいと思います」と、勝利に対する強い気持を表現した。
三浦と樋口にしてみれば、女王桜花学園との対戦はコンビを組んできた3年間で培ってきたもののすべてを出し切る絶好の機会。2人の間に素晴らしいケミストリーが構築されていることは、2人の言葉とコート上のプレーを見れば、すぐにわかるはずだ。
「助かります。危ない時は交互にやれる仲間がいるから入らない時も思い切り打てるし、助けてくれるからパスも回すことができる」(三浦)
「尊敬できる存在です。入学の当時からすごかったんですけど、バスケットにストイックというか、努力する姿勢で自分たちを引っ張ってくれましたし、自分のモチベーションを上げてくれました。コートの中では1年生の時から一緒に出ていて、自分が今意識してやっているのは三浦をいかに気分良くプレーさせるかという部分。コミュニケーションもしっかり取れるようになったし、本当にいい状態でボールを渡したら、絶対点を取ってくれるエースになったので、そういった意味では3年間プレーできてよかったなと思います」(樋口)
身長の高さだけでなく、個々の能力やスキルといった総合力で、桜花学園が精華女よりも優位なことは明らか。しかし、「明日も当然40分間彼女たちは暴れてほしいと思っています」と大上コーチが語るように、自慢のワンツーパンチが大爆発となれば、おもしろい試合になっても驚かない。女王を倒しての目標達成に、精華女のモチベーションはますます上がるばかりだ。
文:青木崇
青木 崇
NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。
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