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バスケット ボール コラム 2019年12月4日

【高校バスケ ウインターカップ2019】富山工:団結力日本一のチームであることをウインターカップで証明する

ウインターカップコラム by 青木 崇
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富山工業高校

3年ぶり2度目の出場となったインターハイでは、1回戦で四日市工に46対94で大敗。キャプテンの平崎尋斗は、「緊張と全国の舞台を経験したことがなかったので、相手がどういうプレーをしてくるかも想像でしかなく、実際にやってみるとスピードや1個1個のプレーが全国レベルだと高いなと感じて、自分たちのプレーができませんでした」と振り返る。しかし、高校の指揮官として37年のキャリアがある松井昭博コーチの見方は違った。

「前日まで最悪の練習でした。本当に強い弱いじゃなく、これじゃ不甲斐ない、まずいなと思い、当日の朝にもう1回練習しました。その時にトレーナーの方が体幹を締めるフットワークをやってくれて、彼らも自分たちも行けるとわかりますから、動きですよね。いい雰囲気で入ったと思います。逆に言うと理屈抜きに実力がなかったのかなと、本当に」

インターハイ後、チームの目標は必然的にウインターカップ出場、全国大会で勝つことへと変わっていく。ただし、60人の部員全員が本気になっているのかという点で、松井コーチの中に疑問符があった。

“ウインターカップに出る意義は何なのか?”
“富山工は何を成し遂げたいのか?”

部員たちは昨年、セルフイメージを高める意味を込めて「日本一を狙いたい」と口にして以来、団結力日本一を目標に日々を過ごすことを心がけていた。しかし、インターハイの大敗で自分たちの姿勢を見直さなければならなくなる。松井コーチの「インターハイで負けたわけだから、団結力で日本一になったのか?」という問いかけに、部員たちは「違う」と正直に答えた。団結力日本一が何であるかを改めて考え直した時、今までやってきたことでは不十分と認めるしかなかったのである。

松井コーチがメンタル担当のコーチと話し合いを行った後のチームミーティングで、今年の目標である団結力日本一を全員で再認識。大きな助けになったのが、ワールドカップで準々決勝進出を果たしたラグビー日本代表だった。

チームスタッフの一人が、彼らを追いかけたドキュメンタリーを絡ませながら自分たちを投影させるような映像を制作。それを見た部員たちは、それぞれの役割を理解し、献身的に行動することを自然にできるようになってきたのだ。コーチによる強制でなく自発的に身についたことに、「これはうれしかったです」と松井コーチは語る。

“団結力であれば、実力の日本一の福岡第一とも戦える”

福岡第一には試合で勝てないかもしれないが、団結力で日本一になる。それを実現ためには、団結力のディフェンスとは何か? というところから始まり、県大会を圧倒的な団結力で突破し、自分たちの中で団結力日本一を証明できる感動大賞(大会本部による選出)を手にするには、初戦が大事ということへと至った。

インターハイ以降の富山工は一体感のレベルが上がり、考えの違いから衝突があったとしても、風通しのいいコミュニケーションができるようになった。12月23日に行われる日本航空との1回戦は、富山工が団結力日本一を証明するための大事な舞台になる。3年生の浜子武己はチームの大黒柱として、ウインターカップへの意気込みを次のように語った。

「一つ一つ当たり前のプレーやルーズボールだったり、ディフェンスを粘り強くすることによって、相手のミスを誘うことや自分たちの流れに持っていけると思います。当たり前のことをしっかりやって、自分たちの力を出して勝ちたいなと思います。自分はチームのエースであることを自覚して、オールラウンドなプレーが得意なので、外からでも中からでも得点できるように頑張りたいと思います」

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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