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全国高校総体(インターハイ)のバスケットボール競技は、2日にサンアリーナせんだいで最終日を迎え、女子の決勝戦は、桜花学園(愛知)が72-59で岐阜女子(岐阜)を破り、2年連続最多24回目の優勝を成し遂げた。
5年連続で同じカードとなった決勝戦は、ハイレベルな争いになった。第1ピリオドは、桜花学園がじわりじわりと引き離す展開だった。11-11までは競っていたが、前田芽衣(2年)の3点シュートや岡本美優(3年)のオフェンスリバウンド、相手のミスから留学生のオコンクォ スーザン アマカ(2年)が速攻で点を重ね、18-11とリードした。
第2ピリオドは、岐阜女子が追撃。藤田和(3年)、林真帆(3年)の連続3ポイント、藤田のドライブなどで25-25に追いついた。ところが、桜花学園は、前田の3ポイント、岡本のパワフルなドライブで38-30と再び引き離して、前半を終えた。岡本のプレーは、頼もしかった。ゴール下でリバウンドやパワープレーを見せるが、ミドルからも点が取れる。コートネームが「とあ」で「とあさん」と呼ばれることと、体格が良く、肩幅が広いために包容力があるという意味で、チームメートからは「お父さん」とも呼ばれる存在。リードを広げるプレーを多く見せた岡本は「相手のマークが変わって抜きやすい(マッチアップの)ときに、ガードの江村優有(2年)とか平下に『自分のところから攻めたい』と言ったら、信頼してパスをくれた」と手ごたえを示した。
第3ピリオドも桜花学園のペース。守備で相手を単発の攻撃に抑え込んでリードを堅持。インサイドの留学生対決も攻守両面で優位に立ち、相手に点差を縮める隙を与えなかった。また平下が「フェイスガードを仕掛けられて、点が取れなかったので、それなら守備を頑張ろうと思ってやっていた。でも、途中から井上先生に『何もやってないじゃないか』と言われてしまったので、ボールをもらいに行くようにした」と話したとおり、攻撃で存在感を発揮し始めた。
第4ピリオドも桜花学園が引き離す展開だった。平下がジャンプシュートやドライブで加点。岐阜女子は、焦りを隠せず、連係にミスが生じたほか、外角シュートも落ちた。インサイドにパスが通っても、桜花学園のアマカにブロックされた。終盤は、オールコートの守備を仕掛けたが、点差は縮められなかった。 昨年の優勝からゲンを担いで、同じように右肩部に全員が「日本一」とマジックペンで書き込んだ桜花学園は、元号が平成から令和に変わって最初のインターハイを制覇。冬の全国高校選手権(ウインターカップ)でも日本一を狙う。元号が変わっても、桜花の時代を終わらせるつもりはない。
文:平野貴也
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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