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全国高校総体のバスケットボール競技は、2日にサンアリーナせんだいで最終日を迎え、男子の決勝戦は、福岡第一(福岡)が107-59で北陸(福井)を破り、3年ぶり3回目の優勝を成し遂げた。
福岡第一は、昨年も優勝候補だったが、力を出し切れなかった。主将で得点源だった松崎裕樹(現、東海大学)とポイントガードの河村勇輝(3年=当時2年)がFIBA U-18アジアカップ出場のために不在。初戦敗退の憂き目にあった。昨冬には、その悔しさをぶつける形で全国高校選手権(ウインターカップ)を制したが、現3年生にとっては、まだ獲得していないインターハイタイトルを手にしたい思いがあった。
試合は、福岡第一が圧倒した。第1ピリオド、長身留学生のクベマ ジョセフ スティーブ(3年)がゴール下を制して連続得点でスタートすると、河村が得意の高速ドライブからレイアップを決めてバスケットカウントを獲得するなど、勢いよく攻めて23-11とリード。北陸は、福岡第一の堅守を揺さぶることができず、得点が伸びなかった。福岡第一の河村は「北陸さんが強いチームを倒して勢いがあるのは分かっていたので、それを止めようと思っていた」とチームの持ち味である堅守からの速攻を狙っていたことを明かした。
第2ピリオドは、北陸の2年生ガード土家拓大が奮闘。相手のファウルを誘ってフリースローで加点。続いて小川翔矢(2年)や高橋颯太(3年)が3点シュートで続いた。ところが、守備でゴール下を固めると、福岡第一が外角シュートでどんどん点差を広げた。途中出場の山田真史(3年)が3ポイントを4発。「3ポイントが自分の仕事だと思っていた」と話したとおり、役割を果たした。福岡第一は、51-32で前半を折り返した。
後半も福岡第一のペースは、揺るがなかった。北陸は、小川がフローターシュートを決めるなど気を吐いたが、福岡第一は小川が速攻で走って次々に加点。72-43とリードを10点広げた。第4ピリオドも点差は開く一方。福岡第一は、河村のドライブで88-48と40点差をつけると、残り6分33秒で先発メンバーを全員ベンチに下げたが、控えメンバーと言っても実力派揃い。さらにリードを広げて107-59で勝利した。
試合後は、部員全員でコート上に輪を作り、校歌を斉唱。喜びを分かち合った。夏の王者となった福岡第一が目指すのは、夏冬の全国2冠だ。3年前には、重富友希、重富周希の双子ガードを擁して、全国3冠(国民体育大会は、他校との合同チーム。今年からU-16世代の大会に変更された)を達成。主将の小川麻斗(3年)は「夏のチャンピオンは取れたので、次は冬のチャンピオンを目指して頑張る」と2冠宣言。追われる立場でなお強い姿を冬も見せられるか、楽しみだ。
文:平野貴也
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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